ソロでの活動と並行してメタルコア・バンド:オール・ザット・リメインズにも籍を置く米国人ギタリストのジェイソン・リチャードソンが、ソロ名義によるアルバムとしては2016年発表の1st『I』以来、実に6年ぶりとなる第2作『II』をリリースした。現在発売中のヤング・ギター2022年8月号では、その新作の全貌に迫るジェイソンの最新インタビューやギター・プレイ解説などの特集記事を掲載しているが、ここではスペースの都合上、誌面未掲載となった彼のもうひとつの重要なキャリアであるオール・ザット・リメインズに関するインタビューをお届けしよう。
オリーのプレイや作曲センスには改めて感服するよ
YG:オール・ザット・リメインズでの活動についても聞かせてください。オリー・ハーバートの逝去後、彼の後任としてあなたがバンドに加入することになった経緯を教えていただけますか?
ジェイソン・リチャードソン:(2018年10月に)オリーが亡くなる前から彼らはアルバム(『VICTIM OF THE NEW DISEASE』)のリリースが決まっていて、すでにツアーもブッキングされていたんだ。バンドのベーシストだったアーロン・パトリック(2021年に脱退)とはずっと前からの知り合いで、彼からメッセージが来て、次のツアーでオリーの代役を務める気はないかと聞かれたんだよ。俺は以前からオール・ザット・リメインズのファンだったからもちろん協力することにしたんだけど、実際にツアーを一緒に廻ってみると、メンバーのみんなとあまりに馬が合ったから、その後も(正式メンバーとして)そのまま一緒に活動を続けることにしたんだ。
YG:あなたがオリーの後任だと聞いた時にはこれ以上ない適任だと思いましたが、あなた自身はプレッシャーやソロとの並行活動について危惧はありませんでしたか?
ジェイソン:何も心配はなかったよ。彼らとのツアーは楽しかったし、今のバンドは1年に9ヵ月間もツアーをするようなことはもう望んでいないから、ルークと俺がショウをやろうとしても問題はない。実際、バンドに加入してからすでに1度、ルークとツアーもしているからね。
YG:オリーが弾いていたギター・ソロは技術的にかなり難易度の高いものばかりだったと思います。ジェイソンでさえ「あの曲のソロは難しかった…!」というものはありましたか?
ジェイソン:幸いなことにオリーはすべてのアルバムのギター・プレイをタブ譜にしていて、そのおかげで彼のプレイを覚えるのはとても効率的だった。問題は、それらを俺の頭の中にすべて留めておけるかどうか…ということだけだったね。どの曲も弾いていて超楽しいし、オリーのプレイや作曲センスには改めて感服するよ!
YG:オール・ザット・リメインズに加入したことは、あなたのソロ活動に何か影響を与えましたか?
ジェイソン:影響はあるだろうね。ソロとバンドは間違いなく共生的な関係で、それまで俺のソロ・プロジェクトの音楽を聴いたことのないような人たちからの注目も増えたと思うし、その逆もまたしかりだね。
YG:オール・ザット・リメインズのニュー・アルバムの予定などはありますか? 当然、あなたも曲作りに関わることになるのですよね?
ジェイソン:そう! 俺のアルバム(『II』)がリリースされたら、この夏は腰を据えてオール・ザット・リメインズのための曲作りに取り組む予定だよ。
YG:今後の活動予定を教えてください。
ジェイソン:7月21日にL.A.のウィスキー・ア・ゴーゴーでルークとアルバム・リリース・ショウをやるよ!