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匠&UTA/sukekiyo 『ADORATIO』

インタビュー&文●ヤング・ギター編集部 ライヴ写真●尾形隆夫

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DIR EN GREYの京(vo)率いるsukekiyoが、『ADORATIO』と名付けられた音源&映像作品集を発表する。13曲の新曲を収めた[DISC-1]、様々なゲストとのコラボ楽曲を7つ収めた[DISC-2]、ミュージック・ビデオやライヴ映像を収めた[DISC-3]という内容は、今までに彼らがフル・アルバム『IMMORTALIS』(2014年)やミニ・アルバム『VITIUM』(2015年)の通販限定盤で採用して来た形態と同じではあるが、今作の場合は数量限定で通販とライヴ会場販売のみ。つまり「好きなヤツにだけ全部渡してやる」という、何とも潔い姿勢である。中でも核となる[DISC-1]の充実ぶりは実に素晴らしく、普通に単体でフル・アルバムとしてリリースすればいいのに…という疑問を感じざるを得ないが、それも“普通”であることを嫌う彼らだからこそなのだろう。

今までに当サイトでは、ギタリスト兼ピアニスト兼マニピュレーターとして活躍する匠のインタビューを3度掲載して来たが、今回は彼の相棒であるギタリストUTAにも登場してもらい、一緒に作品について語ってもらった。

好きな音楽を貫き通して来て本当に良かった

YG:以前、匠さんの音楽的バックグラウンドに関してはお聞きしたので、まずはUTAさんにも同様にうかがってもよろしいですか? ギタリストとして、どんな音楽に影響を受けて来たのでしょう?
UTA:アーティストで言えば最初はX JAPANで、やっぱりhideさんの存在が大きいですね。あのヴィジュアルに影響されて。そこからさらに好みの音楽を求めていく中で、次に出会ったのがLUNA SEA。音楽的な根本はそちらの影響が強いかもしれないです。

YG:’80年代末〜’90年代の、V系の王道を通って来たわけですね。
UTA:そうです、めちゃくちゃ王道ですね。世代を継いで行くみたいな感じで。

YG:SUGIZOさんとINORANさんで例えると、UTAさんのプレイ・スタイルはINORANさん寄りですよね。
UTA:アルペジオが好きなので、近くなってしまうかもしれないですね。歪みでガンガン攻めるよりは、歪みを少なめにして、アルペジオを上の方でキラキラ鳴らすみたいなプレイというか。

YG:以前のインタビューで匠さんは「UTAさんは自分とギタリストとしての感覚が全く違うので、上手く補完し合える」とおっしゃっていました。
匠:もう本当に気持ち良いくらい違いますね。
UTA:だから刺激も受けます。

YG:「自分にないものをすべて持っている」とも。
UTA:その言葉をそのままお返しします(笑)。匠さんからも、自分にはないフレーズがどんどん出て来ますから。

YG:サウンドの嗜好で言えば、匠さんはハムバッカー志向、UTAさんはシングルコイル志向ですか?
UTA:そうですね。やっぱりクリーンが綺麗だし、シングルコイルのキーンと前に抜ける感じが好きで。ちょっと耳に痛い感じですけど。
匠:そこは計算して分けているわけじゃなく、自然と分かれました。UTAさんが以前やっていたグループのCDを聴いて、京さんが「この音を出している人と一緒にやりたい」と言ったので、まさに音が決め手だったんです。

YG:つまりご自身が出している音が求められたわけですよね。まさにギタリスト冥利に尽きるのでは?
UTA:最初はすごく驚きました。自分が好きな音楽を貫き通して来て、本当に良かったです。ちゃんと意味はあったんだなって思えました。