ICONOCLAST／SYMPHONY X

前作『PARADISE LOST』（’07年）からちょうど４年ぶり──米産プログレ・メタラーによる通算８枚目。“機械文明に支配され、破滅に向かう人類”といったテーマを下敷きに、今回もＭ・ロメオ（g）がコンセプチュアルな視座の下で全曲を書き、溢れるアイデアをすべて具現化した結果、８分以上の長編曲×３を含む２枚組大作となった。前作同様ストーリーなどはないそうだが、ダークな中にもどこかサイバーなムードを醸す楽曲が目立ち、それでいて、どこを切ってもアグレッシヴでテクニカルで劇的で…と、もう全編あまりに隙なくまとまり過ぎていて、逆にそこがもの足りなく思えるほど。何とも贅沢な超力作だ！
（奥村裕司）