BOSS“GT-1000CORE” 〜濃縮型最強ディヴァイスの使用法指南〜

BOSS“GT-1000CORE” 〜濃縮型最強ディヴァイスの使用法指南〜

プリアンプ込みで総合的にギター・サウンドをデザインすることができるマルチ・エフェクト・プロセッサーに関して、一日の長を持つブランド、BOSS。

同社から新たにリリースされる“GT-1000CORE”は、てのひらサイズのボディーの中にフラッグシップ級のサウンドを膨大に収めている、小さな巨人と称すべきものだ。

そのとてつもない実力を、ここから5ページに渡って徹底的に検証していくことにしたい。

“GT-1000 CORE”はそのネーミングの通り、BOSSのフロア・マルチ・エフェクト・プロセッサー最上位モデルである“GT-1000”の核(コア)を抜き出して小型化したような機種だ。“GT-1000”に比べるとサイズは半分以下で、ほぼコンパクト・ペダル2台分。ボードに入れてもスペースを取らず、卓上でも使いやすいデザインを実現している。

その一方で内蔵されているエフェクトやパラメーター、組み合わせ方などは全く同じであり、もちろん96kHzサンプリング、32ビットAD/DA変換、32ビット浮動小数点演算による内部処理といったDSPのスペックも全く同等。主な違いは写真を見ればお分かりのように、まずエクスプレッション・ペダルがなくなり、フットスイッチの数も減ったことだ(もちろん寸法と重量が小さくなっていることは言うまでもない)。ただ“GT-1000CORE”は外部エクスプレッション・ペダルを接続するための端子を2つ搭載しているので、ワウやヴォリュームといったエフェクトのコントロールも全く問題なく行なうことが可能だ。フットスイッチに関してはもちろん多ければ多いほど、ライヴなどでの頻繁な音色切り替えにスムーズに対応できるが…、たとえ外部フットスイッチを接続せずとも、“GT-1000CORE”は操作性がばっちりと考え抜かれているので、これも問題なし。楽に収納できるコンパクトなサイズである分、むしろよりライヴ向きになったと言えるかもしれない。

また“GT-1000CORE”はXLR OUTがなくなってはいるが、実はステレオ入出力対応だったり(“GT-1000”はモノラル入力&ステレオ出力だった)、センド/リターン端子がそれぞれSUB OUTPUT、AUX INとしても使えるようになっていたり…と、機能的な面では決して縮小されていない。むしろより洗練された設計のようにも感じられた。

BOSS GT-1000CORE
“GT-1000”に比べるとサイズは半分以下で、ほぼコンパクト・ペダル2台分という小型化を実現。ボードに入れてもスペースを取らず、卓上でも使いやすいデザインだ。

GT-1000CORE 背面
“GT-1000”はモノラル入力だったが、“GT-1000CORE”ではステレオ入力に変更され、ステレオ・エフェクトの後段にも接続可能となった。もちろんギター以外への活用も容易だ。

GT-1000CORE 側面
ワウやその他のリアルタイム操作系エフェクトに用いる、外部コントローラー用の端子を搭載。MIDI接続はMIDI-TRSケーブルを使用する。
BOSS / GT-1000CORE Guitar Effects Processor

●外形寸法:173(W)×135(D)×63(H)mm
●重量:920g
●同時使用エフェクト数:24
●メモリー数:250(ユーザー)+250(プリセット)
●接続端子:INPUT(R/MONO、L)、SEND1、RETURN1、SEND2、RETURN2、OUTPUT(R/MONO、L/PHONES)、CTL2,3/EXP1、MIDI(IN、OUT)、CTL4, 5/EXP2、USB、DC IN
●ディスプレイ:グラフィックLCD(256×80ドット)
●価格:オープン・プライス

GT-1000

GT-1000
2018年にリリースされて以来、BOSSフロア型エフェクト・プロセッサーの頂点として君臨するモデル。外部機器の接続端子も備えているものの、基本的には1台ですべての音作りが完結する、まさにオール・イン・ワンの万能機種だ。