VENOM／IMPELLITTERI

インペリテリ is Back!　ここ数年は主にアニメタルUSAでの活動が取り沙汰されていた超光速シュレッダー：クリス・インペリテリが、約６年ぶりにリーダー・バンドでの通算10作目をリリース。前作から復帰の盟友ロブ・ロック（vo）に加え、前述のアニメタルUSAのメンバーでテスタメントやスレイヤーへの貢献でも知られる豪腕ドラマー：ジョン・デッテが新たに加入。まさに鉄壁の布陣から繰り出されるタフな剛健ヘヴィ・メタルは、これまでクリスを信奉し続けてきたファンの溜飲を下げるのはもちろん、メロディアスでスリリングなサウンドを好むすべてのメタル・ファンの心をも掴むだろう実に素晴らしい仕上がりとなっている。
クリスの劇的なスピード・プレイと実力派っぷりをまざまざと見せつけるロブの強靭なハイ・トーン・ヴォイスが怒涛のリズムの上で共鳴を重ねる様は、まさにこのバンドの真骨頂。硬度の高いヘヴィな質感のリフに近作のモダンさが滲むも、メロディーとスピードが支配する全編の印象は初期作品のそれに極めて近くなっているのが何とも嬉しいではないか。
クリスの大ファンだというヴェルサイユ〜Jupiterのギタリスト：TERUによるアートワークも美しい。この強力な本作を引っ提げ、５月末には約６年ぶりとなるジャパン・ツアーも決定。神速ギター・プレイを全身で浴びる準備はできているか!?
（羽田幸一）