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dEnkA/KNOCK OUT MONKEY『BACK TO THE MIXTURE』

KNOCK OUT MONKEYが新録のスタジオ・テイク6曲と、今年のツアーで収録されたライヴ・テイク4曲を収めたミニ・アルバム、『BACK TO THE MIXTURE』を9月19日に発表した。良質な楽曲をコンスタント...

インタビュー●坂東健太 Kenta Bando

KNOCK OUT MONKEY - dEnKA

KNOCK OUT MONKEYが新録のスタジオ・テイク6曲と、今年のツアーで収録されたライヴ・テイク4曲を収めたミニ・アルバム、『BACK TO THE MIXTURE』を9月19日に発表した。良質な楽曲をコンスタントに作り続け、全力のライヴ活動を地道に続けることにより、2010年代のラウド・ロック・シーンにおいて徐々に頭角を現し始めた彼らだが、ここへ来ての“原点回帰宣言”とも取れるそのタイトルにはどういった信念が込められているのか? ギタリストのdEnkAにたっぷりと語ってもらおう。

「ちょっと悪そうなミクスチャー」を意識した

YG:今回のミニ・アルバム、タイトルは『BACK TO THE MIXTURE』。KNOCK OUT MONKEYは初期からぶれることなくミクスチャー・ロックを貫いているイメージがありますが、どういったニュアンスでしょう?

dEnkA:このタイトルはw-shun(vo, g)が考えたんですけど、僕らはこの5年くらい、ポップな要素が強い曲を主にやっていた気がするんですよ。でも今回は、自分が加入したての8〜10年前みたいに攻め攻めのゴリゴリな音楽性で行きたい…ということを、アルバム作る前からメンバー全員で言っていたんです。そういう「ちょっと悪そうなミクスチャー」を意識したタイトルですね。

YG:「悪そうな」というと、例えばdEnkAさんが影響を受けて来たミュージシャンではどの辺りですか?

dEnkA:実は僕自身は、あまりミクスチャーを通っていないんですけどね。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンくらいですかね、アルバム全部買って聴きあさったのは。

YG:『BACK TO THE MIXTURE』のジャケットは、リンプ・ビズキットの2枚目辺りを彷彿とさせますが。

dEnkA:確かにどう見てもリンプですね(笑)。彼らのサウンドもすごく悪そうですよね、叩き付けるような音だったりリリックであったり。日本の先輩で言うとUZMK(宇頭巻)さんとか、Dragon Ashさん、RIZEさん…。タイトルには「ラップで攻める」という意味合いも込めているんですよ。KNOCK OUT MONKEYはもともと、w-shunのラップが大きな武器なので。

YG:ただw-shunさんのヴォーカルって、ラップしている時もモロな感じではないですよね。

dEnkA:歌とラップの中間みたいな感じですよね。僕なんかは、たまに友達とカラオケに行くと「自分の曲歌えや」って言われるんですけど、無理ですもん(笑)。難しいというか、すごく個性的なので。そこをもっともっと活かしたいという思いが前からあったんです。サウンドに関しても今回は、ポップなところも少しはありますけど、前作のフル・アルバム『HELIX』(2017年)より重めにできたと思います。

YG:確かに1曲目の「Black or White」のリフからゴツくて骨太で、最近のKNOCK OUT MONKEYとしては珍しいですね。ギターが同じパターンを繰り返しつつ、上に乗るコーラスでコード感を変えていくという、ちょっと面白い形。

dEnkA:そうですね。最近はもっとメロディー感のあるリフが多くなっていましたけど、これは「ガツンとぶつけるぜ!」みたいなリフ。ギターでコードらしいコードを弾いているのは、サビと間奏の部分ぐらいです。

YG:今回、曲作りはどのような形で?

dEnkA:『HELIX』の時から、全員でPro Toolsを導入したんですよ。例えばw-shunが1コーラスくらいの簡単なデモを作って、それを元に全員で集まって編曲し合うというスタイルですね。今回は完全にセルフ・プロデュースだったので、4人で話し合うことが多かったです。

YG:以前は大島こうすけさんがサウンド・プロデューサーでしたよね。自分たちだけでやる形に至った経緯は?

dEnkA:前から「もう君達だけでいけるでしょ?」みたいなことを言われていたんですよ(笑)。大島さんのスケジュールが忙しかったこともあって、思い切って自分たちだけでやってみるようになりました。大島さんはキーボーディストなので、特に鍵盤ならではのアプローチの仕方や和音構成などを色々と勉強させていただきましたね。

YG:KNOCK OUT MONKEYは確かに以前から、音作りがいわゆるギター・ロックとはちょっと違いましたよね。すべての周波数を埋め尽くすスタイルというか。ただ今回の作品に関しては、パートによってはスカッと間を空けていて、意図的に密度を薄くしている気がしました。

dEnkA:そうなんです、それは狙ったところでした。少し音数を減らしたんですよ。

YG:普段なら10個くらいフレーズを重ねるところを、5個か3個ぐらいにしているような。

dEnkA:まあそれぐらいが普通なんですけどね(笑)。「Black or White」でも、以前ならパワー・コードで動いていたようなところを、6弦のみで弾いていたり。そうやって1つ1つの焦点を絞ろうという、個人的なテーマがあったんです。

YG:ただ色んな細かい工夫が凝らされているのは、以前と同様ですよね。1番と2番で演奏の内容をガラッと変えてしまうところも多いですが、もうKNOCK OUT MONKEYのアレンジの仕方としては定番ですか?

dEnkA:そうですね。この曲も最初はもっとシンプルだったんですけど、みんなで編曲していくうちにAメロからEメロまで増えました(笑)。アイデアを4〜5パターン作って、メンバー全員で意見を出し合いながらまとめたらこうなったんですよ。

YG:ギター・ソロはフレーズ的にはシンプルですが、全体を通してうねりや波が見えるというか、大きなグルーヴ感のあるプレイなのが面白いですね。

dEnkA:ちょっとインダストリアルなイメージですね。マリリン・マンソン的な妖しい感じを出したかったんですよ。

YG:掛かりの深いワウが良い味を出していると思いました。

dEnkA:ジム・ダンロップの“EVH-95 Eddie Van Halen Signature Wah”を使ってます。低域の掛かり方が独特なんですよね。ジム・ダンロップはVOXよりも暴れるというか、下品でワイルドな感じが好きですね。