先ごろ全国アリーナ・ツアー“B’z LIVE-GYM 2026 -FYOP+-”で数多くのファンを熱狂の渦に巻き込み、無事大団円を迎えたB’z。弊誌では5月30日と31日に行なわれた横浜アリーナ公演における最新機材撮影を行なっており、松本孝弘の機材に関しては7月10日発売のヤング・ギター本誌2026年8月号に掲載させていただいたので、ぜひそちらをご覧いただきたい。こちらのページではサポート・ギタリストを務めたYukihide “YT” Takiyamaの機材群を、詳細にレポートさせていただこう。
Guitars
1 ESP : YT Custom V “B-lu”
2016年頃からYTが愛用するESP製カスタム・モデルで、太い音色を狙ってボディもネックも厚めに設計されている。一見左右対称シェイプだが、1弦側のハイ・フレット部分が深めにカットされ、それに合わせてジョイント部の丸みも非対称になっており、そういった細かい設計がポイントの1つ。ピックアップはネック・ポジションにセイモア・ダンカン“SH-1n ’59 Model”、ブリッジ・ポジションに“SH-4 JB Model”を搭載している。横浜公演では30日&31日に「FAITH?」「濁流BOY」「#1090 ~Million Dreams~」、31日に「IT’S SHOWTIME!!」「Hi」で使用された。
2 ESP : YT Custom V “B-lu”(E♭ tuning)
こちらも同じESP製カスタム・モデルで、全弦半音下げチューニング。ピックアップはカヴァードのものが搭載されており、もう1本の方よりも新しいためか、その他のパーツも含めてゴールド・メッキが鮮やかなまま保たれている。横浜公演では30日&31日に「ペインキラー」「完全無欠」「FMP」「Heaven Knows」、30日に「Lair! Lair!」、31日に「The IIIRD Eye」「さまよえる蒼い弾丸」で使用された。
3 ESP : MA-CTM/QM
ESPとエンドースを始めた際、最初の1本として提供されたもので、ボディ・トップに配された美しいキルテッド・メイプルが特徴的。カラーはシースルー・ブラック・サンバーストを採用している。当時のカタログ上のスペックではEMGのアクティヴ・ピックアップ搭載とのことだが、このモデルには“B-lu”と同様に、パッシヴのセイモア・ダンカン“SH-1n ’59 Model”と“SH-4 JB Model”が搭載されている。横浜公演では両日ともに「有頂天」「ultra soul」で使用された。
4 ESP : EC-CTM
前出のESP“MA-CTM”を前身とする現行モデルで、バックアップとして用意されていたもの(カラーはブラック・サテン)。こちらもやはりカタログ上はEMGのアクティヴ・ピックアップ搭載だが、やはり同様にセイモア・ダンカンのパッシヴ・ピックアップに交換されている。
5 Edwards : E-SA P90
鮮やかなチェリー・カラーが特徴的なこのセミアコは、市販のエドワーズ“E-SA-STD”と同様に見えるが、実はピックアップをP-90タイプのものに交換するというモディファイが加えられたカスタム・モデルだ。ちなみに一般的には合板を用いてプレス成形されるセミアコのボディだが、“E-SA”シリーズはハード・メイプル削り出しで成形されているのが特徴。横浜公演では31日に「ねがい」で使用された。
6 Gibson : Firebird
2019年製のギブソン・ファイアーバード。1963年当時のファイアーバードVに近いルックスだが、ヘッドにはバンジョー用ペグではなく、ギター用としてより一般的なグローヴァーのミニ・ロトマティック・タイプが搭載されている。ギブソンとしては珍しいスルー・ネックが最大の特徴で、マホガニー/ウォルナット9プライ・ネックの両側に、マホガニーのボディ・ウイングを接合した構造だ。横浜公演では30日&31日に「その先へ」「ミエナイチカラ ~INVISIBLE ONE~」、30日に「ZERO」「おでかけしましょ」で使用された。
7 Gibson : Les Paul Custom (built in 1978)
1978年製のレスポール・カスタムで、YTが13年ほど前に入手したもの。使い込んだことによって裏側の塗装が大胆に剥げており、当時のレスポールの特徴であるメイプル・ネックが確認できる。ボディは2枚のマホガニーの間に薄いメイプルを挟んだ、パンケーキ構造と呼ばれるものだ。このギターのロー・ミッドの鳴り方がYTの好みで、とりあえずこのギターを音作りの基準とし、会場に合わせてアジャストしているという。横浜公演では30日&31日に「イルミネーション」、30日に「love me, I love you」「片翼の風景」、31日に「INTO THE BLUE」で使用された。
8 Gibson Custom : SG
深いブルー・カラーに木目の大きなフレイム・メイプル・トップが映える、ギブソン・カスタム・ショップ製のSGで、金属製のゴールド・パーツが豪華さを際立たせている。彼がレコーディングやライヴ・サポートに携わっていた、氷室京介からプレゼントされたものとのこと。横浜公演では30日に「鞭」で使用された。
9 Fender : Telecaster (built in 1973)
ネック・プレートに刻印されたシリアルナンバー(302701)から1973年製であることが読み取れる、かなりコンディションの良いフェンダー・テレキャスター。ブリッジは当時の3サドル・タイプではなく、各弦が独立した6サドル・タイプに交換されている。ヘッド裏にはペグが交換された形跡もあり、別のペグが載せてあったのを元に戻したのかもしれない。横浜公演では31日に「イチブトゼンブ」で使用された。
10 K.Yairi : Limited Edition WY YT Custom (built in 2026)
K.ヤイリが製作したカスタム・モデルで、カッタウェイ付きの“WY”シリーズが基になっている。サウンドホールに搭載されたピックアップは、ネオジム磁石を採用したフィッシュマン“Rare Earth”シリーズのものだ。横浜公演の数日前にYTの元へ届き、レギュラー・チューニング用として採用された。30日&31日に「イルミネーション」「有頂天」、30日に「今夜月の見える丘に」「片翼の風景」、31日に「Hi」「INTO THE BLUE」で使用された。
11 Martin : OMC-41 Richie Sambora Signature Model
リッチー・サンボラ(元ボン・ジョヴィ)のシグネチュア・モデルで、ラウンド・カッタウェイを採用した“OM”スタイルのアコースティック・ギター。イエローからブラウンへ変化するカラーはサンボラ・バーストと名付けられており、アイボロイド(アイボリーのように黄色がかった木目調のセルロイド)のバインディング、ヘッドの”Heart and Cross”トーチ・インレイ、指板のヘキサゴン・インレイなどが豪華な印象を醸し出している。30日&31日に「有頂天」で使用された。
12 Taylor : 814e (E♭ tuning)
テイラーの最高峰ラインナップである800シリーズのノン・カッタウェイ・モデルで、同ブランドのオリジナルであるグランド・オーディトリアム・シェイプ(ドレッドノートとグランド・コンサートの中間サイズ)を採用したもの。近年の800シリーズによく見られる、ボディ向かって左側のアームレストは備わっていない。ブリッジ・サドル後部に3つのセンサーを内蔵した、“Expression System 2”と呼ばれるピックアップ・システムも特徴の1つ。全弦半音下げチューニングにセットされており、31日に「The IIIRD Eye」「さまよえる蒼い弾丸」で使用された。
13 Taylor : 814e
前出のギターと同じ仕様の“814e”。こちらはノーマル・チューニングにセットされており、31日に「Everlasting」で使用された。

Amps & Effects
YTの立ち位置の背後に置かれた、ボグナー製スピーカー・キャビネット。2×12と4×12がそれぞれ3台ずつ用意されていたが、マイキングされていたのは4×12の方のみだ。中央がドライ音用、左右がウェット用として使い分けられていた。
ステージ向かって左側にセットされていた、YTのサウンド・システム。核となっているのは右側のラックに収納されたボグナーのアンプ・ヘッド“Ecstasy 104 Gold Voicing”で、2025年に発表された最新モデルの1つだ。歴代の“Ecstasy”のサウンドを1台に集約したような構造になっており、新たにチャンネル0を追加することで4チャンネル仕様に進化。パワーアンプにEL34管を標準搭載した”Black Voicing”と、6L6管を標準搭載した”Gold Voicing”がラインナップされており、こちらは後者のモデルだ。上段がメイン、下段がバックアップとしてセットアップされていた。
ラックの左側にはシュア“UR4D+”(ワイヤレス・レシーヴァー)×2台、ペダル類が配置された引き出し2つ(後述)、TEN製のディレイ・セレクター×2台、同じくTEN製のリモート・ヴォリューム・コントローラー×2台、フライエット“LX II”(2チャンネル・パワーアンプ)×2台を設置。“LX II”はウェット・サウンド用としてセットされたものだ。
左側のラック上に置かれた、フライエットのリアクティヴ・ロード+チューブ・パワーアンプ“Power Station 100”。ボグナーのスピーカー・アウトからの信号がここに接続されており、ドライ音はそのまま中央のスピーカー・キャビネットへ出力。当機のライン・アウトから空間系エフェクト類を通った音が、前出の“LX II”を経てウェット用スピーカー・キャビネット×2台へ出力される。
右側のラックの最上段には、サウンドを一括でコントロールするTEN製のシステム・ステーション“PLUS ULTRA”を設置。
右側のラックの引き出しその1。Line 6“HX Stomp”(マルチ・プロセッサー)、ストライモン“Mobius”(モジュレーション専用マルチ・エフェクト)、マッキー“402 VLZ4”(サウンド・チェック用のアナログ・ミキサー)が設置されていた。
右側のラックの引き出しその2。BOSS“SDE-3000 EVH”(ディレイ)はローランドの名機“SDE-3000”を2台分再現した回路を肝としつつ、模様から分かる通りエディ・ヴァン・ヘイレン・サウンドのプリセットを内蔵するシグネチュア・モデルだ。その右側に設置されているのは同じくBOSSの“RV-500”(リヴァーブ)。
ラック上にセットされた大規模ペダルボード。主なものを列挙すると…まず最前列が左から、BOSS“DD-500”(ディレイ/「ultra soul」で使用)、Indigo Note“CHORUS”(コーラス)、TEN製のディストーション(プロトタイプ)、エレクトロ・ハーモニックス“Ravish Sitar”(シタール・シミュレーター/「さまよえる蒼い弾丸」で使用)、ボグナー“Harlow”(コンプレッサー/ブースター)、FAT“514D LIMITED”(ブースター)。
その上側の狭い列には左から、デジテック“Whammy Ricochet”(ピッチシフター)、ピーターソン“Stomp Classic”(ストロボ・チューナー)。
その上の列は左側から、デス・バイ・オーディオ“Fuzz War”(ファズ)、デジテック“Whammy”(ペダル・ピッチシフター)、MXR“EVH Phase 90”(フェイザー/エディ・ヴァン・ヘイレン・モデル)、ストライモン“Ojai”(パワー・サプライ)×2台、フォックスロックス“Octron”(オクターヴァー)。
一番上の列はファイヤーアイ“Red-Eye”(D.I./アコースティック用)、モーニングスターFX“ML5”(ループ・スイッチャー)、ケントン“THRU-5”(MIDIスプリッター)。また写真ではわかりにくいが、TEN製の“8 Loop+A/B OUT Looper”(スイッチャー)がボードの下側にセットされている。
ラック前の足元に置かれているのは、TEN製のアイソレーション・ボックス、BOSS“FV-30”(ヴォリューム・ペダル)、リール“Little Dual”(A/Bスイッチャー)。
YTの立ち位置の足元には、TEN“PLUS ULTRA FOOT YARD”(コントローラー/ラック内の“PLUS ULTRA”とリンク)、改造されたエキゾティック“XVP-250K”(ヴォリューム・ペダル)、ピーターソン“Stomp Classic”(チューナー)、モーリー“Bad Horsie 2”(ワウ)を設置。
INFO

Yukihide “YT” Takiyama
3rd ALBUM「Talkin’ to My Hand」Now On Sale
Yukihide “YT” Takiyama LIVE 2026 UNCHAINED
大阪公演
日程:2026年9月17日(木)
会場:ROCKTOWN(対バン:清)
東京公演
日程:2026年9月19日(土)
会場:HAREVUTAI



