初来日!! 英フォーク・メタルの祖スカイクラッド公演レポート@渋谷Ruido K2 2020.3.2

初来日!! 英フォーク・メタルの祖スカイクラッド公演レポート@渋谷Ruido K2 2020.3.2

フォーク・メタルの始祖:スカイクラッドが遂に日本初上陸! 結成から実に30年越しとなる、バンドとファン双方の宿願がようやく実現した!!

彼等は今回、フィンランドの森の酔いどれ楽団:コルピクラーニ(レポートはこちら)のサポート・アクトとして2公演(大阪&東京)、ヘッドライナーとして1公演(東京)を行なったのだが、ここではアルゼンチンのスキルトロンを前座に従えた、渋谷Ruido K2での後者の模様を中心にお伝えしよう…!

SKILTRON 窮地を乗り越えての新曲披露と勇壮なパイプの調べ

スキルトロン

南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにて’04年にスタートした(前身バンドのCENTURYから発展・改名)スキルトロンだが──実のところ、バンマスのギタリスト:エミリオ・ソウトは現在フィンランド在住で、’15年加入のシンガー:マーティン・マクマナスは英国出身、’14年加入のバグパイプ&ホイッスル奏者:ペレグ・アル・バゴルことピエール・ラポルト(BOISSON DIVINEにも在籍)はフランス出身だったりする。さらに、ツアー不参加組のリズム隊も、ドラムのマティアス・ペーニャだけはアルゼンチンに留まっているものの、ベースのイグナシオ・ロペスはスペイン在住だし、その2人の代役として日本へやって来たジョン・クラーク・パターソン(b)&ヨーナス・ニスリン(dr:FROSTTIDE)も、それぞれ英国出身とフィンランド出身で、もはやその拠点はヨーロッパに移されていると言ってイイかもしれない。

スキルトロン:マーティン&ピエール

さらに──ツアー開始直前、彼等は予期せぬ事態に見舞われる。何とエミリオが危急の要件で、来日したその当日に自宅へ引き返すことを余儀なくされたのだ。そこで彼等は、急遽ギター・テクのセルヒオ・アリエル・ガレラ(アルゼンチンのパワー・メタラー:SOUTHERN SKIESのギタリスト)に代役を頼み、何とか最初の2日間を乗り切る。ただ、30分のショート・セットではあったものの、全く準備のない状態からたった半日で6曲をマスターするのは、それこそ至難の業。いざ本番のステージで、アリエルの指は過度の緊張により震えていた…。

幸い、大事なかったというエミリオがRuido K2公演の当日に戻って来たため、最終公演でようやく彼等は“完全体”としてショウを行なえることに。重圧から解き放たれたアリエルは、ホッとして気が抜けてしまったのか、熱を出してダウンしてしまったそうだが、バンドは彼を“窮地を救ったスーパー・ヒーロー”と称え、MCでも惜しみない賛辞を送っていた。

スキルトロン:アリエル
スキルトロン:エミリオ

60分の持ち時間をもらったこの日、エミリオが戻ったことで、彼等は新曲「Proud To Defend」をプレイ。現在制作中のニュー・アルバムに収められるであろうこの曲は、当初、全公演で披露するつもりにしていたらしいが、少しでもアリエルの負担を減らそうと、最初の2公演では他の曲に差し替えられていたのだ。スコットランド民謡を思わせるこの「Proud To Defend」では、ピエールのバグパイプが大活躍。ゆったり雄大な曲想に、魂を鼓舞するかの勇壮なパイプの調べがよく映える。

スキルトロン:ピエール&エミリオ

ピエールといえば、上半身裸で力強くパイプを吹き鳴らす、まるで戦士の彫像のような佇まいに、多くの観客が釘付けとなったに違いない。そもそも、彼のバグパイプ(&ホイッスル)こそがスキルトロンをフォーク・メタラーたらしめているのであり、それがなければ、単なる“マノウォー・タイプの蛮勇パワー・メタラー”になってしまう。また、決して派手さはないが、ワウを効かせたエミリオのシンプルかつメロディアスなリード・プレイとの相性も抜群。バンドのテーマ・ソングとも言うべき「Skiltron」のソロ・パートにおける、バグパイプとギターの絡みを聴けば、誰しもが拳を高く突き上げ、鬨の声を上げたくなること請け合いだ。

スキルトロン:ピエール

ところで、ピエールのバグパイプのバッグ(留気袋)には、色々なメタル・バンドのパッチが貼り付けられている。アイアン・メイデンからバソリー、デストラクションからブラック・レーベル・ソサイアティまである中、そこにはスカイクラッドのロゴも! やはりパイオニアであるスカイクラッドは、後進のフォーク・メタラーから深くリスペクトされているのだ。そして、エミリオもこのあと、憧れのスカイクラッドのステージへ飛び入りするのだが──それについてはまた後述することにしよう。

4月上旬現在、ニュー・アルバム完成まであと少し…というところまで漕ぎ着けている彼等。「Proud To Defend」も含むであろう同作は、バンドも「最高の出来」と宣言しており、リリースが今から楽しみだ!

スキルトロン@渋谷Ruido K2 2020.3.2 セットリスト

  • 1. Brosnachadh
  • 2. Lion Rampant
  • 3. Hate Of My Life
  • 4. On The Trail Of David Ross
  • 5. The Bonfire Alliance
  • 6. Highland Blood
  • 7. The Brave’s Revenge
  • 8. Proud To Defend
  • 9. The Taste Of Victory
  • 10. Bagpipes Of War
  • 11. Skiltron