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KHAOS LEGIONS/ARCH ENEMY

ケイオス・リージョンズ/アーチ・エネミー

KHAOS LEGIONS - ARCH ENEMY
アーティスト名 ARCH ENEMY
アーチ・エネミー
アルバム名 KHAOS LEGIONS
ケイオス・リージョンズ


CD | トゥルーパー・エンタテインメント | 2011年5月18日発売

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前作『RISE OF THE TYRANT』(’07年)から、イヴ作『TYRANTS OF THE RISING SUN〜』(’08年)とリメイク作『THE ROOT OF ALL EVIL』(’09年)を挟み、3年半余振りに届いた通算8作目。途中、マイケルがカーカス再結成やS・ベガーズ再始動で、弟クリスはソロ作品制作で、それぞれ課外活動をやっていたのもあってか、もっと長く待たされたような気もするが──実のところクリスにとっては、本格的に曲作りに関わった久々のアーチ(カナ表記変更!)・エネミー作品ということになる。また、リズム隊の2人がこれまで以上に作曲面で貢献を見せ、全員で持ち寄った断片的アイデアを1曲の中へちりばめながら、組み立てていった楽曲も少なくないようだ。
よって、複雑というほどではないにせよ、緩急の落差やテンポ・チェンジを活かした楽曲が目立ち、その中へ隙あらば…とギターのオブリがどんどん挿入され、これまではアクセントの1つだったアグレッシヴなバッキングとメロウなフレーズの対比が、アルバムのあちこちで聴かれるようにもなっている。また、アンジェラのグロウルがなければ全く違う叙情曲になりそうな⑤があったり、激烈重量級⑦の末尾にアコ・パートを加えたり、ブルータルな⑧からプログレ風味が感じ取れたり、インスト間奏曲⑫がまんまUFOの某曲風だったり…と、様々に趣向を凝らしたアレンジも見逃せない。尚、⑮はスコーピオンズのカヴァー。アコ・リメイク⑯もファン垂涎だ。
(奥村裕司)

デビュー以降、ほぼ1〜2年のサイクルでアルバムをリリースしてきたアーチ・エネミーだが、’07年の前作『RISE OF THE TYRANT』後にはリメイク作品『THE ROOT OF ALL EVIL』発表、マイケルには再結成カーカスにS・ベガーズ、クリスにはソロ作品もあったため、オリジナル作品としては3年半振り。
ご存じの通り、このバンドの持ち味は展開力。細かいピースをパズルの如く繋ぎ合わせ、メンバー全員で曲に仕上げていくのは珍しいことではないが、今の彼らの場合、大胆さと巧みさを合わせ持ったアレンジの妙が特筆なのである。本人達は膨大な時間と手間が掛かるそこが大変だというが、楽しいだろうなあ…と思う。いや、きっと楽しいはずだ。今回もまた、それを強烈に感じさせる“巧妙”が所狭し。多岐に亘るそれらをこのスペースでは羅列できない。ただマイケルは、その点に於いて最高峰だと言われた前作を基準として踏まえ、更なる意外性を追求した…と言い放つ。この自信がなるほど納得であることは明記しておきたい。
テクニック、メロディー、ツイン・ハーモニー…、今回も満載のギター・プレイに関してはクリスの巧さに唸る。安定感のある弾きコナしに関しては以前から折り紙付きの巧者だが、ピッキングの巧さとそのリズム的なタイトさは注目だ。符割り無視の焦った速弾き系とはわけが違う正確さ…故に痛快、という感じ。②③⑧⑩辺りで聴かせるソロは、ギター・キッズの良いプラクティス素材にもなるはず。
(福田真己)