今年はフェンダーのアーティスト・モデルが発売されてから30年目となる記念の年だ。その30周年を華々しく祝うべく、東京・渋谷にあるベルサール渋谷ガーデンにて6月15日(金)と16日(土)にそれぞれイベントが開催された。15日に開催されたのは“Fender Custom Shop Show”。これは200本近いフェンダー・カスタム・ショップ製のギター&ベースが全国の楽器ディーラーによって選定され買い付けられるという、一般の方は残念ながら入場できないクローズドなイベントだ。翌日には同会場で前日に買い付けられた製品が展示される無料イベント“Fender Custom Shop Exhibition”が催され、Charをはじめとする豪華アーティストによる体験イベントも行なわれた。ここでは15日に開催された“Fender Custom Shop Show”の模様をリポートしていこう。
まずは開催に先立ち、会場ではフェンダーミュージックの代表取締役エドワード・コール氏による挨拶が執り行なわれた。そして今回の記念イベントを祝うべく、マイク・ルイス氏(製品開発ヴァイス・プレジデント)、ジョー・レイノソ氏(カスタムショップ・セールス・ディレクター)、ポール・ウォーラー氏(カスタムショップ・マスター・ビルダー)、ホセフィーナ・カンポス女史(ピックアップ・マスター)の4名も会場に駆けつけてくれた。その挨拶の後、全国のディーラーによる選定が進められたのだが、会場に展示されたモデルの中からいくつかのモデルをピックアップして紹介しよう。
1962 Jazzmaster Journeyman Relic Vintage White
今年は“Jazzmaster”が60周年を迎えたこともあり、“Custom-Built”シリーズからは“Jazzmaster”が多数見受けられた。
1969’s MN Stratocaster Journeyman Relic Black Over Pink Paisley
こちらはピンク・ペイズリーの上からブラックのリフィニッシュが施され、長年に渡るライヴ・ツアーを経たかのようなルックスが味わい深いモデルだ。
Limited Edition Bob Bain “Son of a Gunn” Telecaster Relic Nocaster Blonde
“ザ・サイレント・ギタリスト”の異名を持ち、無数のレコーディングに参加したボブ・ベインのテレキャスターをポール・ウォーラー氏が再現。
また、会場にはジミ・ヘンドリックス、Char、高中正義、春畑道哉、Ken、INORANらのシグネチュア・モデルも展示されたほか、尾崎 豊が生前最後のツアー「BIRTH」で使用したテレキャスターを入念にプロファイリングし再現されたギターも限定1本で出品され、多くのディーラーからの注目を集めていたのが印象的だった。それらのギターを眺めていると、アーティストと切磋琢磨しながら一緒に作り上げることで進化してきた歴史がフェンダーにはある、そう強く感じたイベントだった。