RITUAL／SOULFLY　漆黒の世界に鮮やかな色彩をもたらすギター旋律

ブラジルの巨星、マックス・カヴァレラ（vo, g）率いるバンドの11作目。スラッシュ・メタルを起点に、進化系のデス／ブラック・メタルにも踏み入れた近年の作風から、今作ではそれらの先祖に当たるモーターヘッドも取り込み一層の暴走感と共にアンダーグラウンド・メタルの歴史の厚みも表現された、デビュー20周年に相応しい大きさの新作となった。高速トリル、トレモロ・リフ、タッピング、ワーミー・ペダルなどを駆使してスピード感を高めながら、持ち前のスパニッシュ・ギター的旋律で、漆黒の世界に鮮やかな色彩をもたらしていくマーク・リッゾの才気の満ち溢れっぷりには、毎度のことながら感服した。

【文】菅原健太