WOA2024レポートDAY1:7月31日(水)

WOA2024レポートDAY1:7月31日(水)

IN EXTREMO

再びメイン・ステージへ戻ると、本日のヘッドライナー:イン・エクストレモを観ようと、この日一番の大観衆がファスター前へ詰めかけていた。古楽器奏者を複数擁するこの旧東ベルリン出身の中世メタラーは、日本では知る人ぞ知る…といった存在ながら(’19年に一度だけ来日しているが)、ドイツ本国ではアルバムを出せばチャート上位が当たり前──’03年以降、8枚連続でトップ3にランク・インしている(しかも、その半数がNo.1獲得!)、言わば国民的バンド。WOAには大体2〜3年に一度出演し、これまでに10回以上プレイしてきた常連中の常連でもある。

イン・エクストレモ

この年は、周年ライヴでもないのに、往年の代表曲をズラリ揃えたまさにベスト選曲で勝負。ドゥーデルザック(ドイツのバグパイプ)、イーリアンパイプ、ハーディガーディ、ショーム、ハープなどを駆使し、中世古楽とロック/メタルを融合させた独自サウンドで新旧ファンを歓喜させた。

Das Letzte Einhorn
Das Letzte Einhorn(vo)
ヴァン・ランジ
Van Lange(g)
Flex Der Biegsame
Flex Der Biegsame(pipes, hurdy-gurdy)

毎度、ステージ上には大きな火柱が何度も吹き上がり、パイロを大量に使うそのショウは、見た目にもインパクト絶大。終演時には、ド派手に花火が打ち上げられたことも付け加えておこう。

イン・エクストレモ

EQUILIBRIUM

そのイン・エクストレモを中抜けし、ヴァッキンガー・ヴィレッジへ向かうと、そこではエクリブリウムが既に演奏中。地元ドイツ出身の彼等は、エピック・フォーク・メタラーとしてスタートするも、様々に進化と変化を遂げ、’19年リリースの『RENEGADES』では、意外やメタル・コア化を進め、何とラップ・メタルとのミクスチャーまで果たしていた、今ではほぼ“元フォーク・メタラー”。しかも、’22〜23年にシンガーが交代し、’24年に入ってベーシストが脱退して、この時はツイン・ギター編成でベースレスの4人組として、ヴァッキンガー・ステージに立っていたのだ。

ドム&レネ
Dom(g)&Lene(g)
ファビ
Fabi(vo)

注目の3代目シンガー:ファビは、グロウルの野太さは充分だったが、前任のロブセと比べると、存在感という点でまだまだ…との印象。セトリの面でも、演目の多くが近作からセレクトされ、初期曲は’08年作『SAGAS』から「Blut Im Auge」のみ…というのは、ちょっとばかし寂しく思われた。ただ、とっくにバンドは新しいフェーズに移っている…との強い意志が、ショウのあちこちから伝わってきたのもまた事実。果たして、彼等が今後どのような道を進んで行くのか──注目していきたい。

エクリブリウム
その後、ウェイストランド・ステージにイーヴァイルをチェックしに行くか、それともW.E.T.ステージにブラインド・チャンネルを観に行こうか…と迷ったが、結局はメインへ戻ってイン・エクストレモをさらに堪能。

毎年のことだが、WOAぐらいデカいフェスだと、会場内の移動はかなり大変で、短時間での幾つものステージのハシゴは、正直あまり現実的ではない。まぁ、次に何を観よう…と悩んだり、好きなバンドの出演時間がカブっていたり、「あのバンドを観るのを忘れた…!」なんてことも、巨大フェスならではの醍醐味ということで…。事実、他にも初日から観逃したバンドは少なくなく、ガールスクールとかS.D.I.とかヴァン・カントとか、何度も「体が2つあればな〜」と思わされた次第で…。

でも、まだフェスは始まったばかり。体力温存とは言わないものの、残り3日間を乗り切るためにも、イン・エクストレモの一大スペクタクルを締め括った花火を見届けると、早々にキャンプ・エリアへと戻ることにした…。いや…しかし、繰り返しになるけど、ファントムの盛り上がりは凄かったな〜(しみじみ)。

イン・エクストレモ