ガンマ・レイ、初代ヴォーカル&カイの息子バンドと見せた感動の炎!  2024.5.7 @EX-THEATER ROPPONGI

ガンマ・レイ、初代ヴォーカル&カイの息子バンドと見せた感動の炎!  2024.5.7 @EX-THEATER ROPPONGI

ガンマ・レイ2024来日フライヤー

カイ・ハンセン率いるガンマ・レイが久々に日本の地を踏んだ! 何と、2015年の“LOUD PARK”出演からほぼ10年振りである。それもそのハズ──周知の通り、ここしばらくガンマ・レイの活動は止まっていたも同然…。2016年秋、“PUMPKINS UNITED”との名の下にハロウィンがビッグ・リユニオンを果たしたことで、以降カイはずっとそちらに掛かりっきりだったのだ。

とはいえ、“PUMPKINS UNITED”での精力的なワールド・ツアーや新作リリースの最中にも、カイはガンマ・レイのことを常に気に留めていた。インタビューでもことある毎に「このまま(ガンマ・レイの)活動を終えるつもりはない。そうするにはもったいなさ過ぎるバンドだからね!」「ガンマ・レイを死なせるなんてことは絶対にしないよ!」といった発言を繰り返し、新型コロナウイルスのパンデミックでハロウィンのライヴ/ツアーが止まった時、思い掛けず時間が出来たことで、ガンマ・レイのニュー・アルバムについての計画を口にすることさえあった。実際、2021年の本誌インタビューでは「現在、曲作り中だ」とハッキリ名言していたし、その後“ガンマ・レイが2022年のリリースを目指してニュー・アルバムを制作中”といったニュースが駆け巡ったこともある。

しかしながら、それは実現に到っていない。理由は色々あるだろうが、一番はカイに限らずメンバー全員がそれぞれの活動で忙しく、なかなかバンドとして集まることが出来なかったから…だと思われる。そう、バンド・ラインナップは10年前に出た『EMPIRE OF THE UNDEAD』(2014年)の頃から基本変わっていない。カイ(g, vo)以下、へニュ・リヒター(g)、ダーク・シュレヒター(b)、マイケル・エーレ(dr)というお馴染みの4人に、セカンド・ヴォーカルとしてフランク・ベックを2015年に加えてはいるものの、活動停止中に脱退したメンバーは皆無だ。

GAMMA RAY - EMPIRE OF THE DEAD

『EMPIRE OF THE UNDEAD』(2014年)

2019年夏に6回ほど、ガンマ・レイはフェス出演などライヴを断続的に行なっている。また、パンデミック勃発から程なく──2020年8月にはオンラインにてデビュー30周年を記念して配信ライヴを行なったこともあった。後者では、オリジナル・シンガーのラルフ・シーパースがゲスト参加したことが大いに話題を呼び、その模様は翌年、『30 YEARS LIVE ANNIVERSARY』として作品化もされている。だがそれ以降、再びガンマ・レイとしての動きは止まってしまい、上述通り2022年になっても新作がリリースされることはなかったのだ。

GAMMA RAY - XXX

『30 YEARS LIVE ANNIVERSARY』(2021年)

そんな中、突然の来日公演決定の報…! 多くのファンが色めき立ち、「待ってました!」と歓喜した。しかも、『30 YEARS LIVE ANNIVERSARY』の時と同じく、ラルフがゲスト出演するという!

さらには、カイの息子ティムが率いるバンド:インダクションまでもが帯同することに…! 古い喩えで申し訳ないが、これはもう“盆と正月がいっぺんにきた”かの至福と言う他ない。されど、好事魔多し。直前になって残念なアナウンスが…。何とヘニュが交通事故に遭い、ツアー帯同出来なくなってしまう。その代役に抜擢されたのは…カスペリ・ヘイッキネン。ビースト・イン・ブラックの強力シュレッダーだ!

マージング・フレアにも籍を置くカスペリは、2001年頃からGUARDIANS OF MANKINDなるガンマ・レイのトリビュート・バンドでプレイしており、実はカイ達とは旧知の仲だったりする。マージング・フレアのアルバム『REVERENCE』(2011年)にカイがゲスト参加していたことを憶えているファンも、きっと少なくないだろう。

MERGING FLARE - REVERENCE

『REVERENCE』(2011年)/MERGING FLARE

GUARDIANS OF MANKIND/MERGING FLARE - BEYOND THE BLACKHOLE/UNDER THE FIRE

『BEYOND THE BLACKHOLE/UNDER THE FIRE』(2007年)
GUARDIANS OF MANKIND/MERGING FLARE

それにカスペリは以前──2006年と2010年にも、へニュの代役としてガンマ・レイのツアーを手伝ったことがあり、ビースト・イン・ブラックに加わる以前は、むしろガンマ&カイ人脈のギタリストとして認知されていた…と言っても過言ではないぐらいだ。よって、久々の来日公演にヘニュが不在なのは寂しい限りではあるものの、カスペリ入りのガンマ・レイが観られる機会もそうそうないため、個人的にはそこが楽しみでもあった。

尚、今回来日においては5月7日に東京、翌8日には大阪…と2公演が行なわれたが、ここではツアー初日の東京はEX THEATER ROPPONGI公演の模様をお伝えしよう!

ガンマ・レイ

INDUCTION

まず最初に登場したのは、オープニングを任されたインダクション!

元々はチェコ産のバンドで、その結成は’14年。当初はマルティン・ベック(g)がバンドを牽引し、ティムは2017年になって加わった後発のメンバーなのだが、2019年のアルバム・デビューからしばらくしてマルティンが脱退し、その前後にもメンバー離脱が相次ぎ、いつしかティムを除くメンバーが総替えとなってしまい、現在はティム主導の下、ドイツを拠点としている。

ティム・ハンセン
Tim Hansen(g)

ティム体制での心機一転作『BORN FROM FIRE』(2022年)、それに続くEP『THE POWER OF POWER』(2023年)に参加していた元レイジのマルコス・ロドリゲス(g)は既に脱退。その後、来日直前に公開された最新シングル「Medusa」(カスペリが客演!)では、ギリシャ出身のヘーリアンことジョージ・タナソグロウがセカンド・ギタリストとしてクレジットされていたが──フタを開けてみたら、ステージ上手には女性ギタリストの姿があった。ベルギー出身のセリーヌ・ペレンだ。

セリーヌ・ペレン
Celine Peren(g)

目立ったバンド歴はないものの、ギター講師もやり、ファッション・モデルでもあるという彼女は、まさに逸材。序盤から激しいアクションを交えながらステージ上を駆け回り、時にフロントマンのクレイグ・ケアンズやティムを喰ってしまわんばかりに、全オーディエンスの眼を惹きまくっていた。英国出身のクレイグは2022年加入。伸びやかなハイ・トーン歌唱は、パワー・メタルを歌うために生まれてきたかのよう。それでいて、「Scorched」(2022年『BORN FROM FIRE』収録)ではグロウルもコナしていたし。ブロンド・ヘアーをなびかせてのアピアランスも鮮烈で、今回の来日で一気に日本での人気を高めたことだろう。

クレイグ・ケアンズ
Craig Cairns(vo)

ベースはドミニク・グッシュ。やはり2022年加入の彼は、堅実なプレイヤーではあるものの、ティム、クレイグ、セリーヌの前ではやや地味な印象が…。ただ他のメンバーとのフォーメーション・プレイにおいては、絶妙なるコンビネーションを見せてくれた。

ドミニク・グッシュ
Dominik Gusch(b)

ドラマーは2023年に加わったアンディ・ローデ。安定感に満ちたプレイは、ミッドでもファストでも見事にバンドの屋台骨を支え、表情豊かに“顔で叩く”プレイヤーという点も特筆しておきたい。

アンディ・ローデ
Andi Rohde(dr)

そして──注目のティムは、ムキムキの上腕が眩しい細マッチョ体型で、豪快なカッティングからメロディックなリードまでを自在にコナし、コーラスでも大活躍。テクで圧倒するギタリストではないが、適材適所のプレイにおいて非凡なフレーズ・センスを感じさせた。

演目はセカンド『BORN FROM FIRE』収録曲を中心に組まれ、『THE POWER OF POWER』から「Set You Free」、上述した新曲「Medusa」のプレミア披露もあるも、デビュー・アルバム『INDUCTION』(2019年)からのセレクトはなかった。演奏曲のほとんどがいかにも欧州的なメロディック・メタル路線を採っていて、「Set You Free」なんてまるでカイが書いたのか…とも思わせ、ティムが父親のDNAをしっかり継いでいることが伝わってくるが、意外やスピード/パワー・メタル傾向はあまり強くなく、全体としてキャッチーな曲想が目立ち、ハロウィンやガンマ・レイというよりは、同時期デビューの多国籍バンド:ノーステイルに近いと思ったりも。あと、ビースト・イン・ブラックというか初期バトル・ビーストというか──要はアントン・カバネンからの影響が散見されるのも興味深い。



ひとつ気になったのは、約50分という短い持ち時間にもかかわらず「Go To Hell」(『BORN FROM FIRE』収録)の前にドラム・ソロをやったこと。アンディには悪いが、その代わりにもう1曲プラスして欲しかった…と、恐らく多くのファンがそう感じたのでは? ただ、終始ショウは大盛り上がりだったし歓声も凄かったので、確実に“次”につながったことだろう。実際、ラス曲「Queen Of Light」を始める前に、クレイグがMCで「みんな楽しんでくれた? 俺達、また東京に戻って来てイイかい?」とオーディエンスに問い掛けると、大きな大きな肯定の反応が返ってきていた。
 

「Queen Of Light」のエンディングにて、ティムがグリーグの「山の魔王の宮殿にて」(劇音楽『ペール・ギュント』より)のあのフレーズを奏で、親父のお株を奪ったのもあっぱれだったと言いたい。近い将来、再来日して単独公演かヘッドライナー公演を行なってくれることを楽しみに待ちたい…!!

インダクション 2024.5.7 @EX-THEATER ROPPONGI セットリスト

1. Intro(SE)〜Born From Fire
2. Fallen Angel
3. Scorched
4. I Am Alive
5. Set You Free
6. Medusa
7. Ds Solo
8. Go To Hell
9. Queen Of Light
10. Outro:Training Montage@“ROCKY IV”(SE)

GAMMA RAY

急ピッチでステージ転換が行なわれ、インダクションの終演から15分とかからず20:04頃、いよいよガンマ・レイのショウが幕を開ける!

ガンマ・レイ

てっきり『30 YEARS LIVE ANNIVERSARY』の再現をここ日本でやってくれるのだろう…と思ったら、オープニングSEとして流れてきたのは『30 YEARS〜』時のイントロ「Induction」ではなく、デビュー・アルバム『HEADING FOR TOMORROW』(1990年)の冒頭を飾る「Welcome」! 何と…いきなりラルフを伴っての「Lust For Life」でスタートか? …と思ったら、意表を衝いて1曲目は『LAND OF THE FREE』(1995年)表題曲であった。

ステージ上には、向かって左からダーク、フランク、カイ、カスペリが居並び、後方にマイケルという布陣。バックドロップは『EMPIRE OF THE UNDEAD』のデザインで──そういえば、『30 YEARS LIVE ANNIVERSARY』では鍵盤奏者のコーヴィン・バーンがゲスト起用されていたが、言うまでもなくここにその姿はない。

カイ・ハンセン
Kai Hansen(g, vo)
ダーク・シュレヒター
Dirk Schlächter(b)
マイケル・エーレ
Michael Ehre(dr)
カスペリ・ヘイッキネン
Kasperi Heikkinen(g)
フランク・ベック
Frank Beck(vo)

のっけから観客のテンションはマックス状態! そりゃそうだ。みんな10年近くガンマ・レイを待ち望んでいたのだから。そんな大熱狂しまくるオーディエンスの様子に、ステージ上のメンバーもみんな嬉しそう。実は、体調面で心配されたメンバーもいた。ドラマーのマイケルだ。今年1月、プライマル・フィアの一員として来日するも、ツアー中に虫垂炎を発症して大阪での最終公演を病欠し、4月のガンマ・レイの南米ツアーにも帯同出来なかった彼は(代役にはイタリア人ドラマーのミケーレ・ザンナを起用)、もうすっかり復調していたようで、ドッカンドッカンとパワフルに叩きまくり。必殺のツー・バス連打も勢い充分だった。

お馴染みアイバニースの蛍光カラー・ギター(オレンジ&イエロー)を手に、いきなりカイとの掛け合いソロで魅せてくれたカスペリは、笑顔すら浮かべた余裕の表情で流麗なプレイを連発し、バッキングも含めとても代役とは思えない落ち着きっぷり。まぁ、ガンマ・レイのレパートリーは前々からお手の物だったし、つい先日も(やはりヘニュの代役として)南米ツアーに全面参加していたから、彼としてはすっかり“ガンマ・モード”にあったのだろう。ヘニュのオリジナル・フレーズを単になぞるだけではなく、核となるフレーズは再現しつつ、自分なりのシュレッドも組み込んだリード・ワークが、すべてのギター・フリークの目と耳を同時に楽しませていたのは言わずもがなだ。

そのカスペリとは逆側──下手に陣取るダークは、コーラスを見事にコナすも今ひとつ覇気が感じられず、ちょっと淡々とプレイしていたような…。無論プレイ面では何ら遜色なく、バンド・サウンドのボトムを支え、心地好いグルーヴも生み出してくれてもいたのだが。

一方日本初見参となるフランクは、飽くまでセカンド・ヴォーカルという位置付けながら要所要所でカイを助け、時にメイン・パートを歌い、ハーモニー・ヴォーカルでも存在感を発揮。かつて2014年4月にカイが気管支炎を患った際、ショウ当日に急遽で呼び出され、突然ガンマ・レイのステージに立つことになったのをキッカケに、その翌年正式メンバーとして迎えられた彼は、以来カイのサポートを献身的に続けてきた。驚くのは、かなりカイそっくりに歌えるところ。いや、両者の声質そのものは実際のところあまり似ていないのに、カイの特徴的な歌唱のクセや細かいニュアンスを熟知しているし、ファルセットやシャウトまでもを研究し尽くしているから、フランクのヴォーカルはスッと耳に入ってきて、時にはまるでカイが2人いるのかと錯覚してしまうぐらいだ。

殊に2人で声色を分けて歌うパートは、高音(=フランク)と低音(=カイ)のミックス具合が絶妙で、そこにダークの声もかぶさると、もう「完璧!」と唸らされること請け合い。フランクが決して前へ前へ出るタイプではなく、飽くまで“主役はカイ”とある意味わきまえていたのも、新旧ガンマ・レイ・ファンには心地好かったハズ。いくらセカンド・ヴォーカルとはいえ、マイクを握ってフロントに立つにはちょっとカリスマ性に欠ける…との評価もあるかもしれないが、実際それぐらいで「ちょうど良い!」と思ったりも。そう考えると、ショウ序盤にはフランクに対して「何だか中途半端な立ち位置だな…」と思ったとしても、そのまま観続けていけば、「この中途半端さこそが最高…!!」となるハズ。実に奇妙かつ稀有な役割を、フランクは過不足なく見事に担っているということだ。

ガンマ・レイ、フランク手前

長年の愛煙が祟ってか、ここのところカイは喉の調子が今ひとつで、シャウトひとつ取っても、強引に絞り出すように叫ぶことが多く、それで余計に喉に負担を掛けてしまっているような印象がある。しかしその強引なシャウトも、フランクが一緒に叫んだり、ハモりを加えることで、なかなか味わい深く響くのだ。また、フランクが長めに歌うパートでは、カイがマイク・スタンドの前で釘付けになることなく、よりアクティヴなステージングにつながる点も見逃せない。お馴染み“ピンクV”を駆るカイが以前よりも余裕をもってソロを伸び伸び弾きまくっていたのも、明らかにフランク効果に相違ない。

ところで──みんなお待ちかねのラルフは、まるで観客を焦らすようになかなか登場しなかった。「Land Of The Free」に続いて、ラルフ期の『INSANITY AND GENIUS』(1993年)から「Last Before The Storm」のイントロがハジけた時、「く、くるぞ…!」と思わず身構えた人も少なくなかったと思うが、何故かこの曲はカイ&フランクのみで披露。そこから長尺の「Rebellion In Dreamland」と、『EMPIRE OF THE UNDEAD』収録の「Master Of Confusion」挟み、ライヴ開始から25分以上を経て、ようやく全観客が待ちに待った歓喜の時が訪れる。いや…実を言うと、その次に「Lust For Life」を始める前も、カイは「ファースト・アルバムの時代へ戻ろう!」とだけ言って、ラルフの“ら”の字(“R”の字?)を口にすることもなく、ただ曲名だけをコール。イントロの間、「えっ…まさかこの曲もラルフ抜きで?」とみんなが不安になったその直後、歌入りと同時にドラム・ライザーの後ろからラルフがゆっくり登場! その瞬間、今日イチの大歓声が沸き起こった。

あ…でも、何だか様子がおかしい。ラルフの声にあまり力がないのだ。1月のプライマル・フィア来日公演では、未だもって国士無双そのものの超強力なパワー歌唱でもって圧倒しまくってくれたから、「なな…何だ?」と誰しもが耳を疑い、「ラルフに何が…!」と焦ったことだろう。それでも、当然ながら全く声が出ないのではなく、幾分パワーをセーブしつつハイ・トーンでも歌い上げてくれたので、場内の熱狂の度合いがそう落ちることはなかった。すると「Lust For Life」を歌い終えたラルフが、最初のMCで自らのコンディションについて話し始める。何でも、「移動の機内で空調に喉をヤラれてしまった」のだそう。そして彼は、「また日本に戻って来られて嬉しいよ!」と言ったあと、「でも…今回は申し訳ない」と深々と頭を下げた。う〜ん、こりゃ本当にヤバそうだ。

ただし1曲だけでお役御免となるワケはなく、以降もラルフは、自らの力を奮い起こし、文字通り全身全霊を込め、アンコール最後まで歌い切ってくれた。ずっと出づっぱりではなく、1〜2曲歌ってはしばし袖に引っ込み、言わば休み休みではあったが(もしや、「Last Before The Storm」をラルフ抜きでプレイしたのは、1曲だけでも負担を軽減するためだったかのか?)、本編ラストの大作曲「Heading For Tomorrow」を含め、最終的に5曲を熱唱! 中でも、バラードの名曲「The Silence」が、久々にラルフの生ヴォーカルで堪能出来たのは、個人的にも感激至極であった。その際、フランクがラルフのサポートも見事にやってのけたことも、ここで強調しておきたい。ラルフとしても、彼のセカンド・ヴォーカルがあることで、随分と助けられたことだろう。いやホントに、フランクがいなかったらどうなっていたことか…。


ただ結果的に、ラルフが本調子ではなかったことで、カイやフランクを始め他のメンバーはそれこそギアを一段上げ、よりいっそう気合いを入れ頑張っていたとも言え──それにより100分超に及んだ今回の再来日公演の感動が、ケガの功名ではないが…さらにさらに高まったのである。アンコール最後の「Heaven Can Wait」(『HEADING FOR TOMORROW』収録)で会場全体の一体感が最高潮となる中、きっと誰しもが「この瞬間が永遠に続いて欲しい…」と思ったのでは?



果たして今後、ガンマ・レイの動きがどうなるのか──それは、現時点では定かではない。この夏には、幾つかのフェス出演がアナウンスされているが、それがアルバム制作につながるかどうか──それはハロウィンのスケジュール次第であろう。願わくばハロウィンと上手いこと折り合いをつけて、今年…あるいは来年こそ、『EMPIRE OF THE UNDEAD』に続くフランク入りのニュー・アルバムが聴けますように…。ジャパン・ツアーでの感動の炎が消えてしまう前に…是非!!

ガンマ・レイ ステージとオーディエンス

ガンマ・レイ 2024.5.7@EX-THEATER ROPPONGI セットリスト

1. Welcome(SE)
2. Land Of The Free
3. Last Before The Storm
4. Rebellion In Dreamland
5. Master Of Confusion
6. Lust For Life *
7. One With The World *
8. Man On A Mission
9. The Silence *
10. Induction(SE)
11. Dethrone Tyranny
12. Somewhere Out In Space
13. Heading For Tomorrow *

[encore]
14. SE〜Send Me A Sign
15. Heaven Can Wait *
16. Outro:For The Love Of A Princess@“BRAVEHEART”(SE)

*…ラルフ・シーパース出演曲