新進メーカーの高性能お手軽マルチ
2024年に創業したばかりの新進メーカーであるSORANは、ブランド名に取り入れているように、“空(そら=くう)”という漢字を基にしたロゴもデザイン面に反映させており、シンプルながら奥深いプロダクツに期待が集まる存在だ。
既にいくつかのモデルをリリースしている同ブランドから今回試奏したのは、小型でありながら2フットスイッチ&エクスプレッション・ペダルを備えたフロア型マルチプロセッサー。しかも手頃な価格帯となれば、注目商品が多い市場となるが、その実力を早速見ていきたい。
製品を手にしてまず感じたのは、シンプルながら初見でも概要が把握しやすい整理されたUI(ユーザー・インターフェイス)の良さだ。デジタル・マルチプロセッサーとなれば、様々な選択項目やパラメーター画面、その他機能などが複数の階層にまたがる操作性がまず壁となる。その点本機は、8つ並んだスイッチ類が何を選択し駆動させるか否かを端的に表してくれる。どのようなアンプを選び、それにどのようなエフェクトを加えていくか、その判断がしやすいというのは、ベテラン勢にとっても、デジタル機器に慣れつつも音作りは勉強中の若いユーザーにとっても、わかりやすい仕様と言える。
小型フロア・タイプとはいえ、アンプ・モデルとスピーカー・モデルがそれぞれ25種類。それを含む計126種類のエフェクトが本機には内蔵されている。その上で強調したいのは、IRを読み込めるスロットが10個ある上、アンプ・モデルは10個のNAM読み込みスロットがある点だ。この“NAM(Neural Amp Modeler)”とは、無料のオープン・ソース・アンプ・プロファイル・フォーマットのことで、IRのように誰かが作成したアンプ特性データを自由に取り込める共通規格。既に大手も含むいくつかのメーカーが参入しており、先に挙げた25種類のアンプ・モデル以上のリアルなアンプ・サウンドを自在に使えるというわけだ。その中には特定のアーティストや曲を想定したものなどもあり、望みのサウンドを手に入れる近道ともなる。まさに無限大のアンプを手に入れることが可能になるのだ。それが、小型かつ比較的安価な本機でまかなえるというのが、最大のセールス・ポイントだろう。
本機も今様の製品らしくモバイル機器によるアプリ・コントロールも可能だが、大半の操作を本体完結で行なえるという点も高評価である。さらに、搭載のエクスプレッション・ペダルは、ヴォリューム・ペダル機能を基本としつつ、踏み込んでスイッチを切り替えれば、ワウにも簡単に切り替えることができる優れもの。使用することの多い2つの効果に特化することによって、ライヴ・ギアとしても思う存分に活躍してくれる。群雄割拠のシーンに、また1つ注目のブランドが登場した。




チューナーやルーパー機能に加え、リズム・マシンも搭載し、練習にも役立つ。

試奏動画 SORAN | Dual Stomp
製品概要 SORAN | Dual Stomp
●入出力:インプット、アウトプット×2、ヘッドフォン・アウト、AUXイン、USB-C
●アンプ&エフェクト数:126
●コントロール:EDIT、MASTER
●スイッチ:フットスイッチ×2、G-EQ、SYS、SAVE、HOME、GATE、OD/FX、AMP、CAB、EQ、MOD、DEL、REV、オン/オフ
●備考:エクスプレッション・ペダル搭載
●電源:USB-C充電(最大6時間駆動)
●サイズ:205(W)×120(D)×58(H)mm
●価格:¥15,800(税込)



