まさにコラボがあったからこそ出来上がった構成
YG:では本編の10曲に関して細かく聞かせていただきたいのですが…、まずお二人それぞれが書いた曲から順番に。「RODEO DRIVE(feat. e-ZUKA from GRANRODEO)」はSHINPEIさんの曲ですよね。そもそも曲作りはどういう形でスタートするんでしょう?
SHINPEI:各アーティストさんを自分なりにイメージした曲のアイデアを、メンバー同士で集め合って、1番しっくり来るものを話し合って選びました。この曲に関しては、僕の中でのGRANRODEOさんが「爽快感のあるキャッチーなロック・ユニット」というイメージなので、アメリカン・ロックの要素が入った曲になればいいなと思ったんです。
YG:ギター的なハイライトは何と言っても、中間部のソロ・パートですよね。e-ZUKAさんのソロが中央から始まり、右側からAKIHIDEさん、左側からSHINPEIさんが順番に入って来て、最後には3人でハモる…という形だと思うのですが、合っていますか?
SHINPEI:その通りです、トリプル・ギター・ハーモニーですね。ヤング・ギターにぴったりハマる構成だと思います(笑)。最初のアイデア段階ではソロは8小節だけだったんですけど、e-ZUKAさんが弾いてくださることになったので、AKIHIDEさんとも話し合って小節を延ばしました。まさにコラボがあったからこそ、出来上がった構成だと思います。
YG:e-ZUKAさんとのやり取りはどんな形で行なったんでしょう? みなさんお忙しいので、データを送り合う形だと思いますが。
SHINPEI:そうですね。まずソロの頭の部分に関しては「自由に弾いて下さい」とお伝えしました。トリプル・ギターのメロディーは僕が考えて用意していたので、そこはメインのパートを弾いていただいています。
YG:複雑な構成なので本来なら顔を突き合わせて録音したいところだと思いますが、別々に録ってもきっちり設計図通りに仕上がるというのが流石ですよね。
SHINPEI:本当にそうですよね。それどころか想像以上の素晴らしいフレーズを入れていただきました。譜面にしがいのあるソロになっていると思います(笑)。
YG:AKIHIDEさんが作曲した「BLACK SKY(feat. SKY-HI)」。以前もディストーション・ギターとダンス・ビートを組み合わせた曲があったと思いますが、AKIHIDEさんの得意分野ということでしょうか?
AKIHIDE:得意というわけではないんですが、EDMの要素を取り入れることはわりと多いですね。ここまで大胆に使ったのは初めてですけど。SKY-HIさんとのコラボということで、ラップが加わったのも大きいと思います。ギターはけっこうシンプルで、僕もSHINPEIも録ったのは基本的に1本ずつぐらい。最小限のバンド演奏とEDM要素が混ざる感じなので、今までのBREAKERZにあったようで意外にない、新しい試みだと思います。
YG:全編で印象的なシンセのサウンドも、曲作りの段階で既に頭の中にあった感じですか?
AKIHIDE:そうですね。サンプリングの部分から先にデモを作っていったんですけど、本番のレコーディングではそれをしっかり打ち込み直して、Pro Toolsでサイド・チェイン・コンプをかけたりという色々な処理を行なって、EDM感のあるサウンドにしました。打ち込みではありますけど、そういう意味ではメンバーの手で作ったものと言えます。そこにSKY-HIさんの軽快なラップが絡み合うことで、ミラクルが起きました。
YG:ギター・ソロはとてもメロディアスで、他で聴いたことのないような不思議な音色ですよね。
AKIHIDE:最初は普通の音で弾いてたんですけど、エンジニアさんに「もっとU.K.ロックっぽい感じも良いんじゃないですか」とご提案を頂きまして。確かにそれもありだと思ったので、深めの短いディレイをかけてトレモロ・ピッキングで弾きました。ちょっとシンセっぽい音ですよね。
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