トニー・マカパイン初の単独来日を前に初期代表作と最新作を再検証!

トニー・マカパイン初の単独来日を前に初期代表作と最新作を再検証!

ミニ・インタビュー:それぞれのアルバムが持っている音楽的な“ストーリー”を伝えたい

YG:ソロ名義で単独の日本公演を行なうのは、今回が初めてですよね。率直な感想を訊かせてください。

トニー・マカパイン(以下TM):これまで、スティーヴ・ヴァイのバンドやリング・オヴ・ファイア、PSMS(ポートノイ/シーン/マカパイン/シェリニアン)などのバンドで何度か日本を訪れたけど、こういったコンサートを振り返ると、いつも素晴らしい思い出が生まれたし、貴重な体験が出来たな、と思うんだ。今回のコンサートもきっと、同等のクオリティのものを提供出来るはずだよ。この手の音楽が好きなリスナーならきっと喜んでくれると自負しているんだ。僕のディスコグラフィの中でもよく知られた2枚の作品を、演奏が大好きなバンドが再現してみせるよ。

ドラマーのトーマス・ラング、ベーシストのビヨルン・エングレンも凄くエキサイティングなプレイヤーなんだ…だからショウでも、エキサイティングとしか言いようがない音楽を聴かせられるはずさ! それに、異なるアルバムから少しずつ楽曲をプレイするのはよくあることだけど、ライヴで完全再現を行なうというのはやはり非常にユニークだし、特別な時間となるだろう。リスナーはもちろん、演奏している側もリリース当時の世界にタイムスリップ出来るんだ。それぞれのアルバムが持っている音楽的な“ストーリー”を伝えられると思うとワクワクするね!

YG:日本のリスナーに対してはどんなイメージがありますか?

TM:昔から、日本の人達はみんなアルバムがどうやって作られたかというところから、ライヴでそれがどう再現されるかというところまで、しっかり興味を持ってくれるね。

日本にはいつも驚かされてきた。伝統的に音楽への愛着が強く、あるジャンルに興味を持つと、それに関する幅広い知識を身に付けた上で聴いてくれるんだ。彼らはサウンドを気にするだけでなく、技術的な面にも目を向けてくれる…例えば、ライヴで使用する楽器や機材などだね。ギター、アンプ、エフェクターなど、ライヴにおけるセッティングの写真を撮影して、これらがプレイされる音楽にどう関わってくるのかに、強い関心を示しているんだ。この部分こそ、日本はとてもユニークな性質を持っているなと僕が感じたところだよ。

YG:『EDGE OF INSANITY』と『MAXIMUM SECURITY』の再現というテーマが掲げられていますが、トニーにとってこの2作はどんな意味のあるアルバムなのでしょうか? それぞれについて簡単な印象と、好きな曲を教えてもらえますか?

TM:『EDGE OF INSANITY』は、僕が初めてプロ・ミュージシャンと共に制作したアルバムだった。ベースはビリー・シーンで、ドラムはスティーヴ・スミス。突然僕は、それまで取り組んでいたデモ作りを脱却して本格的なレコーディングを行なうことになった。凄腕のミュージシャン、そしてマイク・ヴァーニーという強力なプロダクションが付いたことで、楽曲のアイデアに強力な生命が吹き込まれたんだ。同時に、たくさんのことを学んで素晴らしい体験をしたよ。またこの作品は1人で制作したのに対して、『MAXIMUM SECURITY』ではジェフ・ワトソンやジョージ・リンチなどをゲストに迎え、彼らのインプットも参考にした。ディーン・カストロノヴォ(dr)のエネルギーと情熱も加えてね。それから、こちらもゲスト参加となったアトマ・アナー(dr)は、全くの別世界から新鮮な風を送り込んでくれた。マイク・ヴァーニーがディレクションを行なうことで、このアルバムはずっと多次元的なものに仕上がったんだ。

正直に言って、自分の曲というのは自分の子供達のようなものなので、僕には特定の曲だけ気に入るということがないんだよ。どの曲もみんな平等に好きでないとね。1度作ってこの世に出たものは後から変えることは出来ないから、どの曲も真実を語っていることが大事なんだ。もちろん、アルバムを作っていた時は、何年も後にその内容や僕達のプレイを巡って興味深い議論や考察が行なわれるなんて思ってもいなかったけど…それに何より、作っている最中の出来事は、当時の僕にとってもそんなに重要ではなかったんだ。

YG:最新アルバム『CONCRETE GARDENS』の中で、特にプレイして楽しい曲はどれでしょうか?

TM:ちょっと前、EMGtv(註:EMGブランドのYouTube公式チャンネル)のために、このアルバム全体をライヴ・レコーディングするセッションがあったんだ。ジェフ・ルーミズをスペシャル・ゲストに迎えてね。素晴らしい経験だったけど、多分その時点ではまだアルバムがどんなものか僕達自身もあまり把握出来ていなかった。だから、例えば「Concrete Gardens」「Poison Cookies」などは今と比べると相当違う感覚だったよ。『CONCRETE GARDENS』はまだライヴで全曲をプレイしたわけじゃないけど、今は徐々に、こうした楽曲との結びつきが強くなっているんだ。

YG:以上3枚の他のアルバムからもやってくれる曲はありそうでしょうか?

TM:あるよ…近いうちに決めるつもりだ。ビヨルンと僕は一緒に活動して長いから、彼が弾ける曲はたくさんある。でもトーマスとは一緒にやってまだ日が浅いから、何が出来るか、限られた時間の中で判断しなくちゃならないね。でも、プレイする都市によって数曲を入れ替えるつもりだよ。詳細はあと2〜3週間で決まるだろう。トーマスはとにかく素晴らしいドラマーだから、早く彼を日本に連れていきたいね。

YG:ライヴを楽しみに待っている日本のファンに向けて、メッセージをお願いします!

TM:会場でみんなの顔が見られること、そしてもちろん、また一緒に新しい思い出を作ることが出来るのを楽しみにしているよ。またすぐに会おう!

 

Tony MacAlpine CONCRETE GARDENS Japan Tour 2015

日程:9月29日(火)
会場:大阪 心斎橋JANUS
開場:18:30 開演:19:30
チケット料金:8,000円(税込)+ドリンク代(600円)

日程:9月30日(水)
会場:川崎クラブチッタ
開場:18:30 開演:19:30
チケット料金:8,000円(税込)+ドリンク代(500円)

詳細・お問い合わせ:クラブチッタ
電話:044-246-8888

公式サイト:http://clubcitta.co.jp/001/tonymacalpine-2015/