C’mon/B’z

C’mon/B’z
アーティスト名B'z
B'z
アルバム名 C'mon
C'mon

CD | VERMILLION RECORDS | 2011年7月27日発売

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ラリー・カールトンとの『TAKE YOUR PICK』(’10年)が第53回グラミー賞(最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバム)を獲得。これまでもB’z作品の合間には様々なソロ・プロジェクトを展開してきた松本孝弘(g)だが、今回はまた格別なキャリアを加えたことになる。それを経ての18th新作は、しかし何ら気負うことのない自然体。いつも通り特にテーマを設けるわけではなく、いつも通りアコースティック・ギターで曲を書き、いつも通りL.A.でレコーディング。つまり、ここ近年の不変なルーティン・ワーク。それでいて、また違う豊富な曲・曲・曲…を感じさせるのはなぜか。誰にも分析不可能。それこそB’zがB’zたる所以だということは誰にも分かっているわけだが。
 さて、前々作『ACTION』(’07年)の際、「もう1度ギタリストとしての自分を見直して…」という主旨の発言をしていた松本。前作『MAGIC』(’09年)でもその姿勢は見られたが、あくまでも“曲を活かす”という中で、今回もそれは生きている。ヘヴィでドラスティックなハモりの②、巧みに構成された⑤、後ノリのご機嫌シャッフル⑧、フュージョン的スウィープを見せる⑪、語るような旋律弾きの⑫等々、曲によって様々な表情を見せるソロは、ジャンルを限定することのないB’zに於ける松本スタイルと言うべきだろう。ギタリストの、ある成熟した様を見ることができる。
(福田真己)