HELLOWEEN／ハロウィン：７人編成による初アルバム、全キャリア集大成の完成度を誇る第16作

世界中が大熱狂した“Pumpkins United”ワールド・ツアー終幕から２年半──７人編成による初アルバムがいよいよリリース！　オリジナル・スタジオ・フルレンスとしては『MY GOD-GIVEN RIGHT』（’15年）以来となる第16作で、先行公開曲「Skyfall」と「Fear Of The Fallen」で昂揚しまくった気分をさらに高めてくれること間違いナシの素晴らしい仕上がりだ。以前カイ（g）は「“Keeper-Vibe”があるのは“Skyfall”だけかも」と言っていたが、冒頭のヴァイキー（g）曲「Out For The Glory」からもう“らしさ”全開！　当然、アンディ（vo）やサシャ（g）の個性も健在だが、メンバー全員でみっちりプリプロを行なったことが奏功し、まさにバンドの全キャリアを集大成したかのごとき完成度が凄い。

チャーリー・バウアファイントの提案によりギタリスト３人が持つアイデアは何でもライヴのスピリットを捉えるためすべて録音されたそうで、ギター・パートの充実っぷりもハンパない。サシャはカイのちょっとしたフィルやヴァイキーのベンディングの重要性を強調していたが、確かにメイン・ソロだけでなく短いハーモニーやオブリ・フレーズがまた絶妙だったりする。

2CD“完全版”には本編未収録３曲と「Pumpkins United」が追加。サシャの疾走曲「Golden Times」はそっちでしか聴けないし、マーカス作のロケンロー「We Are Real」は日本盤のみ！

【文】奥村裕司