SHY／SHY

イギリスのベテランが約７年ぶりに放つ通算８枚目のアルバム。自身の名を冠したタイトルがバンドの気持ちを体現しているが、予期せぬシンガーの交替を経た新生シャイが高らかに再復活を宣言する仕上がりだ。恐らく多くのファンはトニー・ミルズ（vo）が脱退したことで関心を失ったと思われるが、後任に迎えられたリー・スモールの魅力的な歌声を聴けば、考えを改めるのは間違いないだろう。まさに適任の逸材であり、彼らの持ち味だったドラマティックなメロディアス・ハード・ロックが、より重厚なサウンドで鮮やかに描き出された。楽曲の充実度は期待を大きく上回る。ギター・プレイもさすがの安定感だ。
（土屋京輔）