BOSS“GT-1000CORE” 〜濃縮型最強ディヴァイスの使用法指南〜

BOSS“GT-1000CORE” 〜濃縮型最強ディヴァイスの使用法指南〜

INTRODUCTION “GT-1000CORE”の基本を知る

ここでは“GT-1000CORE”のベーシックな操作方法や、信号の流れなどを見て行くことにしよう。まず基本となるのは、あらかじめプログラムしたプリセット・パッチを本体の左側と中央のフットスイッチ(▲アップと▼ダウン)で切り替えていくMEMORYモードだ。本体右下のCTL1スイッチには様々な機能をアサインすることが可能で、例えばパッチ内の歪み系エフェクトをオン/オフすることで2つの音色を切り替えたり…といったこともできる。

MEMORYモード
MEMORYモードではあらかじめプログラムされたプリセット・パッチを、フットスイッチで順番に呼び出す。主要なパラメーターは5つのノブにアサインされている。

右側と中央のフットスイッチを同時に踏むと、MANUALモードに切り替えることができる。このモードではプリセット内に組み込まれているエフェクト類を3つのフットスイッチに対応させ、オン/オフしたり機能を切り替えたりといったことができる。

MANUALモード
MANUALモードではプリセット内に組み込まれているエフェクト類を、3つのフットスイッチで直接オン/オフしたり機能を切り替えたりできる。
フットスイッチ
2つのフットスイッチを同時に踏むことで、MEMORYモードとMANUALモードが切り替わる。

そしていずれのモードでも、本体右上付近に搭載されているEFFECTボタンを押すことで、いつでもエフェクト・チェインを見ることができる。この画面でプリアンプやスピーカー・シミュレーター、その他の様々なエフェクトを並べ替えることで、非常に自由に音作りを行なうことが可能だ(同時に使用できるエフェクトの数は何と最大で24!)。詳しくは当ページの中央に掲載しているエフェクト・チェインの例を見てほしいが…、この中で特徴的な機能が、まずディヴァイダー(DIVIDER)とミキサー(MIXER)。これは信号の経路を2つに分岐して別々に処理し、再び合流させる機能だ。例えば「ブティック・アンプ系のクリーン」と「ハイ・ゲイン・スタック系の歪み」を別々にセットし、瞬時に行き来したりミックスしたりといったことも可能。そしてもう1つチェックしておきたいのがMAINとSUBという2つの出力だが、こちらは3ページ目でより詳しく解説することにしたい。

エフェクト・チェイン
本体のEFFECTボタンを押すと画面にエフェクト・チェインが表示され、本体のSELECTダイヤルでそれぞれをオン/オフしたり移動させたりといったことが可能。

GT-1000COREのエフェクト・チェインの例(マウスのカーソルやタップで拡大可能)
エフェクト・チェイン2

内蔵エフェクト

“GT-1000CORE”に内蔵されているエフェクト類は、表Aのように膨大だ。この表の中でも特に注目しておきたいのはBOSSならではのAIRD PREAMPで、最先端の技術によって23種類のプリアンプが再現されている(AIRDについては後で詳しく解説する)。その完成度と音質はもちろん、プロがそのままレコーディングやライヴで使用できるグレードであることは言うまでもない。

さらにFX1〜FX3のブロックでは、それぞれ各33種類ものエフェクトから自由に選ぶことができる。ここにはかなり個性的なエフェクトがそろっている他、例えばコンプレッサー、ディストーション、コーラスといった、別で用意されているエフェクトを重複して選択することもできる。

いずれのエフェクトも、本体の画面の下に搭載されている5つのノブ、そして本体右上のボタン類を組み合わせることで、直感的にパラメーターを変更可能(今一度1ページ目の本体写真を御覧いただきたい)。高機能なのに操作は簡単、これも“GT-1000CORE”の魅力の1つだ。

表A■内蔵エフェクトetc.のリスト

★COMPRESSOR
(6種類)

BOSS COMP
X-COMP
D-COMP
ORANGE
STEREO COMP
X-BASS

★DISTORTION
(35種類)

CLEAN BOOST
TREBLE BOOST
CRUNCH
NATURAL OD
WARM OD
FAT DS
LEAD DS
METAL DS
OCT FUZZ
A-DIST
X-OD
X-DIST
BLUES OD
OD-1
T-SCREAM
TURBO OD
DIST
CENTA OD
RAT
GUV DS
DIST+
METAL ZONE
HM-2
METAL CORE
’60S FUZZ
MUFF FUZZ
BASS OD
BASS DS
BASS MT
BASS FUZZ
HI BAND
X-BASS
BASS DRIVE
BASS DI

★AIRD PREAMP
(23種類)

TRANSPARENT
NATURAL
BOUTIQUE
SUPREME
MAXIMUM
JUGGERNAUT
X-CRUNCH
X-HI GAIN
X-MODDED
JC-120
TWIN COMBO
DELUXE COMBO
TWEED COMBO
DIAMOND AMP
BRIT STACK
RECTI STACK
MATCH COMBO
BG COMBO
ORNG STACK
BGNR UB METAL
NATURAL BASS
X-DRIVE BASS
CONCERT

★NOISE SUPPRESSOR
(1種類)

★EQUALIZER
(2種類)

PARAMETRIC
GRAPHIC

★DELAY1〜4
(1種類)

★MASTER DELAY
(15種類)

MONO
PAN
STEREO1
STEREO2
ANALOG
ANALOG ST
TAPE
REVERSE
SHIMMER
DUAL
WARP
TWIST
SPACE ECHO
ECHO PX
BIN ECHO

★CHORUS
(4種類)

MONO
STEREO1
STEREO2
DUAL

★REVERB
(10種類)

HALL2
PLATE
ROOM1
ROOM2
AMBIENCE
SPRING
SHIMMER
DUAL
TERA ECHO

★PEDAL FX
(2種類)

PEDAL BEND
WAH

★FOOT VOLUME
(1種類)

★DIVIDER
(1種類)

★MIXER
(1種類)

★SEND/RETURN
(1種類)

★LOOPER
(1種類)

★SPEAKER SIMULATOR
(スピーカー13種類)

ORIGINAL
1×8″
1×10″
1×12″
2×12″
4×10″
4×12″
8×12″
B1x15″
B1x18″
B2x15″
B4x10″
B8x10″
(マイク5種類)
DYN57
DYN421
CND451
CND87
FLAT

さて、“GT-1000CORE”内のプリアンプの基本となっているBOSS独自の技術、AIRDとは何だろうか? この技術の基盤は、“WAZA Amp”などのアンプを開発する過程で得られた真空管アンプに対する深い理解と知識、そしてそこで培われた“Tube Logic”という設計コンセプトだ。

ここで図1を見てみよう。これは真空管アンプ内部の基本的な信号の流れを示したもので、上から下に向かうにつれて信号が増幅され、最終的にスピーカーから出力される。ただ実際は単純にまっすぐ信号が進むわけではなく、例えばスピーカー部から戻って来る信号が、前段の出力トランスやプリ/パワー管に大きな影響を与えたりする(しかもこの信号は音量変化に伴って随時変わる)。同じような相互作用が回路の各部で起こっており、良くも悪くもこれらの影響が、真空管アンプ特有のサウンドを作っているわけだ。

“Tube Logic”によるアンプ設計では、出力トランス、バイアス回路など、各部の相互作用を綿密に解析し、スピーカー・キャビネットの様々な特性も含めてチューニングしている。これらをDSPを用いてアンプ・プロセッサーで実現する技術技術がAIRDだ。しかも“GT-1000CORE”はアンプやミキサー、レコーダーなど、後段に接続する機器が変わっても、適切に設定することで常に最大のパフォーマンスが発揮できるように設計されている。

図1■アンプ内部の基本的な仕組み
図1■アンプ内部の基本的な仕組み