SILHOUETTE／ホワイト・ウィドウ

オーストラリアのメルボルンで’08年に結成された５人組による４枚目のアルバム。メロディアスなハード・ロックやAORを好むリスナーから支持されてきたバンドだが、’80年代の名盤の数々を想起させるコーラス・ハーモニーやシンセ・サウンドを活かした音楽性はもちろん本作でも変わらず、時代に与しないパーソナリティを示している。H.E.A.Tのヨナ・ティーが提供した楽曲もあるものの、それ自体はポジティヴな意味で話題の１つに過ぎないことも分かるはずだ。ボーナス・トラックでは何とW.A.S.P.の「Wild Child」を採り上げており、原曲を踏まえつつ彼ら流の哀愁を感じさせる佳曲に。

【文】土屋京輔