魚住有希&宮澤茉凜/LoVendoЯ

魚住有希&宮澤茉凜/LoVendoЯ

去る7月1日にメジャー・デビューとなる最新の両A面シングル『いいんじゃない?/普通の私 ガンバレ!』をリリースしたLoVendoЯ(ラベンダー)。元モーニング娘。の田中れいな(vo)を中心に’12年に結成されたガールズ・バンドで、メンバーは全員がまだ20代の4人組だ。現在発売中のヤング・ギター8月号ではそのギター・チーム:魚住有希(ウオズミ ユキ)&宮澤茉凜(ミヤザワ マリン)の最新ツーショット・インタビューを掲載しているが、ここでは誌面未公開の[PART-2]をお届けしよう!
 

ギターが1人じゃなくて良かった…と思っています(有希)

YG:お2人は、どういう経緯でLoVendoЯに加入することになったのでしょうか?

魚住有希(以下YU):私は、通っていた音楽系の専門学校を卒業してからなんですけど、お世話になったギターの先生にLoVendoЯのオーディションがあることを教えてもらって、受けてみることにしたんです。

宮澤茉凜(以下MM):私は最初、親戚の人に「ギターをやってるんだったら、これ(LoVendoЯのオーディション)受けてみたら? 面白そうだよ」って勧められたんですけど、その時は「私なんてまだまだ…」と思って受けるつもりはなかったんですよ。でもその後、専門学校の先生にまた同じオーディションを勧められて、「ひょっとして何か縁があるのかも…」と思って、ダメ元で受けてみようと。

YG:それ以前にバンド活動などはしていましたか?

MM:一応…。コピー・バンドでしたけど。

YU:私は女子高校時代に友達とバンドを組んで、最初はコピー中心でやっていましたけど、そのうちオリジナル曲もやり始めて、学園祭で演奏したりしました。あと、私には3つ歳上のお姉ちゃんがいるんですけど、そのお姉ちゃんが大学でバンドをやっている人たちと仲良くなって、「ウチの妹もギターやっているんだよ」って紹介してくれたんですよ。それで、事前に出されていた課題曲を覚えてオーディションに行ったら、周りには大学生もいたんですけど、「君が一番うまく弾けてた」ということで高校生だった私が合格しました(笑)。その時は、「Master Of Puppets」(メタリカ/’86年『MASTER OF PUPPETS』収録)とかが課題曲でしたね。

YG:LoVendoЯのオーディションはどのように行なわれたのですか?

YU:課題曲があって、高橋 愛さん(元モーニング娘。)の曲(「自信を持って 夢を持って 飛び立つから」/’11年)を弾きました。速弾きソロもある、結構ハード・ロックな感じの曲です。

YG:事前に楽譜などが渡されたりしたのですか?

MM:いえ、そういうものはなかったです。

YU:自分たちで耳コピでしたね。

YG:それぞれどう弾きましたか? オリジナルに忠実に、それとも自分なりのアレンジを加えて?

YU:私は忠実に。

MM:私もそうでしたね。

YG:その時、お互いのプレイを見ましたか?

MM:いえ、オーディションはそれぞれ個別に(待機室とは)別の部屋でやったので。

YG:お2人が初めて顔を合わせたのはいつですか?

YU:オーディションの時です。待機室で、偶然に同じ机で向かい合わせに座ってたんですよ。それで私から話し掛けてみたんですけど、最初のうちはずっと下向いているから「何だこの子、ちょっと感じ悪いな…」って思ったんです(笑)。でも話をしていくうちに、それぞれが通っていた音楽系の専門学校が系列校で、同じ先生に教わったことがあるということも分かったりして、「仲良くなれそうだな」って。でも、本当に下ばっかり向いていたので、「この子、大丈夫かな…」とも思いましたけど(笑)。

MM:知らない人ばかりで怖かったんだもん…(笑)。

YG:たくさんのオーディション参加者がいる中で偶然会話を交わした2人が、その後、揃って合格——ちょっと運命的なものを感じませんか?

YU:そうですね!

MM: びっくりしました。

YG:オーディションの時からバンドがツイン・ギターだということは聞いていたのですか?

MM:いいえ、最初ギタリストは1人だと聞いていました。どうして2人になったのかは聞いていませんが、私はコピー・バンドをやっていた時もずっとツイン・ギターだったので、嬉しかったですね。

YU:私はシングル・ギターのバンドもツイン・ギターのバンドも経験していますけど、今はギターが1人じゃなくて良かった…と思っています。

YG:そして、LoVendoЯはミニ・アルバム『ラベンダーカバーThe ROCK』(’13年5月)でデビューしますが、これは’70年代のフォーク・ソングをカヴァーしたアルバムでした。全曲にコンパクトながらもギター・ソロが入っていますが、お2人はアレンジなどには関わっているのですか?

YU:いえ、当時は右も左も分からないような状態だったので、そういったことにはまだ関われていませんでしたね。ギター・ソロもデモの段階でかっちり決まっていたので、その通りに弾いています。ただ、その後どんどんライヴを重ねていって、慣れてきたらソロを自分なりに変えたりはしています。

YG:’14年4月には2ndミニ・アルバム『不器用』がリリースされましたが、明らかに前作よりギターが前面に出ている印象を受けます。カップリングとして魚住さんが作曲した「むせび泣く」も収録されていますし、いよいよここから本領発揮…という意識もあったのでは?

YU:そうですね。バンドとしても、個人的にも、前作からより前進したなっていう気持ちはありました。

MM:周りのスタッフの方たちも、レコーディングやミックスの時とかに「(ギターを)バンバン重くしていこう」「ガツンといこう」みたいに言ってくださって、私たちも気合いが入りましたね。

YU:「不器用」ではソロのメイン・パートをマリンが弾いているんですけど、これは1st『ラベンダーカバーThe ROCK』の収録曲で「上・京・物・語」というバラードがあって、そこでマリンが弾いたソロが凄く良かったので、「バラードだったらマリンが弾いてみる?」ってことで彼女が弾くことになったんです。この曲には私が考えたフレーズも採用されていて、2人のアイデアが色々と盛り込まれているということになりますね。

YG:そして、3rdミニ・アルバム『イクジナシ』(’14年11月)になると、ハード・ロック調のタイトル・トラック「イクジナシ」や、宮澤さんが作曲した「UNDERGROUNDER」などはギター・ソロもかなりアグレッシヴで、作品全体的にもギター・オリエンテッドな作風になっていますよね。

YU:例えば「イクジナシ」は、作曲してくださった中島卓偉さんの原曲からそんなに変わっていないんですけど、ソロに関してはデモに卓偉さんの“口ギター”が入っていて、それをコピーしてもアレンジしても良いよと言われたので、私はちょっとアレンジさせていただいたんですけど…。

MM:私は“口ギター”を完コピしました(笑)。

YG:そして今回の両A面シングル『いいんじゃない?/普通の私 ガンバレ!』でメジャー・デビューとなるわけですが、制作に際してやはり意気込みは違いましたか?
——以下、最新作『いいんじゃない?/普通の私 ガンバレ!』に関するインタビューは現在発売中の本誌’15年8月号に掲載——

 

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lovendor-yuki

Yuki’s Guitar – Ibanez:Custom RG

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●ボディー:アッシュ ●ネック:メイプル ●フィンガーボード:メイプル ●フレット数:24 ●ピックアップ:セイモア・ダンカン製“’59 model”(フロント)、“Classic Stack Plus”(センター)、“Duncan Custom”(リア)●コントロール:ヴォリューム、トーン(コイル・スプリット・スイッチ兼用)、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:アイバニーズ“Edge Tremolo Bridge”

▲魚住のためにカスタム・メイドされた“RG”タイプのギター。アイバニーズのギターは薄型ネックが特徴の1つだが、このカスタム・ギターで魚住は若干厚みと丸みのあるネック・シェイプをリクエストしている。ちなみに彼女はこの他にも、「いいんじゃない?」のMVで使用しているアイバニーズ“Prestige”シリーズの“RG2540ZEX”を基にしたカスタム・モデルと、本機と同じHSHピックアップ配列でメイプル指板だがグリーン・フィニッシュのカスタム・モデルも所有している。