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機材紹介:福山芳樹〜MAGNOLIA TOUR 2015〜

解説及び撮影●ヤング・ギター編集部

福山芳樹 2015.7.26 ライヴ 4

(各写真をクリックで拡大)

ギター1 Fender:Stratocaster


福山が20歳の頃に購入したと言う、1972年製のストラトキャスター。本ツアーのメイン・ギターで、ほとんどの楽曲で使用された。ラージ・ヘッド仕様で、ボディーとピックアップはストックのままだが、それ以外のパーツはほぼ交換されている。1ヴォリューム、1トーン、フレットの数は22に変更。指板は、度重なるリフレットによる摩耗の為、貼り替えられている。ブライアン・メイ(クイーン)の影響で、トーンをスイッチ式にして、リア、センター、リア&センターのミックスのどのポジションからでもフロントを逆相でミックスできるのが特徴だ。また、ハイ・パス仕様のコンデンサーを載せている。ブリッジはゴトー製の2点留め、ペグはスパーゼル製だ。「これだけいじっても、音の印象は変わらないんです。唯一違和感があったのは、ヴォリューム・ポットを壊して交換した時でしょうか」(福山談/以下同)とのこと。「このストラトが無くなったら、ほんとに困ります」と語る通り、よく使い込まれ年季の入った1本だ。弦はアーニーボールで、使用ゲージは[.009〜.046]となっている。

ギター2 Crews Maniac Sound:Custom Model


デビューしてツアーをやるようになって、ちゃんとしたサブが必要になったのでクルーズにオーダーして作ってもらいました」と言う1993年製のSTシェイプで、今回のツアーでも2番目に使用頻度が高かった。配線方法やハードウェアなどのスペックは前述したストラトとほぼ同様だ。ネックは5年前に折れた為、新調されている。数曲で使われたが、「黒い瞳のネロリー」のイントロでは最近搭載されたピエゾ・ピックアップを使ってエレアコ・サウンドを創出。こちらの信号は、ボディー側面に増設された2個目のジャックから、フィッシュマンのプリアンプを介してPAに直接送られていた。

ギター3 SADOWSKY JAPAN:R-1


2009年製で、サドウスキー Tokyoのチーフ・ルシアー、菊池嘉幸氏の手によるモデル。今回は全弦1音下げチューニングの楽曲「ジャングルジム」「長い祈り」「モヘンジョダロにて」「サナギ」で使用。「菊地さんは僕が20歳くらいの頃に藤沢の楽器店でリペアマンとして働いていた頃からお世話になっていて、今でもなんでも彼に聞いてしまいます。高校生の頃の僕の雑な改造を、初めてちゃんと直してくれたのは当時の菊地さんだったのです。このギターは、(複雑な改造に)無理をお願いして(ストラトと)同じ仕組みにしてもらいました」。弦はアーニーボールで、ゲージは[.010〜.052]だ。

アンプ&エフェクター

福山芳樹 2015.7.26 VOX:AC30 TBX

アンプはデビュー時より愛用し続けているVOXで、“AC30 TBX”を使用。本来はコンボ・アンプだが、プリ&パワー・アンプの回路部分を抜き出して別のケースに収め(写真後側)、スピーカーが残された本体をそのままキャビネット(写真前側)として使用している。「フル・アップするとアンプ自体への負担が大きいようで、ツアー中に真空管が何度も飛び、トランスも2回だめになったことがあります。そこで、予備のバイアス調整済みの真空管を持ち歩き、アンプ自体も2台常備していました。ある日、スピーカーのダメになったアンプと別のスピーカーを組み合わせていたら故障しにくかった為、ヘッドとスピーカーを分離したら…と思いついて実践したところ、以降は真空管トラブルが格段に減ったんです。ちなみに、ヘッドのマーシャルのような箱は日曜大工が好きな父親に頼んで作ってもらったものです」。なお、キャビネットの左側には黒い板のようなものが貼られており、これで出音の音量を調節している。

福山芳樹 2015.7.26 ペダルボード

ギターの信号経路は大きく分けて2系統ある。まず、ギターからの信号はブッダのワウ(と、真下に設置されている、ペダルに足を載せた時の重さを感知してオン・オフを切り替えるG-LAB”True Bypass Wah Pad”)に送られる。続いて信号はBOSSのチューナー“TU-2”を通って右下のBOSSライン・セレクター“LS-2”(1個目)へ。ここはクルーズ製ギターに搭載されたピエゾ・ピックアップからのエレアコ用サウンドと、メインの信号であるエレクトリック・ギターのサウンドとを切り替える時のみに踏む(ピエゾからの信号はボード右側外のフィッシュマン“Aura”に送られ、PAへ)。メインの信号は、ボード中央にある2個目の“LS-2”へ送られる。こちらのループにはMaxonのフェイザー“PT-909”とエレクトロ・ハーモニックスのオクターヴァー“Micro POG”が直列で繋がっており、この2台のオン・オフを切り替える為に使用。続いてメインの信号は3個目の“LS-2”へと受け継がれて二手に分かれ、アンプに送られる。1つはBOSSのグラフィック・イコライザー“GE-7”からVOX“AC30 TBX”のNORMALチャンネル、もう1つはBOSSのオーヴァードライヴ“SD-1W”→コーラス“DC-2”→NEO Instruments“Ventilator II”(ボード左側外、ロータリー・キャビネット・シミュレーター)を順に通って“AC30 TBX”のBRILLIANTチャンネルに入力される。

VOXアンプのチャンネルは、まずメインがNORMALチャンネルで、ヴォリュームはフル・アップ。直前に接続された“GE-7”は歪み量を抑えブーストするためのもので、オフにした時のサウンドがリズム用のクランチ、オンにした時がソロ用のリード・サウンドとなる。一方、 BRILLIANTチャンネルはヴォリュームを5に設定してあり、音量控えめのシチュエーションで使われる。また、ロータリー・スピーカーのシミュレート・サウンド用として用意された“Ventilator II”は今回が初登場で、「風と風」で使われた。