毎月10日発売。月刊ギター専門誌ヤング・ギターの公式ウェブサイト。

“20年目のサマソニ”SUMMER SONIC 2019レポート!

“20年目のサマソニ”SUMMER SONIC 2019レポート!
レポート●ヤング・ギター編集部

THE DAMNED/名盤3rdで賑わせたロンドン・パンクのレジェンド

ザ・ダムド:バンド

BILLBOARD STAGEの2日目トリ前に登場したのは、ロンドン・パンクのザ・ダムド。今年は名盤3rd『MACHINEGUN ETIQUETTE』(1979年)のリリース40周年を記念し、先の北米ツアーでは同作の楽曲を中心にしたセットが組まれていたため、それを日本でも観られるかもと予想していたファンは多いはずだ。期待通りにオープニングを飾ったのは「Love Song」で、そこから間髪入れずに「Machinegun Etiquette」という最強の2連弾。キャプテン・センシブル(g)のハジき出すイントロ・フレーズは、昔より音は丸くなりながらも相変わらず殺傷能力抜群。フロアに集まったのは熱心なダムド・ファン=硬派なパンクスが多かったようで、曲が始まった瞬間に毎回歓声が湧き起こり、その反応を受けてキャプテンのピッキングにも一層力が篭る。

やけにキレキレで動くデイヴ・ヴァニアン(vo)と、ユルめのアクションでガツンとリフをかますキャプテン。このバンドの要である黄金コンビの傍ら、元UFOという肩書きも持つ出戻りメンバー、ポール・グレイ(b)の活躍ぶりも目立った。彼のゴリゴリでソリッドなベースが“パンクとハード・ロックのクロスオーヴァー”的な立ち位置にある『MACHINEGUN ETIQUETTE』の特異さを際立てていたように感じる。

同作からの曲が(完全再現ではなく抜粋で、後半はややランダムな曲順)プレイされた後、「Ignite」「New Rose」「Neat, Neat, Neat」というパンク・クラシックによってさらにカオスに化すと、デイヴがステージ袖のスタッフに向かって「もう1曲行けるか?」とアピールして、ラスト・ナンバー「Jet Boy, Jet Girl」をプレイしたのだった。終始メンバーは観客の反応に満足そうな表情を浮かべており、どこかアットホームなムードであると同時に、オリジナル・パンクだからこそのキレと凄みが渦巻く…このフェスの中でも際立って独特な雰囲気に包まれていたダムドのステージであった。

THE DAMNED @ SUMMER SONIC 2019 Billboard JAPAN STAGE 2019.8.17 セットリスト

1. Love Song
2. Second Time Around
3. I Just Can't Be Happy Today
4. Anti-Pope
5. Plan 9 Channel 7
6. Noise Noise Noise
7. Looking at You
8. Smash it Up
9. Ignite
10. New Rose
11. Neat Neat Neat
12. Jet Boy, Jet Girl

BABYMETAL/新曲も飛び出した華やかな演出

BABYMETAL

2日目のMOUNTAIN STAGEのトリは日本が誇る最強メタル・アイドル:BABYMETAL! ブリング・ミー・ザ・ホライズンの終演から約30分前後の空き時間があるにも関わらず、場内は早くも前方に行くことが困難なほどパンパンに埋まり、ファン達の熱気がすでにたぎっているのが伺えた。

映画の予告のような気迫のあるオープニング映像の後、「メギツネ」におけるSU-METAL(vocal, dance)のクリアな歌声を合図にメンバーが華麗に登場。MOAMETAL(scream, dance)にもう1人のダンサーを加えた3人が、歌って踊ってと序盤からハイ・テンションで駆け抜けていく。その様子を観ているだけで、大量のアドレナリンが分泌されるのが感じられた。楽器陣は最後までモニターに映らなかったものの、重厚な音圧と最高峰のテクニックで確かな存在感を放つ。ギター・チームは上手側がストランドバーグ製のギター、下手側はESP“SNAPPER”らしきモデルを持って演奏しているのを遠目ながらに確認できた。

10月にニュー・アルバム『METAL GALAXY』の発売を控えていることもあり、3曲目からはまさかの4連続で新曲を披露。観客の多くは「PA PA YA!!」等のすでに公開済みの楽曲を完全に熟知しており、完璧な振り付けで全体のヴォルテージの向上に拍車をかける。また、彼女達とCGのリアルタイム連動もインパクト抜群で、「Elevator Girl」では曲名の通りスクリーンに映し出されたメンバーの姿が上下に移動したり、すっかり定番曲となった「KARATE」では踊り狂う3人に炎がまとわりつく等、最新鋭のエフェクトでステージをより華やかに彩ってくれた。

最後は爆速ナンバー「Road of Resistance」で締め括ったが、メンバーが去った後、壮大なメロディーと共に11月に埼玉と大阪で単独公演の開催が発表に。終演後も場はしばらく歓喜に包まれていた!

BABYMETAL @ SUMMER SONIC 2019 MOUNTAIN STAGE 2019.8.17 セットリスト

1. メギツネ
2. ギミチョコ!!
3. PA PA YA!!
4. FUTURE METAL
5. Elevator girl
6. Shanti Shanti Shanti
7. ヤバッ!
8. Distortion
9. KARATE
10. ヘドバンギャー!!
11. Road of Resistance

TOTALFAT/現編成最後のサマソニ熱血パフォーマンス

TOTALFAT:バンド

この日のRAINBOW STAGEでトリを務めたTOTALFATもまた、サマソニ常連と言っても過言ではないが、今回のステージはいつもとは違った空気。すでにご存知かと思うが、リード・ギターを担当しているKubotyは10月22日のワンマン・ライヴを最後にバンドを脱退することになっている。つまり、“SUMMER SONIC”で現編成のパフォーマンスが観られるのは今回で最後。その事実を胸に刻み、網膜に焼き付けるような思いで彼らの勇姿を観ることにした。

最初は昨年リリースした『Conscious+Practice』収録の「Broken Bones」でスタート。彼らならではの疾走感抜群のプレイで、オーディエンスは勢い良く駆け回る! Kubotyはどの曲でも、テクニカル・パンクとも形容できるトリッキーなリフを展開したり、技巧派でありながらメロディックなギター・ソロを余すことなくプレイして観る者を魅了する。サークルやモッシュは常時フロアの端から端まで広がり、セットリストの半分ほどを終えた後半戦においてもオーディエンスの元気は沸々と沸いて来る様子。バンドもそれに応えるようにパワーをみなぎらせ、Jose(vo,g)とShun(vo,b)の歌声も心なしか前半よりも叙情的に聴こえていた。

ラストはヘヴィなコード・リフとブレイクダウンが際立つ「Title Holder」で締め括る。終電が近づいている人が多い時間帯のため、Shunが配慮の言葉を投げかけていたが多くのオーディエンスが彼等のプレイを最後まで見届けていたのが何とも感慨深かった。10月には改めてお互い再スタートを切るバンドとKubotyだが、どちらも今回のステージのような熱いパンク/メタル魂でファン達を楽しませてほしい。

TOTALFAT @ SUMMER SONIC 2019 RAINBOW STAGE 2019.8.17 セットリスト

1. Broken Bones
2. Place to Try
3. Room45
4. Summer Frequence
5. DA NA NA
6. Highway Part2
7. X-stream
8. Dear My Empire
9. Overdrive
10. ONE FOR THE DREAMS
11. PARTY PARTY
12. Good Fight & Promise You
13. Title Holder

RED HOT CHILI PEPPERS/メロウなジャムと爆発的な豪快パワー

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

2日目のMARINE STAGEでヘッドライナーを務めたのは、3年ぶりに日本に戻って来たレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RHCP)。やはり鉄壁の人気を誇るRHCPのこと、スタジアムはアリーナからスタンド席の通路に至るまで立錐の余地がない状況となり、体感的に混雑具合は例年のヘッドライナー以上という印象だ。

ショウは楽器陣のジャムからスタート。フリー(b)&チャド・スミス(dr)のリズム隊が骨太なグルーヴを生む上で、ジョシュ・クリングホッファーのギターが軽快に切り刻まれながらスピード・アップし、「Can’t Stop」につながっていくという強烈なオープニングで、早くもフェスのクライマックスにふさわしい盛り上がりを見せる。

続いて「Scar Tissue」でアンソニー・キーディス(vo)が牧歌的なメロディーを聴かせ、エンディングはサイケなジャムに展開…と、今回のRHCPはこういった生っぽい演奏が見所の1つでもあった。ギターの音は少し控えめ、ベースの音がやけにデカいというバランスではあったが、フレキシブルな動きで軽やかなファンク・ギターを弾き倒すジョシュの健闘も光る。

なかなか珍しい選曲の「Dark Necssities」、メインのストラトキャスターから“ES-335”に持ち替えたジョシュのファズをかけたソロが強烈な「Otherside」、フリーのベースから始まる「Hey」、チャド・スミスの短くも豪快なドラム・ソロからの「Dani California」などなど、セットリストの大半はRHCPのメロウな側面を象徴するような選曲が主で、シングル・カットされた名曲が多いだけに観客の反応は上々。とは言え、やはり「Around The World」のヘヴィ・リフが炸裂した瞬間の爆発力は凄まじかった。どちらかと言えばムーディーで安定志向という雰囲気が強い現在のRHCPだが、その豪快なパワーは今なお凄まじいことを再確認させられた。

アンコール頭の「Dreams Of A Samurai」の後はもちろん「Give It Away」。変態的で重厚で軽快…RHCPにしかなし得ないグルーヴが観客を大いに暴れさせ、フリーのファンに向けた謝辞でステージは幕を閉じたのであった。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ @ SUMMER SONIC 2019 MARINE STAGE 2019.8.17 セットリスト

1. Intro Jam
2. Can'T Stop
3. Scar Tissue
4. Dark Necessities
5. Otherside
6. Hey
7. Dani California
8. The Needle And The Damage Done
9. I Like Dirt
10. Go Robot
11. Californication
12. Around The World
13. Under The Bridge
14. By The Way
[Encore]
15. Dreams Of A Samurai
16. Give It Away

DAY 3 8.19(Sun.)

3日目の出演ラインナップは趣向を変えて、PerfumeやAI、ザ・チェインスモーカーズ等々、ポップスやDJ、ヒップホップを中心としたアーティストの活躍が目立った。この日もあふれんばかりのオーディエンスが会場に詰めかけ、特に屋外では陽射しの照りつける暑さにも負けず、お目当てのパフォーマンスを心行くまで堪能! なお、BEACH STAGEに出演した山崎まさよしが、得意のルーパーを駆使した弾き語りブルースで大勢のファンを楽しませていたことを、この日のギター的ポイントとして添えておきたい。

サマーソニック3日目