TRUE THRASH FEST 2020 @ESAKA MUSE 2.22〜23 危機を乗り越え開催されたスラッシュの祭典を対談レポート!

TRUE THRASH FEST 2020 @ESAKA MUSE 2.22〜23 危機を乗り越え開催されたスラッシュの祭典を対談レポート!

STÄLKER

斎藤:続いて、ニュージーランドのSTÄLKER。

STÄLKER: Daif & Chris

奥村:このバンドも、スラッシュ以前の雰囲気がありますね〜。メンバーのルックスもかなり…!

斎藤:上半身裸にスタッド・ベルトを巻き付けたギタリストのルックスがモロでした。あと、ベース兼ヴォーカルが少しデモリッションマン(ヴェノム INC.)っぽかったりも(笑)。

奥村:あ〜、似てたかも! でも、ハイ・トーン(唱法)なんですよね。いずれにしても、音よりもルックスのインパクトが強くて…。ギタリストのモジャモジャ頭も含めて(笑)。

STÄLKER: クリス

斎藤:事前に海外でライヴを観た人がいたようで、SNSでも前評判が高かったです。実際にはそこそこバタバタしてましたが…。とにかくギターが暴れ回ってて、見た目の汚さも、スラッシュ的に非常に正しいかと(笑)。

奥村:とにかく「熱いぞ!」というか…暑苦しい。

斎藤:そっちですね(笑)。

奥村:あと、メンバーの見た目はあまり若そうじゃないけど、結成は’16年なんですね。

斎藤:意外に若い?

奥村:あ…いや、ギターが37歳、ベース/ヴォーカルは41歳だそうで。遅咲きなのかな?

斎藤:なるほど。あのちょっとした曲の邪悪感なんかは、確かにヴェテラン感あるかもしれないですね。

STÄLKER:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.22 セットリスト

  • 1. Behold The Beast
  • 2. Total Annihilation
  • 3. Shocked To Death
  • 4. Evil Dead(DEATH/MANTAS cover)
  • 5. Shadow Of The Sword
  • 6. Black Majik Terror
  • 7. Path Of Destruction
  • 8. Satanic Panic
  • 9. The Mutilator
  • 10. Addicted To Fire
  • 11. Steel God

MASON

斎藤:次はオーストラリアのMASON。

MASON: Jimmy Benson

奥村:個人的には、今回の出演バンドの中で一番ハマりました。

斎藤:同じく。予習していた時点では、実はあまり印象に残ってなかったんですが…。

奥村:ライヴでより威力を発揮するバンドですよね。とにかく演奏がカッチリしてて、スラッシーでありながら、(アメリカの)パワー・メタルっぽいタイト感が素晴らしかった!

斎藤:あのタイトさはビックリですね。

奥村:それと、ツイン・ギターの使い方も絶妙で。メロディアスなギター・ソロも多いし、ある意味かなりYG向きのバンドでは?…という気がしました。

斎藤:ギター兼ヴォーカルの見た目が、ちょっとジョン・コネリー(ニュークリア・アソート)っぽい(笑)。だから、漠然と“ニュークリア・タイプ”という印象が残っていたんですけど、改めて音を聴き直したら全然違った。

奥村:リフの刻みなんかは、ラーズ・ロキット的では? “クランチ命!”って感じで。

斎藤:それと、リード・ギタリストよりも、むしろあのフロントマンの方が、プレイがしっかりしている感もありました。ソロもかなり執るし、殆どずっと彼ばっかり見ていましたよ。

奥村:同じく、そうでした。専任ギタリストは出戻りメンバーだそうで。

MASON: Ryan Butler

斎藤:数ヵ月だけですが、解散していたことがあるんですね? で、彼等も10年以上やってる…と。

奥村:ネット上の某所では“Thrash/Groove Metal”と分類されてましたが、「何で?」って感じ。“スラッシュ/パワー・メタル”と呼びたいですね〜。

MASON:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.22 セットリスト

  • 1. Eradicated
  • 2. Imprisoned
  • 3. Wretched Soul
  • 4. Warhead
  • 5. Tears Of Tragedy
  • 6. Unmerciful
  • 7. The Afterlife
  • 8. Cross This Path

THRASHFIRE

斎藤:次はトルコのTHRASHFIRE。

THRASHFIRE

奥村:バンド名がシンプル!(笑)

斎藤:これは名前で期待してました。

奥村:開演前から会場ロビーでも、あちこちで名前が飛び交ってましたね。

斎藤:言い易いですから(笑)。

奥村:バンドの物販も、ショウの前からかなり売れてたみたい。

斎藤:どっちかというと、初期セパルトゥラ辺りに近い感じでしょうか?

奥村:ブラック色もあった最初の2枚? アンドレアス(キッサー:g)が入る前の。

斎藤:1stフルレンス(’86年『MORBID VISIONS』)ぐらいですね。タイトル(曲名)も“Slaughter”とか“Chainsaw”とか分かり易い(笑)。

奥村:音楽的には、トルコっぽさは皆無だったかと。

斎藤:ヨーロピアンなイメージの方が近いような。

奥村:バンド・アンサンブル的には、若干ユルいところも…。いや、激タイトなMASONの後だからそう感じただけかも?

斎藤:熱さは満点でしたが。

奥村:あと、結構ステージングが朴訥としてて、そこはかつて“辺境”とも言われたトルコ出身ならでは?

斎藤:ただ、彼等もそれなりに年齢がいってて、もう10年以上やってるんですね。

奥村:’06年結成! ちょっとビックリですね〜。

THRASHFIRE:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.22 セットリスト

  • 1. Pure Devastating Necromancy
  • 2. Slaughtered By Hellgoats
  • 3. Vengeance Of Fire
  • 4. Katacomb(The Kingdom Of Ressurrection)
  • 5. Through The Crimson Darkness
  • 6. Dybbukim
  • 7. Into The Armageddon
  • 8. World Domination
  • 9. High Heel In The Hell
  • 10. Chainsaw Metal

EVIL INVADERS

斎藤:そして、トリはベルギーのイーヴル・インヴェイダーズ。

EVIL INVADERS

斎藤:急遽の来日で、さっきも言いましたが、この状況下でオファーを受けるという男気が素晴らしいです。

奥村:キャンセル2組の“代替バンド”…なんてとんでもない! 堂々ヘッドライナーを務めてくれました。

斎藤:前にスラドミのトリをデス・エンジェルが務めた時(“THRASH DOMINATION 06”)を思い出しましたよ。

奥村:デス・エンジェル?

斎藤:あの時って、ヴェノムがドタキャンしたじゃないですか? それで、デス・エンジェルがヘッドライナーに昇格したんですけど、「格的にどうなの?」といった声もあった中、そのライヴが最高過ぎて、最終的にみんな満足した…という。

奥村:キャンセルしたバンドのことなんて「もう忘れた!」的な?

斎藤:そうです。それぐらい、イーヴル・インヴェイダーズも素晴らしかったです。彼等って、これまでも何度か日本に来てるんですよね? 前回来日はいつでしたっけ?

奥村:’15年8月…ってことは、もう5年も前なんか! その前──初来日は’14年で、このTTFでした。但し、過去2回とも観逃してるので、初めて観たんですけど。

斎藤:自分も行けてなかったです。

EVIL INVADERS: Joe

奥村:彼等も“スピード・メタル”と呼ばれてますね?

斎藤:それこそ、エキサイターとかABATTOIRに近いイメージです。

奥村:あと、NWOTHMっぽさもあるかな?

斎藤:そうですね。精神性はNWOTHMかもしれません。音楽性は全然違うんですけど、あの動きっぷりはレイヴンに近いものを感じました。

奥村:スゲー暴れまくりでしたね。殆ど誰も止まっていない…という。

斎藤:あれだけ暴れ回りながらも、貫禄があるというのがイイです。演奏もイイ具合にバタバタなんだけど、キメるところはキメてたし。

奥村:ルックスというか──衣装という点ではSTÄLKERに近いのに、全くダサさが感じられないのも凄い(笑)。

斎藤:普通にタッパもあるし、カッコ良かったです。

奥村:単純にイケメン揃い…というのもあるかな。申し訳ないけど、STÄLKERとは違って…。

斎藤:ギターはヴォーカル兼任含め、かなり弾きまくってましたね。あの弾きまくりも“スピード・メタル感”全開です。

奥村:勢いイッパツなソロに加えて、わりと聴かせるリードもあったし。

斎藤:キメのフレーズも多かった気が。セカンド(’17年『FEED ME VIOLENCE』)の曲の方が、ギターの弾き込み具合が増してるのかな?

奥村:やっぱり、デビュー時はイケイケでも、活動を続けるうちに、みっちり弾いてみたくなるんでしょうか?

斎藤:海外のレビューなんかを見てみたら、“セカンドでメロディックになって、音楽的にもまとまってきた”というような評価が目立ってますし。その点では、ギター・プレイも安定してきて、バンドとしてのスケール感も出て、「このバンドがトリで良かった!」と思った人は多いんじゃないでしょうか。

奥村:実際、凄まじい盛り上がりでした。まぁ、あの暴れまくりなステージングを観れば、ジッとしてなんかいられないでしょうけど。

EVIL INVADERS 3

斎藤:ヴェノムのカヴァーをやってましたね。本編ラストに「Witching Hour」を…!

奥村:ギター専任と思ったマックスがヴォーカルで。始まった時は、ちょっと意外な選曲かと思ったけど、ヴェノムも影響源としては全然アリですね。

斎藤:2日目にはまた別のカヴァーをやったそうで?

奥村:そうそう、今度こそ“スピード・メタル”をね! それについてはまた後ほど〜。

斎藤:それにしても、非常に良いライヴでした。大阪に来る前は、「どうなることか…」と思っていたんですが、“終わり良ければすべて良し”ですね! それと、半日以上スラッシュに浸かるというのは、やっぱりイイです(笑)。MASONみたいな恐ろしいバンドも観られたし!!

EVIL INVADERS:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.22 セットリスト

  • 1. As Life Slowly Fades
  • 2. Pulses Of Pleasure
  • 3. Tortured By The Beast
  • 4. Mental Penitentiary
  • 5. Broken Dreams In Isolation
  • 6. Feed Me Violence
  • 7. Stairway To Insanity
  • 8. Among The Depths Of Sanity
  • 9. Oblivion
  • 10. Witching Hour(VENOM cover)
  • [Encore]
  • 11. Raising Hell
  • 12. Victim Of Sacrifice