IN DISGUISE／ラスト・オータムズ・ドリーム

もはや毎年の恒例行事となった“秋の風物詩バンド”の新作は、今回は初冬にずれ込んでの到着となった。そのせいかアートワークもいつになく寒々しいテイストに。そして内容もこれまでとは異なる“カヴァー・アルバム”となっている。驚くのはその選曲。スウィート、KISS、ABBAらの著名バンドに混じって、ストリーツ、シティ・ボーイ、ヘッドピンズなどの激渋なところをピック・アップするそのセンスの良さに脱帽。終始リラックスした空気感の中で、ミカエル・アーランドソンがそのハスキー・ヴォイスで名曲を歌い上げる様は何とも心地よい。ボーナス収録のフェア・ウォーニングの名曲「Long Gone」にも感涙。

【文】羽田幸一