どのギターを弾くのかは、自然と決まっていくものさ
YG:では、来日機材について。お2人とも、ダークシュナイダーとU.D.O.でギターを使い分けているようですね?
DD:そういうことになるね。
AS:うん。ついさっきも、そのことでギター・テクと30分ぐらい話し込んでいたばかりだ(笑)。
DD:僕はアイバニーズを2本持ってきた。ダークシュナイダーでは、あまりテクニカルなプレイを求められないから“Iceman”を使っていて、U.D.O.のセットでは“AZ”を使う。U.D.O.がテクニカルだというワケじゃないけど、“Iceman”ってハイ・ポジションが弾き易いギターではないし、どっちかというとバッキング向きだと思ってさ。一方、比較的テクニカルなソロを弾くことが多いU.D.O.では、必然的に“AZ”を弾くことになる。いつも同じじゃないけどね。
実際、U.D.O.のショウで“Iceman”を弾くこともあったんだ。’18年から使い始めた凄く気に入っているギターで、僕にとっては完璧だから、サウンド・チェックの時、(アンドレイに)「このギターをずっと弾いていたいな」と言ったぐらいでね。まぁ、どのギターを弾くのかは、自然と決まっていくものさ。今回のオーストラリアと日本でのショウでは、ダークシュナイダーでは“Iceman”、U.D.O.では“AZ”ということになっただけだ。
AS:俺の場合、彼とは逆で、ダークシュナイダーの方がソロを弾く場面が多い。しかも、クラシカルなスタイルを多用し、アームも必要になってくるから、ゼブラ・カラーのESP(“M-II”)が最適なんだ。ダークシュナイダーのセットには、クラシックなロックンロール・サウンドがよく合う。あまりクレイジーな歪みは必要なくて、常にコントロール出来るぐらいの──クランチとディストーションの中間ぐらい…といったところだな。一方、U.D.O.ではLTDの“Deluxe EC-1000”を弾く。
今ライヴではケンパー“Profiling Amplifier”を使っていて、それぞれのギターのために完璧なプリセットを用意しているんだけど、これまで弾いたことがなかったLPシェイプを試してみたら、U.D.O.のサウンドにぴったりハマってさ。俺はこれまで、何故かスーパー・ストラト的なギターをよく弾いていて、「ちょっと(他のギターも)試してみるか」と、U.D.O.で(“EC-1000”を)弾いてみたところ、凄く良い結果が得られたんだ。ウドからも、「良いギターだな」と言われたよ。でも実は、よく知らないヤツから買ったギターだったりするんだ(笑)。
DD:知らないヤツからギターを買うのって…よくあるよね。僕の“Iceman”も中古だったし。
AS:俺は今、ESPと良好な関係を築いていて、必要とあらば、いつでもギターを送ってくれる。だけど、未だに自分でもギターを買うことがあるんだ。「おっ、コレはイイぞ!」と思ったら…ね。今でも10代の頃の心が残っているというか(笑)。
YG:永遠のギター・キッズですね! 正にヤング・ギター(笑)。
AS:ああ、その通りだ!(笑) でも、それって大事なことだよ。俺達にとってギターとは、大事な商売道具でもあるんだからさ。俺はいつだって、自分が求めるギターを100%把握している。だから、これぞ…というモデルを見つけたら、「よし! これしかない!!」という気持ちになって、買わないといられないんだ。今回はダークシュナイダー用とU.D.O.用をそれぞれ用意したけど、俺はいつも必ず2本のギターでライヴに臨む。つまり、メイン・ギターが1本と予備が1本で、ダークシュナイダーで弾いているゼブラ・ギターが通常メインなんだけど──今回は、それぞれがメインで、尚かつどっちもバックアップでもある…ということになっているんだ(笑)。
DD:飛行機移動が伴うツアーだと、持っていけるギターが限定されるからね。でも、(車移動の)ヨーロッパ・ツアーの時は違う。
AS:そうそう。前回のヨーロッパでは、俺は5本持って出たんだっけ? 3曲弾いたら、テクが次のギターを渡してくれる…といった、贅沢なシチュエーションだったな(笑)。
YG:残念ながら、ここで時間切れとなってしまいました。
AS:そうなのかい? 俺達はもっとやれるけど。
YG:いや、既に開演時間まで30分を切ってますので…。
AS:他にも訊きたいことがあったら、メールでもしてくれ。今日はありがとう!
DD:読者のみんなにもよろしく伝えておいてね!!