アーティスト名 | MARILLION マリリオン |
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アルバム名 | F*** EVERYONE AND RUN(F E A R) FEAR |
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英国的叙情の伝統を継承するプログレ職人集団の4年ぶり18作目。15分以上の組曲3つを柱とする重い作品だが、前作と異なり劇的な昂ぶりを意識した形跡があまりないため、全編スロー〜ミドル・テンポでゆったり流れ漂っているような印象が強く、彼らのキャリア中でも最も穏やかな作品のひとつと言えるだろう。が、この静謐の中で延々繰り広げられるスティーヴ・ホガースの“何か降りてきてる”系ヴォーカル・パフォーマンス、そして必ずその痛みを引き継ぐように号泣展開に持ち込むスティーヴ・ロザリー(g)のタメの利いたソロ・ワークが圧巻。改めて2人のスティーヴの相性の良さを痛感させられる。
【文】平野和祥