アーティスト名 | Tak Matsumoto 松本孝弘 |
---|---|
アルバム名 | New Horizon New Horizon |
Amazonでチェック |
元来“ジャズっぽいもの”に惹かれ、それがB’zの中でも滲み出る→良い感じ…となることは多かった。ラリー・カールトンとのTAKE YOUR PICK (’10年)とその後の共演ライヴでそれは熟成され、本作に如実に表れたってことだろうか。かつてのフュージョンを思わせるサウンドが骨子になっている。
例えば「New Horizon」は、フュージョン・ファンならカールトン期のクルセイダーズを連想するはず。ファンクなノリに関しては「That’s Cool 」も然り。その辺り、本人は意識していなかったようだが、だとしたら深層に残っていたものがハジけたということか。他には、’70年代的な「Feel like a woman tonite 」の女性ヴォーカル曲、ジャズ・ブルースの「Rodeo Blues」、そして2度目のカヴァーとなるスタンダード曲「Take 5」などなど、洒落たサウンドが並ぶ。そして、そこでの松本のギターは、ブルースをルーツにしつつ、コード進行の肝で“ジャズ的”な風を吹かすというもの。ただのブルース風ではなく、ピリリとしたスパイスで痒いところを突いてくるって感じか。それが心地よい。
尚、若い時にバンドで仕事をしていた桑名正博の「月のあかり」、ガロの大ヒット曲「学生街の喫茶店」をカヴァーしているところも、少し世代が上のファンは興味津々だろう。また、1つだけ趣を変えた最後の「Rain」は、松本スタイルの新機軸として見逃せない。プログレッシヴ的なこれは、彼の新たな挑戦かもしれない。
(福田真己)