DAY 2 – 2.23 Sun.
斎藤:僕は仕事の都合もあって、2日目は泣く泣く断念したのですが、日曜の動員はどうでしたか?
奥村:初日とそう変わらなかったと思います。
斎藤:2日間通しで来た人も多かったんでしょうね。
奥村:あと、トリ・キャンセルで払い戻しする人もいたようで、それで当日券が出ることになり、当初ソールドアウトであきらめざるを得なかった人も来られるようになったみたい。
斎藤:なるほど。では、この日の出演バンドも振り返っていきましょう。トップは日本のファストキル。
FASTKILL
斎藤:彼等も急遽の出演となったそうで。当然、オールドスクールですよね?
奥村:それこそ“True Thrash”なのかも。かなり久々に観ました。以前は“ヤケクソさ加減が凄い”といった印象だったんですけど、いつの間にか(?)普通にカッコいいバンドになってました。
斎藤:普通に(笑)。でも、そこ大事です。
奥村:演奏も、適度にドタバタしつつも、相変わらずの突撃パワーで、シュミーア(デストラクション)のシャウトを思わせるヴォーカルも迫力が増してて。
斎藤:ギターはやはりゴリゴリに刻みで?
奥村:ゴリゴリというより、ガリガリ、ジャキジャキしてる…? とにかく、ひたすら速い曲ばっかりです。
斎藤:お客さんは、前日と同じく最初からダイヴしまくり?
奥村:ひっきりなし…でした。
斎藤:2日目も最初から強力だったと!
ファストキル:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. Kill Fast
- 2. Die In The Pentagram
- 3. Sense Of Ignorance
- 4. Drenched In Blood
- 5. Bloodbath
- 6. Toxic Tormentor
- 7. Hang ‘Em High(HYPNOSIA cover)
- 8. Kill For Pleasure
SHELLSHOCK
斎藤:続いても日本勢──シェルショックですね。
奥村:大ヴェテランです。一時期、活動を止めてたものの、去年が結成35周年だったそうで。久々どころか、何十年か振りに観ました。
斎藤:僕がスラッシュを聴き始めた頃、ちょうどバンドがなくなっていて、復活後も観られていないんですが、ステージングはどんな感じですか?
奥村:前にいつ観たのか…憶えてないぐらいですけど、以前と同じイメージでしたね。ストイックで、男臭くて。
斎藤:後追い的には、前衛的なイメージが強いのですが…。
奥村:確かに、実験的なこともやってるバンドですが、初期のイメージに近かったです。
斎藤:真っ当にスラッシュやってると?
奥村:ストレートに、愚直に…という感じではないけど、スラッシュ・バンドとしての矜持はビシビシ伝わってきました。実験的なアルバムからの選曲もなかったみたいですし。
斎藤:「ステージへ上がって来るのにビザはいらねぇから!」という(ビザ絡みで直前キャンセルした元のヘッドライナー2組に絡めた)名言が出た…と小耳に挟みましたが?(笑)
奥村:めっちゃウケてました。それって初日にリヴァージュも言ってましたね〜。
斎藤:専任ギターは新し目のメンバーなんですよね?
奥村:ギター/ヴォーカル以外は全員、再始動後に加わったメンバーだったと思います。ただ、個々のメンバーが特徴的なプレイで目を惹いたり、誰がが特に目立つというのはなくて、バンド全体で聴かせるというイメージですね。ドッシリ構えてて、とにかく貫禄ありました。
シェルショック:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. Soul Device
- 2. Last Bullet
- 3. Poison
- 4. Endless War
- 5. Through The Night
- 6. Death Comes Inside
- 7. Mastered Gas
RIVERGE
斎藤:次は、日本勢では唯一の2日連続出演となったリヴァージュ。
奥村:引き続き盛り上がりまくりでした。やっぱりステージ・ダイヴも続々。
斎藤:暴れてナンボですね。
奥村:バンドも初日以上にはっちゃけてた印象ですね。S.O.D.のカヴァー(「United Forces」)もやったし!
斎藤:それって、2つあとに出てくるバンドに向けて…?
奥村:どうでしょう?(笑) ちなみにリヴァージュは、翌日の後夜祭的なイベントにも出演したそうで。いやいや、タフで頼もしい…!
リヴァージュ:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. Fast Saw
- 2. Wardance
- 3. United Forces(S.O.D. cover)
- 4. Fight Against Myself
- 5. Damned World
- 6. A & A
- 7. Stand In Fear Of Nothing
- 8. Slavish Charge
- 9. Till I Die
AMORPHIA
斎藤:3番手は、去年に引き続き出演──インドのAMORPHIA。
奥村:“インドのクリエイター”という印象でした。曲によっては、エクソダスとかソドムっぽかったりもしてたけど、あの凄まじい圧殺パワーは初期クリエイターかな…と。
斎藤:結構リフがゴチャゴチャしている系ですか?
奥村:いや、勢いイッパツ系です。“ツタツタツタ…!”という典型的スラッシュ。
斎藤:演奏もカッチリ?
奥村:かなりタイトで迫力ありました。ただ、前日のTHRASHFIREもそうだったんですけど、ステージ運びが淡泊というか、やや難アリ…。単にライヴ慣れしていないだけかもしれませんが。
斎藤:普段のライヴの本数がどうなのか…ですね。インドとかトルコだと。
奥村:MCとか客あしらいで、どうしても欧米のバンドとは差が出てしまって…。
斎藤:でも、欧米のバンドでも、ショウ運びがダメダメなの、いますから(笑)。
奥村:いますね(笑)。ともあれ、演奏面では遜色ナシ。辺境感は全くなかったです。インド人もやるな〜と。
斎藤:演奏についてはかなり評判イイですね。もう今は、出身国とバンドのレべルは特に関係なくなってきているので。後日(ライヴ)動画を観てみたんですけど、なかなかタイトでした!
奥村:そういえば、終盤にカヴァーを2連打でやってました。ソドムはともかく、MORBID SAINTが濃くて良かったです。
斎藤:MORBID SAINT!(笑) それは観たかったかも…。
AMORPHIA:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. The Lieber Code
- 2. Army Of Evil
- 3. Camp 22
- 4. Necromancers
- 5. Arms Of Death
- 6. Unholy Preacher
- 7. Radiation Overdose
- 8. Mutants’ Rise
- 9. Death Zone
- 10. Lock Up Your Children(MORBID SAINT cover)
- 11. Agent Orange(SODOM cover)
UNITED
斎藤:そして、リヴァージュの「United Forces」カヴァーを受けての…ユナイテッド。
奥村:ちゃんと(?)SEで「United Forces」流してましたよ。
斎藤:そうですよね(笑)。
奥村:もう、安定の素晴らしさ。
斎藤:曲はどの辺りで攻めてました?
奥村:現時点での最新作『ABSURDITY』(’18年)を核にしつつ、定番も…って感じでしょうか。
斎藤:(持ち)時間、短かったんですね?
奥村:30分…かな? しかも、大谷(慎吾)さんのギターがトラブって。
斎藤:あらら…。珍しいですね。
奥村:最初は騙し騙しプレイしてたものの、途中、完全に中断してしまってました。もしかしたら、1曲ぐらい削ったかも?
斎藤:もしそうだったら痛い。
奥村:あれには、ハリー先輩(吉田良文)も一気に酔いが吹き飛んだのでは? あ…いや、ライヴの前にはまだ酔ってないか(笑)。
斎藤:(笑) 古い曲は? もしかして、「Sniper」とかやりました?
奥村:ラス曲でした。でも、あっという間に終わった…という感じです。
斎藤:6曲は少ないですね〜。
ユナイテッド:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. Settle My War
- 2. Arise
- 3. Trapped Fake World
- 4. Cross Over The Line
- 5. Solid Ground
- 6. Sniper