デーモンは実に革新的なタイプだし、パートナーとして信頼できるヤツだ
YG:「Kissin’ The Ground」や「Valley Of Stones」は少しサウンド的にモダンな感じがしますが、リジィの伝統的なギター・メロディーと見事に融合していますね? やはり、ただリジィ的なものを踏襲するだけではないというポリシーもあったのでしょうか?
SG:うん、その通りだよ。このアルバムの曲作りが始まった時は、リジィの次のアルバムになると考えていたから、その流れを汲みつつ、俺たちらしいやり方で書こうとしていたんだ。だからリジィっぽいサウンドが聴けるんだが、その後リジィ名義にはしないと決めてから、多くの曲が色々な方向に枝を伸ばし始めた。聴けば聴くほどリジィのアルバムではなくなるという感じだよ。リジィの“エコー”みたいなのが聴こえるとしたら、それは俺が何十年もリジィの曲をやっていたからさ。俺が俺のやり方で弾けば、どんなプロジェクトをやっていても、そのエコーが現れる。加えてデーモンもリッキーもリジィの大ファンだしね。だからリジィらしさのエコーはずっと消えないだろう。だが、今後もBSRの音楽には常に変化が起こっていくだろうね。
YG:リジィに在籍したギタリストは、あなただけでなくそのパートナーになるもう1人のギタリストも大変優れたプレイヤーばかりでした。恐らくあなたの「ギタリストを見る目」は肥えていると思いますが、デーモンのプレイはバッチリでしたか?
SG:ああ、素晴らしいと思ったよ。デーモンは実に革新的なタイプだし、パートナーとして信頼できるヤツだよ。突拍子もないテクニックをひけらかして皆を混乱させようとするタイプではない。何よりも凄く良いヤツだから一緒にいても楽だ。俺は文字どおり彼を(以前に在籍していた)アリス・クーパーから盗んだんだよ。俺たちがアリスと2回ほど一緒にショウをやった時に、俺はデーモン・ジョンソンというヤツに目を付けたんだ。そしてアリスと俺が一緒にゴルフをやった時に、アリスがデーモンを連れてきたんだよ。そこで初めてじっくり話してみたら、凄くクールな人間だということがわかったんだ。リジィにはデフ・レパードのヴィヴィアン・キャンベルや、ガンズ・アンド・ローゼズのリチャード・フォータスがいたこともある。彼らは本業があって、いずれそのバンドに戻ることは分かっていた。だからアリス・クーパーとやったその2回のショウの時に、俺はデーモンに何となく伝えていたんだよ。リジィに入るパーマネントなギタリストを探しているんだとね。素晴らしいプレイヤーとばかりプレイしてきたけれど、パーマネントに在籍できるヤツが必要だという話をしていたんだ。種を蒔いておいたという感じかな(笑)。そして行動に移す時が来て、俺はマネージメントを通じてデーモンに電話を入れさせたんだ。返事は即座にOK。アリスも完全に理解を示してくれたから、移籍はスムーズに行われたんだ。アリスに感謝するよ。
YG:BSRとして行なわれる日本でのライヴでも、あなたやデーモンのギター・プレイを聴けることを楽しみにしています。
SG:俺もだよ。とにかく日本に戻って、神戸牛を食べたいんだから(笑)。俺は今でもツアーが好きでね。ツアーを終えて家でゴロゴロしていると、あっという間に退屈してしまう。今でもツアーをして疲れないのかとよく訊かれるけど、そんなことは全くない。家にいる方がどうかなりそうだよ。だから早くみんなの前でプレイしたいんだ。
BLACK STAR RIDERS来日公演
日程:5月20日(火)
会場:大阪なんばHatch
お問い合わせ:なんばHatch TEL 06-4397-0572
日程:5月21日(水)・22日(木)
会場:渋谷TSUTAYA O-EAST
お問い合わせ:M&Iカンパニー TEL 03-5453-8899