BOSS 200 Series〜200%のポテンシャル〜 feat. TJ & DAIKI / HER NAME IN BLOOD

BOSS 200 Series〜200%のポテンシャル〜 feat. TJ & DAIKI / HER NAME IN BLOOD

EQ-200 グラフィック・イコライザー
2系統のイコライザーでサウンドを強力補正

EQ-200

EQ-200:メモリー
2つのチャンネルを切り替えられ、セッティングは4種類保存が可能。メモリーしたセッティングはフット・スイッチで演奏中にも瞬時に呼び出せる。
EQ-200:バック
INPUTとOUTPUTの端子はそれぞれ2系統。ステレオ出力仕様のエフェクターを接続することに対応している。エクスプレッション・ペダル接続用端子も搭載。

EQ-200:スライダー(通常)

EQ-200:スライダー(変化)

写真1はすべてのスライダーがフラットな状態。写真2のようにスライダーを動かすと、下にあるディスプレイが変化。各周波数帯の状況を視覚的に確認できる。

セッティングを瞬時に呼び出し

“EQ-200”は最大で±15dBのブースト/カットが可能な10バンドのグラフィック・イコライザー。各帯域に対応したスライダーを個別に動かすことで音質を緻密に補正するわけだが、このペダルが画期的なのは、スライダー下のディスプレイに現れる周波数帯のレベル・メーターだ。そもそもグラフィック・イコライザーというものは、スライダーによって視覚的に各帯域の状態を把握しやすくしたディヴァイスだが、本機の場合はこのディスプレイがあることで、全体がどういったサウンド・メイクになっているのかがより分かりやすく可視化されている。

このペダルも4つのメモリーにセッティングをプログラムできるのだが、これは多くのギタリストが待ち望んでいた機能ではないだろうか。ある曲をプレイする時はイコライザーを使って音質を補正したが、他の曲ではまた別のセッティングにしたい。従来であればそんな時は逐一スライダーを動かしてセッティングし直す必要があったわけだが、ライヴの現場で使う時にはそういった手間を省きたいもの。その点、本機ならプリセットしておいたセッティングをメモリー機能で呼び出せば一発で変更可能なわけだ。

また“EQ-200”は10バンドのイコライザーが2系統搭載されており、CHANNELボタンを押すことでAとBという2種類が切り替えられるようになっているため、実質的に2台のペダルを1つの筐体で使い分けられるのだ。MEMORYとCHANNELのボタンを同時に押すとメニュー画面が呼び出され、ここでSTRUCTというパラメーターを選択すると、様々な接続方法が選べるようになる。AとBで同じセッティングを連動させた上で本機の2系統のOUTPUTから2台のアンプにステレオ出力したり、歪み系などの外部エフェクターをOUTPUT AとINPUT Bに接続して、プリEQのAを通した音と、外部エフェクト&ポストEQのBを通した音を同時に出力したり…。また外部エクスプレッション・ペダルでヴォリュームを調節できるようになるなど、豊富な入出力端子を駆使して多種多様なシステムを構築することができるのだ。

プロ向けの品質と簡単な操作性

外部エフェクトを何もつながずにギターと“EQ-200”をアンプにプラグ・インして間もなく、「これはペダルボードに常備しておきたい!」という気分にさせられた。なにしろスライダーの動作に連動して補正したい帯域が非常にスムーズに変化してくれるのだ。従来のコンパクト・タイプのイコライザーには、上げたい帯域のスライダーを動かすと隣の帯域までつられて少し上がってしまうというものも少なくなかったが、本機の場合はそれがない。これはプロフェッショナルなレコーディング・スタジオで使用されるコンソールと同等のクオリティと言っていいだろう。機能的に言えば完全プロ・ユースなペダルだが、むしろこれまでイコライザーに触れたことがないというビギナーにもオススメしたいぐらい操作性は極上だ。

余分な低音をカットして中域を押し出したり、はたまた強烈なドンシャリにしたりと、セッティングは自由自在。プレイする現場によって使うアンプが頻繁に変わってしまうというセッション系ギタリストなら、このペダルは必需品になるだろうし、音作りに悩んでいる人の大きな助けにもなるだろう。BOSS製グラフィック・イコライザーと言えば“GE-10”という歴史的名機があり、コンパクトな7バンドの“GE-7”もプロ/アマを問わずギタリストの間で長く愛されている。それらで培った技術を踏襲しながら、さらに現代的に、最強レベルまで引き上げた驚異的な逸品だ。

HNIB’s IMPRESSION:劇的にパンプ・アップされたパワフルな歪みサウンド

EQ-200:試奏中

“EQ-200”はまずは基本的な操作法を把握してから、“OD-200”を前段に直列につないで試奏。元々ペダル・サイズのグラフィック・イコライザーは使ったことがないという2人だったが、それだけにこのペダルでどれほどの効果が得られるのか、特に気になっていたとのこと。

“OD-200”だけでも非常に強力なサウンドを構築した上に“EQ-200”でさらに強化補正する形になったが、効果のほどは圧倒的。“OD-200”でしっかり作り込まれていたサウンドはさらにレンジが広くなり、なおかつガツンと突き抜けるパワーが一気に増幅されていたのである。さらに出荷時にメモリーされていた「アコースティック風に調節できるプリセット」を使ったDAIKIはクリーン・サウンドのコード・アルペジオを弾き「これは使える!」と、またTJは「いいプリセットがあったらデータを配信してほしい!」と、それぞれに興奮気味であった…。

DAIKI’s Setting◆アコースティック的なクリーン

EQ-200:DAIKI

EQ-200:DAIKIセッティング
“OD-200″をオフにしたクリーンな状態でアコースティック・ギター的なサウンドをシミュレートしたセッティング。

TJ’s Setting◆歪みサウンドの音の粒をさらに明確に

EQ-200:TJ

EQ-200:TJセッティング
“OD-200″で作ったDISTのサウンドを強化。中域がさらにくっきりして、1つ1つの音をより明確に出力する。

DAIKI:基本的なところなんですけど、各スライダーをフラットにしている状態でエフェクトをオン/オフした時に、音質が変わらないのが素晴らしいですね。だから音作りが凄くしやすい。あとは何と言ってもディスプレイですね。これは操作していて音色がどう変化しているのかが分かりやすいし、ライヴ・ステージみたいな暗いところでも見やすくなっている。どこでもスムーズに操作できますね。

TJ:イコライザー・ペダルというものをあまりいじったことのない俺でも、ディスプレイのおかげですぐに慣れました。音を出しながら、ちょっとスライダーを動かしただけでも「こんなに効果があるのか!」って実感できたのは、結構ビックリでしたね(笑)。PCのエディターで音色をいじるような作業は自分でもやりますけど、このペダルはそれ以上に細かい変化が分かる。なのでいじるのが楽しいですよ。開放弦を鳴らしながらスライダーを動かすだけでも好みの音が見つけられて、音作りをするのが苦じゃなくなりますね。