時は’80年代後半から’90年代初頭の日本──スキー・リゾートに海外旅行、クリスマス・ホテルに“マハラジャ・ジュリアナ”のディスコ、ウォーターフロント、ポケベル、TVゲーム、高級車、トレンディ・ドラマにバンド・ブームetc.…、まさに空前の好景気に沸きまくっていたあの“バブル時代”も今は昔…。一転して長く暗い不景気のトンネルから抜け出せず、「CDが売れない」「音楽不況だ」と憂えられている現代の日本において、「あの輝かしいバブル時代をもう一度…!!」を旗印に、まばゆいばかりのボディコンに身を包み、ゴージャスかつリッチ、スケベでデ〜ハ〜な音楽を轟かせる地下セクシー・アイドル/ロック・ユニット:ベッド・インが、まさかのメジャー・デビュー!!
「何だこのイロモノは!?」「ホントにギター弾いてるの?」「どうせマクラ営業だろ!」なんて声も聞こえてきそうだが(一部妥当)、いやいや…彼女達のメジャー・デビュー作『RICH』には、“おみ足担当”益子寺かおり(vo)&“パイオツカイデ〜担当”中尊寺まい(g, vo)の2人によるパワフルかつ妖艶なツイン・ヴォーカルを軸にした、ハードなギターやきらびやかなシンセが鳴り響くポップでファンキーでダンサブルでセクシーでロックな本格的ナンバーがギッシリ!
長きに渡る音楽不況をバブリーにくつがえす(…と期待!!)、唯一無二の“ボディコンロック・クイーン”の登場だっ!!
ウチらは元々別々のバンドで活動していたバンドマン○なんです(かおり)
益子寺かおり:まさか、ヤング・ギターさんに取材していただけるなんて、夢がMORI MORI〜♥ 私、今はピン・ヴォーカルに転向しちゃったんですけど、昔はバンドでギター&ヴォーカルを担当していたので、ガラスの十代の頃にはヤング・ギターも愛読してたりして…♥ 中学生の頃にギターを始めたんですけど、きっかけが近所に住んでいたメタル好きのオジちゃんに「ランディ・ローズを聴いてみな」ってカセットテープをもらって…それからメタルにズッポシ、ハメハメされちゃったんですぅ♥。
中尊寺まい:きゃ〜のきゃ〜の♥ ちゃんまいもマンモスうれP〜♥ ちなみに私は中学生の頃にギターとの初体験(チョメチョメ)を済ませまして♥ …なので、まさかヤング・ギターさんに取材されるなんてあの頃の自分からすれば“やまだかつてない“大チン事でございます♥
YG:ランディ・ローズは僕にとってもフェイヴァリットなギター・ヒーローの1人ですよ。
かおり:ああん、ぶっとびぃ〜! 編集長に“チン”パシー感じちゃう〜〜♥ もしかして、ベッドの上での相性もグンバツかも…?♥
YG:……え〜、7月27日にリリースされたアルバム『RICH』で遂にメジャー・デビューを果たしたわけですが、まずは今のお気持ちから聞かせていただけますか?
かおり:ハァ〜〜ン♥ マン激すぎて、心の“億ション”がおっ勃っちゃった♪
まい:もうまさに、顔射、マン激、サネあられ〜♥でございます♥
YG:インディーズでシングルを3枚リリースして早くもメジャー・デビュー…なかなかのエリート・コースですね?
まい:薄汚いチンデレラ・ストーリー? なんちて♥ ま、実際はウチらのマンパワーを駆使したおマクラ営業の成果っていうか♥
かおり:ウチら、肉食だ・か・ら♥ キングレコードのマル金パパ達とおマクラ大性功〜♪
YG:そもそも、お2人がベッド・インを結成することになった経緯を教えていただけますか?
かおり:ウチらは元々別々のバンドで活動していたバンドマン○なんです。私は少しプログレ要素もある場末感Mung Mungな歌謡ロック・バンド“妖精達”で作詞作曲とヴォーカルを担当していて。そのバンドと、まいが当時やっていた“例のK”というバンド(ブラック・サバスと演歌が混じったようなリフ重視の雑食パンク・バンド)でライヴハウスで対マンする形になりまして…。
まい:対バンならぬ対“マン”ってやつぅ〜?♥
かおり:それで終演後に、カフェバーみたいにシャレオツなバーカウンターで2人で話している時に「バブル顔って言われない?」ってモッコシモコモコ盛り上がっちゃって。
YG:その“バブル顔”っていうのは、どういう顔のことを指すんですか?
かおり:私は元C.C.ガールズの青田典子さんに似てるってずっと言われてました♪ 中学生くらいから「昭和顔だね」とか「リアクションが古い!」とかもよく言われてたり(笑)。
まい:私は“お立ち台の女王”と呼ばれた荒木師匠にクリソツってよく言われてまして。周りからはよく「バブル顔だよね」って言われてたんです。当時、私のあだ名は“師匠”とか“昭和”でしたから!(笑)。
かおり:それで最初は単なる飲み友達だったんですよ。イタ飯食べて…。
まい:ティラミス食べて…♥
かおり:一緒にボディコン着てオケカラでタ〜ウ〜してぇ〜♥ そんなことをしているうちに、「死ぬまでに写真集を作りたいね」って話になったんです。C.C.ガールズさんとかギリギリガールズさんとか当時のセクシー・アイドルさんに凄く憧れがあったので、リスペクトの想いも込めてそういう写真集を作ろうと。周りのバンド仲間に協力してもらって、一緒にシコシコ作って自費出版したんですよ。
まい:それから、その写真集発射記念のおギグをやることになったんです!
YG:音楽活動もすると決めた時に、お二人だけのユニットではなく、バンド形式でやることは考えませんでしたか?
まい:当初はまだお互いにそれぞれ別のバンドで活動していたので、この2人では“地下セクシー・アイドル”としてあくまでも“アイドル”っぽいことがしたかったんですよね。だけどやっぱり2人ともバンド畑の人間なので、それだけじゃマン足し切れなくなってしまって♥ そこで、バンド・メンバーを集めることになりました。当時はまだオリジナル曲がなかったので、SHOW-YAさん、浜田麻里さん、アン・ルイスさん、本田美奈子さん、久宝留理子さんといったロック姐ちゃん的な方々のカヴァーなんかをやっていたんですけど、それが予想外に“欲しがる声”をいただいて…♥
かおり:それでライヴハウスに呼んでいただく機会も増えたので、オリジナル曲を作ろうってことになり、8cm短冊シングルCD(『ワケありDANCE たてついて』/’14年)を自主制作したんですけど、これがまたしても思ったよりも反響をびんびん物語にいただいちゃって、クリビツテンギョ〜!
まい:このシングルの時、私はまだ(ベッド・インでは)ギターを弾いてなかったんですけど、今までピン・ヴォーカルの経験もなかったし、どうしても手持ち無沙汰になってしまって…おギグを重ねるにつれて、熱量や気持ちの落としどころが分からなくなってしまったんです。ちゃんまいはやっぱりギターとハメハメしている時が一番ABCDE気持ちなことに気付いて、それからはずっと弾いています♥
かおり:元々お互いバンドマン○ということもあるので、おギグで君は1000%…いえ、マン%の力を発揮できるのがやっぱりバンド形式だったりするんですよね。根本がロック姐ちゃんなので、私も爆音のナマ音の中で歌う方が戦闘能力が俄然アガるというか。なので、最近ではバック・バンド“パートタイムラバーズ”を従えたバンド形式でおギグをヤラせてもらうことが多くて。あとはたまにバッキング・トラックを流して、まいがギターを弾きつつのユニット形式でおギグをすることも。これを“KIX-S形式”って呼んでるんですけど…その時々に合わせた形式でヤラせてもらってます♥
——編註:KIX-Sは’90年代に活動していたヴォーカルとギターの女性2人によるユニット——
YG:3枚のシングル・リリースを経て、今回の『RICH』は初フル・アルバムとなったわけですが、どういった作品にしようと考えていましたか?
かおり:『♂×♀×ポーカーゲーム』(2ndシングル/’15年)や『C調び〜なす!』(3rdシングル/’15年)を出した時にも、シングルにはできないけど、アルバムとして絶対にやってみたいなっていう曲が結構あったんですね。今回1stアルバムということもあって、誰が聴いても“バブル文化をリスペクトしている地下セクシー・アイドル”だと分かるような、名刺代わりになる作品にしようということになって。そこを基準に今までのデモを総ざらいしつつ、レコーディングする曲を選んでいきました。中には結構アレンジを変えたりしたものもあって、例えば1曲目の「GOLDの快感」は元々ミドル・テンポでそこまで勢いのある曲ではなかったんですけど、アルバムのリード曲としてはブイブイに攻めている感じがほしかったので、テンポを速くして攻撃的な感じにしたり、シンセの音色をもっと当時っぽいサウンドにしてもらったり。7曲目の「ROSA -魅惑のバリライト-」もパーカッションとかが入ってラテンっぽい雰囲気になっているんですけど、元々そういう要素は一切なかったんです。だけどあの当時のKATSUMIさんや久保田利伸さんがやられていたようなラテン調の曲をずっとやってみたいなと思っていたので、そういう要素を挿入してもらったりしました!
YG:歌詞も含めて、徹底的に“バブル文化”にこだわっているわけですね。
まい:そうですね。あと現代の楽曲で多いのがヴォーカルにヴォコーダーをかけて楽器の一部になってしまっていたり、全体的に抑え気味になっていたりすることが多いと思うんですが、当時の感じを出すためにヴォーカルを前面に出すようにしたり…。けれど、ビートは現代的にしているのでナウでヤングな性徒諸クンにも耳障りの良い仕上がりになっていると思います。バブル文化をリスペクトしているからこそ、単なる焼き直しで終わらないように、自分達が掲げた“ボディコンロック”を下半身でチンキングしながら追及していまぁ〜す♥