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ジェフ・コールマン/コズモスクアッド 2017年来日

インタビュー●Jun Kawai Pic●naoju5155nakamura 機材写真●ヤング・ギター編集部

コズモスクアッドの音楽は他の誰にも似ていない

COSMOSQUAD 2017

YG:「Still Life」や「Sangfroid」にはジャズ的な要素も感じられますね。
JK:うん、それと「Still Life」には、僕らが受けた初期ラッシュからの影響も反映されていると思う。この曲はスティーヴ・ルカサーに聴かせたら凄く気に入ってくれた。パット・メセニーなどからの影響もある上に、他とは違った音楽だとね。彼は「Morbid Tango」を聴いて、「フランク・ザッパのヘヴィ・メタル・ソングみたいだ。でも、他とは違うサウンドだ。お前ら凄いよ!」と言っていた(笑)。スティーヴみたいな人からそう言ってもらえると嬉しいよ。

YG:「Still Life」はアラン・ホールズワースのようなコードも使っていないですか?
JK:もちろんアランの影響は大きい。その点ではパット・メセニーやアール・クルー、ウェス・モンゴメリーからも学んでいるね。

YG:ジェフはジャズ・ギターも真剣に学んでいたのですか?
JK:ああ、10代の時にね。ライヴでのヴォリューム・ペダルの使い方とか、自分では気付かなかったけど、日本のキッズがラリー・カールトンっぽいと指摘してくれた。確か、彼のライヴ・アルバム『LAST NITE』(1986年)を聴いたのがきっかけだったかな。僕がそうやってジャズを聴いていた理由は、自分自身のスタイルを作るためだった。ジャズ・クラブに出てジョン・コルトレーンの「Giant Steps」のソロを執りたいからジャズをやる、とかそういうことじゃない。R&Bやフィラデルフィア・サウンド、ヘヴィ・メタル、スラッシュ・メタル、パンテラ…色々な音楽を聴いて、それらすべてに自分なりのひねりを加えるんだ。コズモスクアッドのサウンドは他の誰にも似ていないね。僕が聴くインスト音楽はマイケル・ランドウ、トミー・エマニュエル、それぐらいかな(笑)。あとはジミー・ヘリングとか…。それとジョン・スコフィールドだ。「Sangfroid」にはジョン・スコフィールドの「Blue Matter」(1987年『BLUE MATTER』)からの影響があるよ。あの曲のスウィングしている感覚をシェーンが聴いて、デニス・チェンバースみたいなどっしりしたドラムを叩き始めた。

YG:最近アメリカでは、アニマルズ・アズ・リーダーズやCHONなどの若いインスト・グループがたくさん出て来ていますが、彼らのことは知っていますか? 
JK:知っているよ。彼らも自分たちだけの音楽をやっているから尊敬している。シェーンはアニマルズ・アズ・リーダーズが好きなんだ。僕は…尊敬しているし嫌いじゃないけど、関心が持てないな。もちろんトーシン(アバシ)のようなギタリストは、音楽の限界を押し広げていると思うし、感銘を受けるよ。僕が彼らのような音楽を聴くかと言われると、ノーということさ。彼らの曲は自宅のベッドルームにこもって、PCの前で書かれたような印象がある。僕は1つの部屋にみんなが集まってジャムっているような曲が好きだね。その方がもっとオーガニックな感じがするし、僕は曲の中から演奏している人の感情を感じ取りたい。誰かを亡くしたとか、怒りだとか。だから僕はパンテラが好きなんだ。彼らは正直でリアルだ。ジェフ・ベックを聴けば泣きたくなる。ゲイリー・ムーアだって…。

YG:音楽には感情表現が必要だと…。
JK:ああ。インストゥルメンタル音楽において大切なのは、歌詞も歌もない中でいかにエモーションを作り出すかだよ。聴き手に感情やパワーを伝えなきゃ。メランコリーだったり、セクシーだったり…。プリンスはセクシーだ。肉体的な話じゃなくて、彼の音楽がセクシーなんだよ。ゲイリー・ムーアの「Still Got The Blues」(1990年『STILL GOT THE BLUES』)だって官能的だ。孤独で、魂がこもっていて美しく、悲しく…パワフルだ。そういう要素が曲の中にあるんだよ。時にはパンテラのように怒りを吐き出したいこともある。そういう時は、自分の中にある要素を集めて作るんだ。

YG:実際、コズモスクアッドの音楽はとてもエモーショナルだと思います。
JK:うん、特にライヴではそれがよく出ているみたいだね。だって、日本のオーディエンスは凄く集中して聴いてくれるんだよ! クレイジーなぐらいだ。

ジェフ・コールマン機材紹介(各写真はクリック/タップで拡大)


ジェフのメイン・ギターである、フェンダー・カスタムショップ製のストラトキャスター。コントロール・ノブは1ヴォリューム&1トーンに改造されている…と思いきや、リア側のヴォリュームに“TONE”と書かれたノブを装着しているようだ。アーミングは行なわないためトレモロ・アームは外されている。


アンコールの「Morbid Tango」などで使われたFGN製“Expert FL”。チューニングは[全弦1音下げ+6弦のみさらに1音下げ]となっている。


日本のスタッフに借りて使っていたというギター。ヘッドのロゴを見ると松本孝弘の機材を手がけるFAT製であることが分かる。「Fat Mean And Nasty」「The Spy Who Ate Her」で使われた。

ペダルボードは2つに分けられており、こちらが「ディストーション、ディレイやリヴァーブが入っているメインのボード」(ジェフ談)。歪み系はT. Jauernig 製のシグネチュア・モデル“Kollmanation”や、同社製ファズの“F-Bomb 3”、エキゾティック“EP-Booster”、アイバニーズ“TS808”、ヴェムラムのオーヴァードライヴ“Jan Ray”など。演奏する曲に合わせてペダルを選択しているようだ。各ペダルを制御するスイッチャーはフリーザトーンの“ARC-3 Audio Routing Controller”。また同社のディレイ“Flight Time FT-1Y”とリヴァーブ“Ambi Space AS-1R”、さらにエキゾティックの“RC-Booster”は、アンプのエフェクト・ループに接続されており、「この方が音が良い」とのこと。

こちらは「お楽しみ系ペダル」が入っているというサブ・ボード。エキゾティックのワウ“XW-1”、デジテックのマルチ・エフェクト“EX-7 Expression Factory”、同“Digidelay”、D3オーディオ・デザインズのオーヴァードライヴ“Cream Crunch”、BOSSのオクターヴァー“OC-2”、フリーザトーンのコーラス“Tri Avatar TA-1H”、MXRの“Phase 90”のモディファイ、といったところが並ぶ。

アンプは日本でレンタルしたマーシャル“JCM2000”。クリーン・チャンネルにセッティングされており、ジェフは各種ペダルを使って歪みを作る。

ピックはジム・ダンロップの“Tortex Standard”。ゲージは1.0mm。