NEMOPHILA葉月、『-業-』には「新曲をファンに届けておきたいという思いがありました」

NEMOPHILA葉月、『-業-』には「新曲をファンに届けておきたいという思いがありました」

メンバー4人がそれぞれの自作曲を出し合い、計30を超える新曲から5つを選りすぐったというNEMOPHILAのEP『五臓 -GOZO-』(2026年1月リリース)。創作意欲の塊ともいうべき本作を引っ提げた国内8公演を廻るツアー“上弦”(2月7日〜4月12日)を完遂した彼女達のニュー・シングル『-業-』が、6月19日より配信中だ。ギターの葉月はこの曲を「繰り返されるリフや重心の低いサウンド、のしかかるようなブレイクダウンなど、3分半強の中に注目していただきたい要素がたくさんあります」と紹介している。既にチェックしているファンは多いだろうが、彼女の言葉通り重苦しいヘヴィ・リフが唸るラウドなサウンドからは、NEMOPHILA内に渦巻く強烈なエネルギーと無尽蔵なハングリー精神を感じ取ることができるだろう。現在バンドは北米ツアーの真っ最中だが、渡米前の6月、『-業-』について葉月に直接話を聞くことができた。

「やっぱりツイン・ギターっていいなぁ」と思いました

YG:まずは今年1月のEP『五臓 -GOZO-』以降の活動について。2月〜4月の“上弦”ツアーを振り返ってみて、いかがですか?

葉月:『五臓 -GOZO-』の曲ってめちゃくちゃライヴに映えるなって思いました。お客さんのリアクションがあることで、曲というのはこうやって進化できるんだっていうことを凄く感じられたツアーでしたね。

YG:連載コラム『はづきんのはひふへほ』Vol.24でも、同じような話をされていましたよね。

葉月:ええ。例えば収録曲の「PUMP IT UP!」では、演奏中に色々な試みをしたんですよ。掛け声のところは竿(ギター)を振り上げてみようとか、スクワットしてみようとか(笑)。それに対して、お客さんも乗っかってきてくれて。別に一緒になってスクワットしてくれるというわけじゃないんですけど(笑)、私達のノリをちゃんと理解して、一緒に曲を盛り上げていってくれました。

YG:ツアーで使用したギターは、アイバニーズのシグネチュア・モデル“HZK1”でしたか?

葉月:そうです。ツアーを通してシグネチュア1本でやっていました。自分の思った通りの音が出せていて、使い始めてからしばらく経ちましたけど「ここが足りない」みたいなところはないですね。凄くオールマイティに使える1本だなと、改めて感じています。ツアー中はいつもとは別のメーカーの弦を張ってみたり、(トレモロ・ユニット裏の)バネの本数を変えてみたりと、色々試しながら使っていましたね。

葉月4

YG:葉月さんはNeural DSPの“Quad Cortex”(マルチプロセッサー)を所持していますが、“上弦”ツアーから導入し始めたのでしょうか?

葉月:いえ、 “Quad Cortex”はツアーが終わってから使い始めたんです。ツアーでは、いつものディーゼルとボグナーのアンプを鳴らしていました。

YG:ツアーの終盤、4月3日にはANKORの来日公演にスペシャル・ゲストという形で出演されましたよね。こういった形で海外バンドのサポート・アクトをNEMOPHILAが務めたのは、実は初のことだったのでは?

葉月:確かに、言われてみればそうですね。フェスで海外のバンドと共演することはあっても、サポート・アクトっていうのは初めてだったと思います。

YG:ANKORのことは、以前から知っていたのですか?

葉月:めっちゃ知ってました! それこそNEMOPHILAを始めたくらいの時にインスピレーションを受けたバンドのひとつで、めちゃくちゃ聴いてたんです。そのANKORと一緒にできるなんて、凄く嬉しかったですね。やっぱり女性が活躍しているバンド(ヴォーカルとドラムが女性メンバー)ということで、私達に凄く通じるものがあるなと思いますし、音楽ジャンルとしてもNEMOPHILAに近しいバンドですし。当日はギターのシステムとかイヤモニとか、ステージの細かいところも見たりしていましたね。

YG:とてもいい経験になったわけですね。

葉月:そうですね。普段から自分達以外のバンドがどうやってライヴをやっているのか常にチェックするようにしているので、そういう意味でもいい経験をさせてもらいました。

YG:ツアー終了後も精力的にライヴ活動が続きました。まず4月29日にはSHOW-YA主催の恒例フェス“NAONのBUNTAI”(註:日比谷野外大音楽堂で行なわれていた“NAONのYAON”だが、今年から会場を横浜BUNTAIに移して開催)への出演がありましたね。

葉月:このイベントではNEMOPHILAが3年連続でトップバッターを務めさせてもらっているんですが、先輩達から一番手を任せていただけるというのは凄くありがたいことです。これからも盛り上げ隊長としてやっていきたいですね。あと今回はスペシャル・セッションがあって、Yukiさん(g/D_Drive、East Of Eden)とツイン・ギターでやらせてもらったんですよ。その時は、「やっぱりツイン・ギターっていいな」と素直に思いましたね。いやあ、楽しかった(笑)。

YG:Yukiさんとは以前から面識はあったんですよね?

葉月:はい。対バンする機会があって、何度かご挨拶させてもらったことがあります。ただ、一緒にステージに立って、ツインでギターを弾くというのは今回が初めてでしたね。

YG:続いて、6月6日にはUnlucky Morpheus主催の“UNLUCKY FES 2026”への出演がありました。

葉月:私がそもそも“あんきも”(Unlucky Morpheusの通称)のファンで、その目線で楽しんだっていう部分もありました(笑)。最近出た彼らのアルバム(6月リリースの『Gate of Hell』)も本当に最高で。それまでは『VAMPIR』(2015年)っていうEPが一番好きだったんですけど、今回のアルバムはそれを超えてきましたね。フェスではその新曲もやっていたので、テンションが上がっちゃいました(笑)。他の出演バンドも皆さん知っている方々で、凄かったですね。上手いギタリストばかりでプレッシャーも感じましたけど、でもいい刺激になりました。あと、SABLE HILLSさんの「Namu」(2025年発表のシングル)って曲がめちゃくちゃ良くて、「こういう曲をやりたい!」と思ったり。

YG:“UNLUCKY FES 2026”の翌週にはSxOxB、COCOBATというハードコアのベテラン勢と共演した“RHYTHM OF FEAR”もありました。

葉月:やる前は「生きて帰れるのだろうか…」なんて不安もあったんですけど(笑)、終わってみたらジャンルを超えて仲良くなることができたと思います。これからも、機会があればこういう共演を続けていきたいですね。

“支え”になってくれるようなギタリストを探していたんです

葉月1

YG:いま振り返ってもらった2つのフェスでは、サポート・ギタリストとしてDos QuatroのメンバーであるiKAさんをNEMOPHILAのメンバーに迎えたことも大きなトピックでしたよね。そもそも、サポートを入れてツイン・ギター編成にしようと決めた理由とは?

葉月:元々ツイン・ギターでやっていた曲を4人体制で演奏するというのが、そもそも不可能なこともあったんですよ。例えば、2人合わせて32小節弾いていたソロ・パートを私が全部弾くというのは、ギタリストとしては別にいいんですけど、バンドとしてはどうなんだろう…?みたいところもあったりして。それだったらもう一人ギタリストを入れた方が音圧も稼げるし、そっちの方がいいよねっていうことになったんです。ギター・ソロの裏のバッキングを同期音源で出していた時よりも、より生感が強くなりましたし、iKAちゃんのキャラクターもこのバンドに凄く合っているので、ツイン・ギターにして良かったなと思っています。

YG:iKAさんに声を掛けたのは、どういった経緯だったのでしょう?

葉月:“支え”になってくれるようなギタリストを探していたんですよ。それでmayuちゃん(vo)がiKAちゃんと知り合いだったので、彼女を通して紹介してもらったという流れでしたね。

YG:彼女を加えてのリハーサルというのは、本番までにどれくらいできていたのですか?

葉月:それほど多くの回数はできなかったですね。iKAちゃんに曲を覚えてきてもらって、何回か合わせてからライヴ本番っていう感じでした。

YG:彼女には何曲ぐらい覚えてもらったのでしょう?

葉月:15曲くらいですかね。結構な数なので、「すみません…」っていう(笑)。

YG:(笑)iKAさんと合わせてみて、いかがでしたか?

葉月:やっぱりツイン・ギターはいいなって思いましたし、特にソロが弾きやすくなりましたね。同期音源でもある程度音圧は出るんですけど、何というか、バッキングの音が前に出てこないんですよ。それでソロを弾く時に「寂しい」と感じることもあったんですね。だから、iKAちゃんのおかげでソロが気持ちよく弾けるようになりました。それに、iKAちゃん自身も(元々葉月の担当ではなかった)ソロ・パートを結構覚えてくれていて、ライヴでやってもらっているんですけど、このバンドはツイン・ギターが映えるなというのを改めて思ったりしました。

YG:NEMOPHILAは元々ツイン・ギターで始まったバンドですし、ギター・ソロがオリジナルに近い形で再現されるというのは、やはりファンからすると嬉しい面がありますよね。

葉月:そうですよね。やっぱりお客さんの反応も凄く良くて、iKAちゃんに参加してもらったのは正解だったなと思います。