PreSonus Notion 5 実用ガイド 〜目指せ!! 譜面の達人〜

PreSonus Notion 5 実用ガイド 〜目指せ!! 譜面の達人〜

STEP 2 ギター&ベース&ドラム譜の作成に必要な知識を憶えよう! パート2

ギターとベースの音域に注意

音域に関して、簡単に説明しておこう。大前提として知っていてほしいのが、「ギター譜はト音記号で書かれるが、ベース譜はヘ音記号で書かれる」ということだ。ト音記号とヘ音記号の違いは、簡単に言えば「高い音を弾くか、低い音を弾くか」の違い。特にギタリストにとって、ヘ音記号に慣れないうちは戸惑うかも知れないが、「ト音記号でのC音(ド)の位置がヘ音記号でのE音(ミ)」…と憶えておくといいだろう。

8va記号についても確認。ギターは音域が広く、12f以上のフレーズなどを譜面に書くと加線ばかりで非常に見にくくなる。それを解消するのが8va記号であり、「表記された音符の1オクターヴ上を演奏する」と覚えておくといいだろう。また逆に1オクターヴ低く弾く、8va bassa記号も存在する。8弦ギターなどの場合はこちらを併用するのも便利だ。

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●タブ譜を見れば分かる通り、ベースとギターのシンプルなユニゾンだが、五線譜上で見るとト音記号とヘ音記号でこれだけの違いがある。

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●8va記号を使用していない下段は、加線が多く読むのが大変だ。8va記号を使った上段は、全く同じフレーズだが非常に見やすくなっている。

プリセットでドラムも楽々

“Notion 5”はドラム譜の制作も簡単だ。音符をマウスで貼り付けていくことも可能だが、分かりやすくてオススメなのが、バーチャル・ドラムパッドを用いる方法。パッド上にはキック、スネア、ハイハット…などの名前が書かれており、音符の種類を選んでからクリックしていくだけで次々と譜面が書かれていく。

また様々なプリセットもあらかじめ用意されており、ジャンルを選んで気に入ったビートを並べるだけで、1曲分のドラム譜を書いてしまうことも可能だ。まずはモチベーションが高いうちに大まかな形を作り、後で細かくエディットする…というやり方が、スピーディーに制作を進めるコツ。細かい所にこだわり過ぎて途中で曲作りが止まってしまう時など、ぜひ活用してほしい。また外部のMIDI機器を接続し、メトロノームに合わせてリアルタイムで入力することも可能。打ち込みに自信のある人にはオススメだ。

ドラム譜

●ドラムも通常、五線譜を用いて表記する。音程はキット内のピースをそれぞれ示しており、第1間がキック、第3間がスネア、上第1間がハイハット、その上がシンバル…といった具合。タムは高い方から、第4間から第2線にかけて表記する。ちなみに“Notion 5”ではピースごとに声部を分けて記載することも可能で、一般的には「手で叩くものは上旗、足で踏むものは下旗」という基準で表記する。

バーチャル・ドラムパッドとライブラリ

●左側がキックやスネアなどに分けられたバーチャル・ドラムパッド。右側にはプリセットを選べるライブラリが用意されており、音楽ジャンルを選択すると様々なフィルやビートのパターンが表示される。いずれかをマウスでドラッグし、五線上の任意の場所に配置すればOK。

ドラム譜

●プリセットだけを並べて作ったドラム譜の例。ピンと来たビートを並べて曲を制作し、このようにある程度全体の形が見えて来たら手を加え、自分の思い通りのビートに改造して行く方法が手っ取り早いだろう。

強弱の調整で表現力アップ

バンドのリハーサル時、「そこの“あなたに〜”って歌詞のジャーン!ってコードから、もっとグワーッと盛り上がる感じで…」とか「ドラムのダダトトっていうフレーズから段々と小さくなって行く感じで…」といった具合に打ち合わせしたことはないだろうか。言葉にすると時間が掛かるこんな意志疎通も、譜面にクレッシェンドやデクレッシェンド、フォルテやピアノといった強弱記号を加えておけば万事解決。演奏する側も「なるほど、ここで盛り上がってほしいんだな」「ここで一旦落ち着かせたいんだな」と作曲者の意図を理解しやすくなり、演奏もまとまって来るだろう。ただしあまり細かく強弱記号を付けると見にくくなるので、「ここはどうしてもこう弾いてほしい!」という箇所だけ指定するようにしたい。慣れて来ると細かく書き込んでしまう傾向にあるので、注意だ。

もちろん“Notion 5”では、こういった強弱記号もきちんとプレイバックに反映される。音を聴きながら「もう少し後からクレッシェンドした方がいいかな?」みたいに調整することも可能。上級者になれば、音符ごとに細かく強弱を調整することもできるので、コダワリのフレーズがある場合は積極的に活用したい。

ちなみに“Notion 5”には、WAVファイルを譜面に貼り付けるという裏技も存在する。「譜面に書くと大変だけど、メンバーに音だけでも雰囲気を伝えたい」という場合、手持ちのループ素材を貼り付ければ譜面のプレイバックと混ぜることができてしまうのだ。

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●ピアノ〜ピアニッシシシモ、フォルテ〜フォルテッシシシモ、テヌート、メゾスタッカートなど馴染みのあるものから、ロック系ではあまり見かけないスフォルツァンドなど、多種多様な強弱記号が用意されている。調べてみると新たな発見があるだろう。

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●説得力のあるメロディやフレーズには、想像以上に強弱が付いているものだ。音符ごとにダイナミクスを付ける機能を活用すれば、表現のいい勉強にもなるだろう。