毎年、盛夏の時期にドイツ北部ヴァッケンにて開催される世界最大級のHR/HMの一大野外祭典“Wacken Open Air”(以下WOA)。第33回を迎えた今年は、未曾有の集中豪雨により泥地獄と化した昨年とは大きく異なり、連日ほぼ好天続きで、9万人とも言われる来場者は4日間(+α)にわたり、いかにも“夏フェス”といった風情を存分に楽しんだに違いない。
しかしながら──普段は人よりも牛の数の方が圧倒的に多いのどかな牧畜の村に、全世界から黒ずくめのメタルヘッズ老若男女が大挙して押し寄せるは何故なのか…? それは言わずもがな、そこがメタルの聖地に他ならないから。雨が降ろうが槍が降ろうが、巡礼者達は約束の地を目指す。そして辿り着いたホーリー・グラウンドにおいて、血が滾る大音量に身を任せ、ビールや蜂蜜酒を酌み交わし、ヘドバンやモッシュ、クラウド・サーフに興じながら、至上のメタル・マラソンを堪能し尽くすのだ…!
今回も例年と違わず、大小併せて10のステージで激演を繰り広げた出演バンド/アーティストは、若手、中堅からベテラン、レジェンド級までハード&メタルのあらゆるジャンル(とその周辺)が網羅され、何と総勢200組に迫る。その熱狂の模様はヤング・ギター10月号でもお伝え済みだが、紙幅の都合もあり、誌面では巨大フェスの全貌のごく一部しか掲載することが出来なかった。そこで本誌&ウェブ連動企画としてスペシャル・レポートをここに…! 今後、連載記事として随時公開していく予定なのでお楽しみに〜!!