メロディック・メタルの祭典“Evoken Fest 2024”レポート！ Vol.2

MANTICORA

４日間にわたる“Evoken Fest”の前夜祭とも言うべき“The Eve”のヘッドライナーを務めたのは、デンマークのベテラン：マンティコラ。それに先駆け、盟友ウィザリング・サーフェスらと共に、“Danish Metal Attack!”として大阪、名古屋でも公演を行なった彼等は──今回、2019年“Evoken Fest”参戦以来の来日を果たした。

“The Eve”の集客は上々とは言えなかったものの、熱狂的なファンが集まり、ショウは序盤から大いに盛り上がって、アンコール含め70分弱はあっという間。セットリストの大半は、今年初頭リリースの最新作『MYCELIUM』（日本盤は夏発売）からのナンバーで占められていたが、中盤には1999年発表のファースト・フルレンス作『ROOTS OF ETERNITY』から２曲（「Beyond The Walls Of Sleep」＆「Private Hell」）が披露され、ショウ本編最後に2002年の本邦デビュー作『HYPERION』から「A Long Farewell」が飛び出したのは、初期からのファンには堪らないものがあったろう。

まるで初期ブラインド・ガーディアンが邪悪にスラッシュ・メタル化したかの、アグレッシヴ＆メロディックなサウンドはまさにヘドバンに最適！　フロントマンと：ラーズ・F・ラースン（vo）の見事な観客掌握スキルもあって、その場には見事な一体感が生まれていた。ツイン・ギター・チーム：クリスチャン・ラースン＆ステファン・ヨハンソンも、決して派手さはないものの、堅実なプレイでファスト＆ヘヴィな楽曲群に劇的なアクセントを加味。テク云々ではないライヴ巧者っぷりに、流石はキャリア組だと唸らされっ放しであった…！

マンティコラ Evoken Fest 2024 The Eve – 2024.10.18 セットリスト

1. Winter Solstice
2. Necropolitans
3. Golem Sapiens
4. Beast Of The Fall
5. Disciples Of The Entities
6. Mycelium
7. Slaughter In The Desert Room
8. Beyond The Walls Of Sleep
9. Private Hell
10. Piano Concerto No.1：B Flat Minor…＠Tchaikovsky（SE）
11. Echoes Of A Silent Scream　
12. A Long Farewell
［encore］
13. Dia De Los Muertos

DERDIAN

イタリアン・メロディック・パワー・メタルの雄：ダーディアン！　2017年の第１回“Evoken Fest”以来、2018年、2019年と連続で参戦を果たし、今やこのフェスの顔とも言うべき存在となっている彼等は、当然ながら今回も来日し、“Day 2”と“Extra”に出演。雄々しくファンタジックなサウンドでもって、連日ヘッドバンギングとフィストバンギングの嵐を巻き起こした。

ダーディアンといえば、何はともあれパワーの塊のようなフロントマン：イヴァン・ジャンニーニ（vo）だが、コロナ禍を挟んでもやっぱり彼は凄かった。もう最初から全開バリバリでステージへ駆け込んできて、終始右に左にと忙しく動き回り、得意のハイ・トーン・ヴォイスを駆使して、ひたすらハイ・テンションで歌い上げまくり！　劇的壮麗な楽曲群とは裏腹の、「ジョギング中？」「それともジム帰り…？」といった妙に軽装な出で立ちも、もはやトレードマークとなっているだろうか？　相当な運動量でも全く息を切らしたりすることない彼は、“Day 2”の40分ステージ、“Extra”の50分ステージのいずれもを、文字通り余裕でコナしきっていた。

これまた壮麗サウンドとは真逆の黒衣装でキメたギター・チーム：ヘンリー・ピストレーゼ＆ダリオ・ラダエッリは、共にオーセンティックなプレイヤーで、ショウを通じてラテン・オヤジ・パワーが眩しいばかり。一方、ライヴ・メンバーの鍵盤奏者：ステファノ・ニュースペルリが、何故か“Extra”で犬耳（！）を付けて熱奏していたことも、最後に付け加えておこう…!!