EVHアンプのハイ・ゲイン・サウンドを体験!
続いてせっかくなので、アンプ・モデルは世界で初めて公式に認定されたという、EVHをチョイス。いわゆるフェンダーのイメージから遠く離れたハイ・ゲイン・サウンドを狙ってみた。信号の流れは下記の通り。
ギター
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Custom Wah(ワウ)
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Greenbox(オーヴァードライヴ)
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EVH 5150 IIIS 6L6 Blue(アンプ・ヘッド)
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4X12 EVH 5150 IIIS(キャビネット)
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3D Chorus(コーラス)
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Studio Delay(ディレイ)
正直言うと、アンプ・ヘッドとキャビネットだけを組み合わせた時点で既に素晴らしいディストーション・サウンドになっており、ブリッジ・ミュートを効かせながらひたすらザクザクと遊び続けてしまったのだが。途中で我に返り、コーラスやディレイなどを組み合わせて「’80年代末から’90年代にかけてのヴァン・ヘイレン」もOKなセッティングにしてみた。アンプについては、パワード・スピーカーの特性のおかげか…とにかくとてつもない低音が再生されるので、LOWのつまみは絞り切る手前、逆にHIGHとPRESENCEはフルという極端な設定にしてある。この辺りは組み合わせるギター、パワーアンプ、モニターによって変わってくるところだろう(もちろん重低音マニアならもっと低音を上げてもいい)。
ちなみにもちろんワウは、真っ当に使おうと思えばエクスプレッション・ペダルが必須。だが今回は無理矢理、オン/オフスイッチの他に「ワウのポジションを切り替えるスイッチ」を作り、足を離している時は半止め、スイッチを踏んでいる間はワウ全開…という操作法にしてみたら、これが意外に良い具合。また上記写真にてMULTIと表示されているフットスイッチは、例えば「ワウとオーヴァードライヴを同時にオン/オフ」「コーラスとディレイを同時にオン/オフ」といった設定がされている。実機のペダルボードならプログラマブルなMIDIフット・コントローラーを駆使しなければいけないこのような使い方も、“Tone Master Pro”ならあっという間にセット可能だ。
さて、このようにして作成したプリセットはもちろん本体内に保存することができ、その総数は504個。“Tone Community”なる専用のクラウドも用意されており、自分のプリセットを世界中のユーザーと共有することもできてしまう。今回の試奏時には試せなかったが、今後著名なアーティストが作った音色をダウンロードできたりもする予定で、今から非常に楽しみだ。
ちなみに記事があまりにも長くなりそうなので、今回は詳しい紹介をあきらめたが…“Tone Master Pro”の拡張性の高さも決して見過ごしてはならないポイントだ。リア・パネルには膨大な数の入出力端子が搭載されており、ギター用/マイク用入力、4つの外部エフェクト・ループ、XLRと標準フォーン両方の出力端子、2系統のエクスプレッション・ペダル入力、DAWに直接レコーディングできるUSB端子…などを搭載。極めて複雑な現代的音楽システムにも余裕で組み込むことができる。
また1/2スピードやリヴァース再生も可能なルーパーや、各種出力端子ごとに音量を個別設定可能なミキサー機能、ソング・モードやセットリスト・モード…などなど、実は掘り下げると枚挙に暇がない“Tone Master Pro”。こういった辺りの実力はぜひ、実際に手に入れた貴方がじっくり使い込みながら検証してみてほしい。
公式インフォメーション
TONE MASTER® PRO | Fender