メロディック・メタルの祭典“Evoken Fest 2024”レポート！ Vol.2

FINAL STRIKE

かつてノーステイルのメンバーとして“Evoken Fest 2019”に出演した面々が、ニュー・バンドと共に帰ってきた。クリスチャン・エリクソン（vo）、パトリック・ヨハンソン（dr）、ジミー・ピッツ（key）を擁するファイナル・ストライクだ！　その元ノーステイル組に新たにジョイントしたのは、共にスウェーデン出身のマーティン・フローベリ（g）とヤン・エクベリ（b）。それぞれエンバウンド、エアー・レイドにも籍を置く気鋭のプレイヤーだ。

クリスティアンの伸びやかなハイ・トーン歌唱を活かしたそのサウンドは、言わば“北欧メタル”の王道路線。メロディックで、透明感のあるキャッチーさを湛え、若干のメロパワ風味もアリ…と、まさに“Evoken Fest”のオーディエンスにぴったりだ。実際、“Day 2”、“Extra”ともに
彼等のショウは盛り上がりまくり、マーティンの鮮烈なネオ・クラシカル系速弾きソロも、文字通り注目の的であった。

デビュー作『FINDING PIECES』（2023年）からの楽曲を一部日替わりでセットに組み込み、“Extra”では同郷の先輩バンド：タリスマンのカヴァー「I’ll Be Wating」（1990年『TALISMAN』収録）も飛び出して、センスの良さも見せたファイナル・ストライク。まだライヴの数はあまりコナしていないようで、ところどころリハ不足も感じさせたが、メンバーはみんな実力派だからして、今後ステージを重ねれば重ねるほど、ぎこちなさも含めどんどん解消されていくに違いない…！

WITHERING SURFACE

前夜祭“The Eve”には、“Evoken Fest”ではちょっと異色なデンマーク産メロデス・バンド：ウィザリング・サーフェイスも登場！　何と結成は1993年で、’00年代中盤に一旦活動を止めるも、2019年に復活したキャリア組だ。グロウル入り激烈サウンドに劇的メロディを盛り込んだ楽曲はどれも扇情力高く、血気盛んなオーディエンスの首を振らせまくっていた！

ウィザリング・サーフェイス Evoken Fest 2024 The Eve – 2024.10.18 セットリスト

1. Walking On Phantom Ice
2. Where Dreamers Die
3. Alone
4. Scarlet Silhouettes
5. Dancing With Fairies
6. I Finally Lost （All Faith In Humanity）
7. The Misery I Keep
8. Gears
9. Denial Denial Denial
10. Leaves In The Stream
11. Joyless Journey

NOVERIA

DGMのベーシスト：アンドレア・アルカンジェリを擁するプログレ・メタル寄り重厚メロディック・メタラー：ノヴェリア。シンガーが代役（ドリーム・スケープのフランチェスコ・マリーノ）で鍵盤奏者不在という変則編成ながら、巧手フランチェスコ・マッテリ（g）の鮮烈プレイは冴え渡り、何とシンセとの掛け合いソロも同期音源で再現していた…！

WINTERAGE

イタリアのヴァイオリン入りシンフォニック・メタラー：ウィンターエイジも初来日組のひとつ。映画音楽やオペラの要素を欧州型メロディック・メタルと合体させたサウンドは、優美かつドラマティック。ゴージャス衣装や芝居掛ったステージングも目を惹き、クラシカル・フレーヴァーたっぷりなギター×ヴァイオリンのソロ・バトルも大いに喝采を浴びていた！

DARKTRIBE

仏産メロディック・メタラー：DARKTRIBEは、2018年の“Evoken Fest”に続き２度目の来日。同期音源でシンフォニックな味付けを施し、サウスポー：ロイク・マヌエロの歌心を感じさせるギター・プレイを活かした楽曲群は、オーセンティックな伝統的HR/HMの旨味がたっぷり。決してパワー・メタリックな疾走に頼ることなく、躍動感を生み出していた！