STÄLKER: DAY 2
斎藤:続いては、STÄLKERの2日目。
斎藤:初日と変化はありました?
奥村:さらに暑苦しく感じました(笑)。
斎藤:(笑)
奥村:前日でもう既にお腹イッパイだったのに、さらに…もたれるぐらいに。いや勿論、誉めてますよ(笑)。
斎藤:分かります(笑)。
奥村:初日のところで言い忘れてましたが、デスのカヴァーをやってたじゃないですか?
斎藤:あ〜、「Evil Dead」!
奥村:アレって確か、(スタジオ)アルバムでもやってたと思うんですけど──MCで、「次はMANTASのカヴァーをやる」…って言ってませんでした? デスではなくて。
斎藤:そういえば、「デスの曲をやる」とは言わずに、リフで気付いたような覚えがあります。
奥村:要は、オリジナルのデモ・ヴァージョンのカヴァーだと。
斎藤:細か過ぎて、マニアにしか伝わらない(笑)。
奥村:その辺からも、ちょっとヲタク臭が感じられましたね。というか、最初「MANTASの…」って言うから、ヴェノムのマンタスのソロからやるのか…と思って(笑)。
斎藤:それは流石に…(苦笑)。
奥村:TTFのお客さんだったら、「そっちの方が嬉しい!」というマニアもいるかもですけどね。
STÄLKER:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. Behold The Beast
- 2. Total Annihilation
- 3. Shocked To Death
- 4. Evil Dead(DEATH/MANTAS cover)
- 5. Black Majik Terror
- 6. Steel God
- 7. Path Of Destruction
- 8. Satanic Panic
- 9. The Mutilator
- 10. Addicted To Fire
MARTYR
斎藤:そして、トリ前のMARTYR。彼等も急遽の来日でした。
奥村:主催者から開催まで1週間を切った時点でオファーがあり、「Damn yes we are going to do this!」と即決で来日を決めたそうです。
斎藤:素晴らしいですね。主催者との絆の深さを感じさせます。このバンドも、去年に引き続きの出演?
奥村:去年、前夜祭か後夜祭に出たそうです。で、『LIVE IN JAPAN』(’19年)をリリースしてます。ただ…全然スラッシュじゃない(苦笑)。
斎藤:むしろパワー・メタルかと。
奥村:そう。速い曲はあるし、激しいリフもあるけど、完全にスラッシュ以前の’80年代メタル。スピード・メタルでもない…っていう。
斎藤:’82年結成ですもんね。
奥村:バンマスのギターのオヤジも、全然スラッシャーじゃなくて、完全にオールドスクール。
斎藤:いなたい旋律ギターのバンドというイメージが強かったです。
奥村:NWOBHMの要素も感じさせるアメリカン・パワー・メタル路線…ってな印象も。それなのに、メチャクチャ盛り上がってました。
斎藤:それだけのポテンシャルを秘めてる…と。
奥村:ヴォーカルが盛り上げ上手なんですよ。あと、去年のライヴも、恐らく相当盛り上がったんでしょう。それでお客さんの側も、「去年メッチャ盛り上がったあのバンドか!」みたいな感じだったのでは?
斎藤:演奏自体も熱い?
奥村:いや、ヴォーカルは暑苦しいけど、ギターのオヤジはわりと枯れた味わい。
斎藤:ヴォーカルが1人で引っ張るタイプ?(笑)
奥村:まさに。ヴォーカルの勢いだけで、観客を巻き込んでいく感じ。但し、ギターはメロディアスで味わい深いです。セカンド・ギターも何曲かリードを執ってました。
斎藤:では、(スラッシュの祭典に)このバンドが入ったことで良いアクセントになった…と。
奥村:あれだけ盛り上がってたんですから、「スラッシュじゃない」とか誰も言わないですよね。あと、「Speed Of Samurai」では、観客をステージに大量に上げてました。
斎藤:(写真を見て)凄いことになってますね(笑)。
奥村:ハイ。「テスタメントの“Over The Wall”か?」…ってぐらいに(笑)。このあとイーヴル・インヴェイダーズは「やり難いかも…」という盛り上がりでした。
斎藤:そんなに…ですか!
奥村:でも、それで終演とはならずに、もう1曲やったのが…謎。
斎藤:観客を(ステージから)下ろして、さらにやったんですか!?
奥村:SEが流れたから、「もう1曲やんの?」と(笑)。でも、観客はひたすら熱狂しまくってるから、蛇足にはならなかったですね。
MARTYR:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. Into The Darkest Of All Realms
- 2. Infinity
- 3. Snow And Fire
- 4. Afterlife
- 5. Inch By Inch
- 6. Unborn Evil
- 7. Art Of Deception
- 8. Speed Of Samurai
- 9. Monster
EVIL INVADERS: DAY 2
斎藤:ヘッドライナーは2日続けてイーヴル・インヴェイダーズ。
斎藤:初日と変わった特筆点はありましたか?
奥村:前日と同じテンションで、やっぱり動きまくり、暴れまくり…でした。MARTYRのことなんて、全く意に介さず。
斎藤:イイな〜。
奥村:特筆点は、やっぱりエキサイターのカヴァーですね。
斎藤:出た! 「Violence & Force」!!
奥村:ドンピシャでした。
斎藤:ハマりますよね。
奥村:去年、本家が来日した際にも聴けたんですが、かなり失速ヴァージョンだったんで、余計に勢いを感じました。
斎藤:初日もやってましたが、アンコール最後が「Victim Of Sacrifice」…って、これもエキサイター(’85年『LONG LIVE THE LOUD』収録曲)かというと、彼等のオリジナルなんですね?(笑)
奥村:確信犯かな? いずれにしても、あの勢いは本当に凄い。インパクトありまくりです。それに、演奏もヤケクソみたいに見えて、実はしっかりしてるし。
斎藤:まだメンバーの殆どが20代なので、今後もガッツリ暴れまくって欲しいです。
奥村:だんだんスピード・メタルから離れていってる…とも言われてますが、あのヤケクソ感はずっと残してもらわないと…!
EVIL INVADERS:TRUE THRASH FEST 2020@ESAKA MUSE 2020.2.23 セットリスト
- 1. As Life Slowly Fades
- 2. Pulses Of Pleasure
- 3. Shot To Paradise
- 4. Mental Penitentiary
- 5. Broken Dreams In Isolation
- 6. Feed Me Violence
- 7. Driving Fast
- 8. Siren
- 9. Oblivion
- 10. Fast, Loud ‘N’ Rude
- 11. Violence & Force(EXCITER cover)
- 12. Raising Hell
- 13. Victim Of Sacrifice
総括~2021年開催に向けて
斎藤:2日間を通していかがでしたか?
奥村:出演バンド、観客、主催者──改めてその一体感に驚かされました。前からそうですけど、激しい音楽のイベントなのに、妙にアットホームで…(笑)。
斎藤:ヘッドライナー2組のキャンセルを知った時は、「どうなるんだろう…?」と心配になりましたが、結果としてより団結力が増し、さらに盛り上がったのではないかと。勿論、(キャンセル問題もあり)単純に「良かった」とは言えませんが。
奥村:2日目の幕間に行なわれた、DJベッピー(ライターの別府伸朗)が私物を大放出してのオークションも楽しかったです。大きな損害を被った主催者へ、また今後のイベント開催に向けても、“TTF救済”との思いで企画されたそうですが──定番モノからマニアックなレア物までが出品されてて、なかなか盛況でした。
斎藤:そういったところも、このフェスならではですね。今年のベスト・アクトはどうでしょう?
奥村:やっぱりMASONですね〜。タイトなツイン・ギターが堪らんかったので。次のアルバムで、さらにヤング・ギター向きになってくれると嬉しいです。
斎藤:自分的にもMASONと、あとイーヴル・インヴェイダーズも…でした。
奥村:確かにインパクトありましたね〜。
斎藤:で、来年ですが──TOXIKという時点で、またまた度肝を抜かれました(笑)。
奥村:ホンマ、やってくれますな!
斎藤:セカンド・アルバムの『THINK THIS』(’89年)は凄く聴き込んだので…。
奥村:最近、ファースト『WORLD CIRCUS』(’87年)の全曲再現をやったそうですが、出来ればセカンドの方が…。「Spontaneous」を生で聴いてみたい!
斎藤:これは頑張って、来年も観に行かねば。
奥村:結果的に継続となって良かったです。というワケで、来年も行きましょう!!
斎藤:今年、スラッシュ・マニアの団結力というモノを改めて痛感したので、来年も是非、その輪に交わらせて頂きたいですね!!