Silence of the Raven／Spirytus

茨城県つくば市出身、’11年に結成され、これまでに３枚のEPを自主リリースしているバンドの５曲入り最新作。北欧メロディック・デス・メタル・バンドを思わせるようなシャープでスピーディーかつドラマティックなリフ展開に、J-ROCK的な判りやすく頭に残る歌メロ（日本語詞の言葉遣いや歌唱スタイルもそれっぽい）を載せたヘヴィ・メタルをプレイしており、日本人の耳にしっくり馴染むサウンドとなっている。SEの「惨劇の序章」を除けば実質４曲だが、それぞれ異なった楽曲指向があり、かつ一本筋が通されている。演奏の荒さやプロダクションの稚拙さも隠せないが、ポテンシャルは十分感じられる。

【文】小澤明久