間もなく開催されるOZZFEST JAPAN 2013。ヘッドライナーのブラック・サバス、スリップノットを始め、洋楽・邦楽を問わず気になるメタル・バンドが目白押しだが、その中には昨年、待望のセカンド・ソロ『APOCALYPTIC LOVE』をリリースし、2年ぶりに日本にやってくるスラッシュもいる。
これにちなんで、昨年YGが独占取材を行なった、同アルバムにおけるレコーディング機材のフォト・ギャラリーを公開しよう。スラッシュのギター、アンプに始まり、ヴォーカリストだけでなくセカンド・ギタリストとしても才能を発揮したマイルス・ケネディの使用ギター、ベーシストのトッド・カーンズが使用したヴィンテージ・ベース各種、そしてスラッシュが実際にレコーディングを行なったブース”スラッシュ・ボックス”の内部まで、詳細にその風景を収めたエクスクルーシブな内容となっている。是非お楽しみいただきたい!
なお、より詳しい機材解説はスラッシュが表紙のヤング・ギター2012年6月号にも掲載されているので、そちらもお見逃しなく。
*各写真をクリックすると、拡大写真が表示されます。
Les Paul Replica / Slash
メインであるハンドメイドのレスポール・レプリカ。リアがセイモア・ダンカンのハンドワイヤリングによるカスタム・ピックアップに交換されている(フロントはオリジナルのAlnico II Pro)。
Gibson : Slash Appetite Les Paul Prototype #1
ツアーではメインで使用され(ボディー裏の塗装剥げはそのため)、新作でも幾つかのパートで使用されたAFDのプロト1号。ピックアップはAlnico II Pro Slash×2を搭載。
Gibson : Explorer Baritone Custom-made for Slash
スラッシュのためのカスタムメイドだが、ピックアップを含め基本的には市販モデルと同スペックのようだ。6弦=A。
ERNIE BALL / MUSIC MAN : Silhouette Bass Guitar Custom-made for Slash
エクスプローラーと同じくエクストラ・ロング・スケール・ネックのギター。カスタムメイドだが、やはり通常モデルと同仕様かと。
Jose Ramirez / Slash
ナイロン弦のアコースティック・ギター。「Anastasia」のイントロで使われたのはこれということになるだろう。
Gibson : Les Paul / Myles Kennedy
マイルス・ケネディがメインで使用したP-90ピックアップ搭載のゴールド・トップ。ブルース・キューリックからの借用品だそうだ。
PRS Guitars : Mira / Myles Kennedy
マイルスがライヴでプレイしているギターで、新作のレコーディングでも部分的に使用されたそうだ。
Gibson: SG / Myles Kennedy
1959年製のSG。ピックアップにP-90を搭載し、マイルスが長年所有していると言う。リズム・トラックで使用された。
Gretsch : Brian Setzer Model / Myles Kennedy
グレッチのブライアン・セッツァー・モデル。プロデューサーのエリック・ヴァレンタインの物で、マイルスが1曲リズム・トラックで使用。
Silvertone / Myles Kennedy
エリックが手に入れたというシルヴァートーン製。改造は施されていない。そのユニークなトーンゆえ、スラッシュとマイルスの音の違いを出す為に使われたギターの1つといえる。
Martin : DM / Myles Kennedy
ギター・テクの所有物で、録音では使用されていないが、マイルスが曲作り用に毎日弾いていたそうだ。
Amplifiers
マーシャルを中心としたスラッシュのアンプ・セクション。AFDのヘッド2台を中心に使用された。
Marshall : 2203KK & JVM410H
上段はケリー・キング・モデルの2203KK、下段はJVM410H。後述するAFD100と併用された。
Marshall : JCM800 2203KK
ケリー・キング・モデル。切れ味の良いトーンが魅力で、AFDのDIRTYとブレンドさせて使われた。
Marshall : JVM410H
多彩なサウンドが魅力のJVM410Hは、チャンネルをOD1に固定して使われた。
Marshall : JCM800 #34
スラッシュが古くから使用しているJCM800で、通称#34と呼ばれている。AFDの#34モードの参考になったヘッドだ。
Marshall : AFD100
本作のメイン・サウンドを担うスラッシュのシグネチュア・アンプ、AFD100が2台。上段は歪み用としてDIRTY 1、下段はクリーン用としてCLEAN 1と記されている。
Marshall : AFD100 DIRTY 1
歪み用。コントロールは左からPOWER(10)PRESENCE(4)BASS(6)MIDDLE(6)TREBLE(5.5)MASTER(7)GAIN(6.2)となっている。モードは#34。
Marshall : AFD100 CLEAN 1
クリーン用。コントロールは左からPOWER(10)PRESENCE(0)BASS(7)MIDDLE(2)TREBLE(0)MASTER(10)GAIN(2)で、モードはAFD。
Marshall : JMP, JCM800
アーティストの機材システムのセットアップ、モディファイ、オリジナル・アンプ製作などで著名なラック・システムズ社のデイヴ・フリードマンによる改造が加えられたマーシャル3台。2203KK、JVM410H、#34と同様にAFD100とブレンドして使用されたが、3台とも「それぞれある特定の部分に特化した独自のサウンド」であるために、より限定された部分で使用されているそうだ。
Marshall : AFD Cabinets
左のスラントが付いたAキャビを歪み用、右のストレートのBキャビをクリーンで鳴らした。ライヴ録音時は音の混在を避けるため、スタジオのキッチンに設置してマイキングしたそうだ。
Effect Pedals 1
アンプの前にはBOSSのPQ-4が。緑と黒のペダルはアンプのスイッチャーだ。
Effect Pedals 2
(左から)MXRのTremolo Stereoとカスタム・ペダル(下段はブースター/オーヴァードライヴ、上2機はオクターヴ・ファズ)、ジム・ダンロップのカスタム・ワウ、同スラッシュ・シグネチュア・ワウSW-95。
Effect : Talk Box
ヘイル・サウンドのThe Talk Boxもセットアップ。
Slash Box
左の小部屋が“Slash Box”と呼ばれるギターの録音ブース。スラッシュ以外のメンバーはブースの外で(スラッシュのキャビ同様、ギターとベースは他の部屋で鳴らされ、マイキングされた音をヘッドフォンで聴きながら)、ヘッドフォンを着けたくない(!)スラッシュはブース内でモニター・スピーカーからの音を聴いて、全員一斉にライヴ演奏/レコーディングされる。
Slash Box : Inside
ブース内、モニターの上にあるのはトーク・ボックス用のアンプでVOX製Night Train。
Gibson : Les Paul Bass / Todd Kerns
トッド・カーンズ(b)が主に使用したレスポール・ベース。ギター・テクの友人が所有している。
Rickenbucker : 4000 Series / Todd Kerns
リッケンバッカー。こちらはブルース・キューリックから借用したモデルで、アルバム中2〜3ヵ所で使用された。
Gibson : Grabber / Todd Kerns
1970年代に作られたグラバー。プロデューサーのエリック所有で、1〜2曲で使用された。
Univox : Hi-Flyer / Todd Kerns
フラット・ワウンド弦を張ったUnivox。かなり古いもののようだ。
Fender : Precision Bass / Todd Kerns
フェンダーのプレシジョン・ベース。こちらもフラット・ワウンド弦が張られており、トレヴァー所有の1本だ。
Musicman : Stingray / Todd Kerns
トッドが主にライヴで使っている、ミュージックマンのスティングレイ。アルバムでも使用されている。
Gibson : Thunderbird / Todd Kerns
アルバムの数曲で使われた、ギブソンのサンダーバード。ドラマーのブレント・フィッツの所有物だそう。
Studio
スタジオの全景。