「マッティとダンの力が合わさることで、バンドのプレイ全体に良い相乗効果が加わるんだ」ゼブラヘッド2019 全員インタビュー

「マッティとダンの力が合わさることで、バンドのプレイ全体に良い相乗効果が加わるんだ」ゼブラヘッド2019 全員インタビュー

ハイ・テンションでキャッチーな音楽性で、日本でも絶大な人気を誇るパーティー・ロック・バンド:ゼブラヘッドが、今週末に開催を控えた国内トップ・クラスの夏フェス“SUMMER SONIC 2019”(8月16日:大阪/MOUNTAIN STAGE、8月17日:東京/MOUNTAIN STAGE)に出演する。実は彼ら、過去にサマソニのステージに立つ全アーティストの中でも、出場回数は最多を記録しており、今回でなんと8回目! さらに今年は、去る3月6日にリリースしたニュー・アルバム『BRAIN INVADERS』を引っ提げての公演となるので、そこから初披露される楽曲も期待できそうだ。このページでお届けするのは、その新作プロモーション来日中に行なわれた彼等のインタビュー。なお、通常YGではギタリストのみに取材を行なっているが、今回はマッティ・ルイス(g、vo)とダン・パーマーのギター・チームだけでなく、アリ・ダバタビィ(vo)、ベン・オズモンドソン(b)、エド・ウドハス(dr)を含めたメンバー全員が同席してくれた! とにかく積極的に答えまくり、1時間にわたって非常に濃密な話を聞くことができた。この記事を一読してから彼等のステージを観れば、より深く楽しめるはず!

ダンの多才さがあらゆる可能性のドアを開いてくれた

YG:ゼブラヘッドが“SUMMER SONIC 2019”に出場するのは2001年の初登場以来8回目となり、出演アーティストの中でも最多の記録となりますが、これはバンドから見ても最も出演回数の多いフェスティヴァルなんじゃないでしょうか?

アリ・ダバタビィ:確かにそうかもしれないな。

ベン・オズモンドソン:イギリスに“SLAM DUNK”というフェスがあるんだけど、あちらにも結構出たよ。確か7回だったんじゃないかな。

ダン・パーマー:ということは、“SUMMER SONIC”の勝ちだね(笑)。

YG:英語を母国語とするイギリスに比べ、自分達の言葉がなかなか通じない日本でもここまで反響を得るというのは想像していましたか?

アリ:全然考えていなかったよ。

ベン:そもそも、俺達にレコード契約の話が来たことすら衝撃的だった。ただ自分達で好き勝手に楽しんでるだけのバンドだったのに、急にプロとして世界進出することになったわけだからね。

マッティ・ルイス:地元のアメリカで、誰かがお金を払って俺達のショウを観てくれること自体ありがたいと思ってる。それが、何千マイルも離れた異国の地で同じことが起きるんだから、凄くクレイジーに感じるよ。

ベン:日本で人気が出たのも意外だったけど、ロシアも凄いんだ。あとはウクライナが1番奇妙だったな…。膨大な数のオーディエンスが、1語1語全部一緒に歌ってくれるんだ。あれには鳥肌が立ったし、同時に喜びでいっぱいになったね。「俺達のことをどうやって知ったんだ!?」って思ってしまうよ。

YG:さて、ダンがYGに登場するのは初めてになるので、ギターを始めたきっかけを教えてください。

ダン:最初は15歳から20歳までベースをずっと弾いていたんだけど、当時参加したバンドのギタリストがベースを弾きたがっていて、交代するような形でギターを始めたんだ。大学ではクラシック・ギターを2~3人の先生から教わっていたよ。しかもそのうちの1人はポール・ギルバートに師事していたそうで、その時教わったことを俺にもそっくりそのまま教えてくれた。つまり俺はポールの孫弟子ってことかな(笑)。

マッティ:そいつは良いや(笑)。

YG:1番影響を受けたギタリストもポール・ギルバートなんですか?

ダン:テクニック面では、レッスンのおかげもあってポールからの影響が強いね。でも、他にエディー・ヴァン・ヘイレンやイングヴェイ・マルムスティーンも大好きなんだ。イングヴェイの曲を初めてコピー出来た時は自信がついたよ。まあ、でもやっぱりポールが1番かな。レーサーXの曲は素晴らしかったからね。

YG:現在、バンドではマッティとダンの2人がギターを担当していますが、メンバー全員から見てお2人はどんなギタリストなのか教えてくれますか?

アリ:ちょっと彼らには席を外してもらおうかな?(笑)

ダン:お手柔らかに頼むよ!(笑)

エド・ウドハス:2人がまったく異なるトーンを持っているのはよく分かるね。でも息の良さは抜群で、得意なスタイルは全然違うのに見事に融合するんだ。

ベン:ダンのギター・テクニックは本当に凄いよ。歌いながらイングヴェイのようなプレイができるんだからね。彼がバンドに加入したことで(編註:ダンは2013年にバンドの元リード・ギター:グレッグ・バーグドルフの後任となった)、俺達もどんな曲でもやれると感じてきたよ。いつだって好きにプレイしてもらっているけど、彼の多才さがバンドにあらゆる可能性のドアを開いてくれた。

ダン:ありがとう。

アリ:曲作りの際も、ダンやマッティから出て来るリフがそれぞれまったく異なるから、こちらもよりクリエイティヴになれるんだ。俺ももっと異なるスタイルを模索して、自分のヴォーカル・パートを書いていける。凄くクールだよ。それに2人がお互いを補い合っている所もいいね。ライヴでも、ダンとマッティは一緒に楽しく弾いていて、そこに友情があるのがこちらにも伝わってくるんだよ。そこからエネルギーを感じるし、きっとファンも同じように感じているんじゃないかな。2人の力が合わさることで、バンドのプレイ全体に良い相乗効果が加わるんだ。

確か俺がソロを作ったはず…

YG:では最新アルバム『BRAIN INVADERS』についてお訊きします。まず、制作を始めたのはいつのことですか?

アリ:3年ぐらい前かな。でも最初の頃は集中できてなかった。1年半ぐらい前にようやく真剣に取り組まなきゃ、という思いが生じてきたんだ。俺達にしてはちょっと時間がかかったね。

ベン:まあ、ツアーの合間を縫って曲を書いていたからな。

YG:今作はダンが加入してから2枚目の作品になりますが、彼が曲作りに関わるようになってから曲制作に大きな変化はありましたか?

エド:そうだな、以前よりも作曲のプロセスがエキサイティングになったよ。「明日、曲作りやろうよ」と言うと、ダンは100種類ぐらい違うアイデアを考えてやってきて、「これはどう?」「これは?」とポンポン投げてくれるんだ。それを聴きながら、誰かがニヤっとするものが見つかると、それをみんなで膨らませていったよ。

アリ:または急に「何かファンキーなヤツを弾いてくれよ!」と言うと、途端に10種類ものファンキーなフレーズを出してくれる。凄く熱心だし、弾いてくれたリフに対して変更を提案しても「これじゃなきゃダメなんだ!」と拒むこともない。凄くやりやすかったよ。

YG:では早速何曲かピック・アップして聞かせてください。1曲目の「When Both Sides Suck, We’re All Winners」は、イントロはエレクトリックかつ少しコミカルなサウンドから始まりますが、突然ヘヴィなリフに切り替わるのがとても印象的ですね。これは誰のアイデアでしょうか?

ベン:ダンが書いたんじゃないかな?

ダン:マッティだろ?

マッティ:いや、違うんじゃない?

アリ:ハハハハ!(笑)

ベン:俺達は誰が何をしたのか、忘れちゃうこともあるんだよ。

アリ:「俺が作ったんだよ!」「いやいや俺だろ!」ってならないところが良いよね。

ダン:憶えてないぐらいだからね。多分…マッティがリフを書いて、俺がソロを作ったはずだ。実は他のデモ用だったけど「この曲にはめたら良さそうだ」と思って、くっつけてみたんだ。何しろ今回のアルバム用に50曲も作ってあったから、その中からどれをどう使ったか思い出すなんて大変だよ。

エド:この曲には俺も関わっているんだけど、確かあの頃は車に乗るたびにスラッシュ・メタル系の曲ばかり聴いていたから、そこからインスパイアされたんじゃないかな。

YG:確かに、近年のメタリカのような印象を受けました。

ダン:そうだね。

ベン:『DEATH MAGNETIC』(’08年)くらいのかな。

ダン:俺もメタリカの大ファンで、最初に弾いたリフは「One」(’88年『…AND JUSTICE FOR ALL』収録)だったんだ。ちなみに2個目はスレイヤーの「South Of Heaven」(’88年『SOUTH OF HEAVEN』収録)。

YG:そんなヘヴィなリフでありながら、歌メロが凄くポップス・ライクでキャッチーですよね。こういったアレンジを高い完成度で組み合わせるのは至難の技かと思いますが、どのような流れで仕上がったのでしょう?

ベン:ダンが最強にヘヴィなサウンドで弾いたリフなのに、マッティがメロディーを作って歌ったらちょうどマッチしたんだよ。まさかこんなことが起きるとは…という感じだよね。「ヘヴィすぎやしないか?」って最初は思ったけど、マッティの歌を聴いて安心したよ。

マッティ:なんせ、俺の声は10代の女の子みたいだからな。

一同:(爆笑)

YG:「All My Friends Are Nobody」はゼブラヘッドらしいパンキッシュなナンバーで、中でもピック・スクラッチが印象的でした。実は過去の作品においても、ピック・スクラッチがよく出てきますが、これには何かこだわりがあるんでしょうか?

アリ:いつもエドが、「入れようよ!」って言って来るんだ。

ベン:そうそう、1日かけてピック・スクラッチだけをレコーディングする日があるぐらいだよ(笑)。

エド:実は、俺はギター歴25年なんだ。でも、バンドには俺より何千倍も上手いギタリストがいるから、出番がない。だけど、ピック・スクラッチは時々やらせてくれるのさ。

YG:では、ギターはマッティとダンが弾いていても、ピック・スクラッチだけはエドがやっていることもあるんですね。

エド:今回のアルバムではあまりないかも。さすがに、どれが誰のかはなかなか分からないしね(笑)。もちろんマッティ達は、弾いている途中に入れてる。だけど俺が「ピック・スクラッチは? やろうよ、やろうよ!」としつこくせがむと、「だったらテメー、ここに入れやがれ!」と言ってくれるんだ。

ダン:あと俺が「ちょっとトイレ行って来るから、お前、やっとけ」と、ギターとピックを渡すこともある(笑)。

YG:そうだったんですか。まさかピック・スクラッチだけでこんなに興味深いエピソードが聞けるとは思っていませんでした…。

アリ:アッハッハ!(笑)