MARILYN／SARACEN

NWOBHM期にアルバム２枚を残し、’00年代に復活を果たした英産バンドの通算５作目。マリリン・モンローの生涯を追ったコンセプト・アルバムで、ロビン・ベックやイッサといった女性シンガーが大々的に起用され、前者はスティーヴ・オーヴァーランドとのデュエットも収める。元々、往年のプログレ・ハードに通じるドラマティックでキャッチーな曲想を得意としていたが、今作ではサックスが絶妙に配され、ピンク・フロイドっぽいブルージーな味わい（ギターの泣きはやや弱い）や、ミュージカルばりのゴージャス感に驚かされた。ボーナス曲が単なるオマケ追加でなく、新たなエンディングを生んでいるのも心憎い。（奥村裕司）