最初から今までブレていないことが確信できた
YG:では、今回のシングルの収録に使った機材に関して教えてください。アンプは先ほどお聞きした通り、ケンパーの“Profiling Amplifier”だけですか?
匠:そう、エレクトリックの歪みに関してはケンパーだけです。プロファイルしたアンプは主にボグナーの“Ecstasy”ですね。
YG:ギターは以前と変わらず、PRSギターズですか?
匠:PRSですけど、今回は“McCarty”ではなく、ある人から“Custom 24”をお借りして使いました。“McCarty”はどちらかというと枯れた音の方が得意なんですけど、“Custom 24”は芯があってガシッと来る感じだったので、今回はこちらで録ってみようかと。あと“McCarty”は22フレットまでしかないので、あまり調子に乗ったソロが弾けないんですよね。
YG:調子に乗ったソロが(笑)。
匠:いつの間にか高音に行き過ぎてフレットが足りない…というのも困るので(笑)、24フレットが必要だったというのも、“Custom 24”を選んだ理由の1つです。まぁ今回そこまでの高域使ってないですが(苦笑)
YG:さて、今後の予定ですが、7月に特別な形のライヴがあるんですよね?
匠:2015年に“宙吊り娘と掃き溜めの詩”、今年の4月にその続編である“桜肌、夢締め跡と優越の詩”という、舞台演出を絡めた形の公演をやったんですが、今度はその2つを二部構成で一気に見せるというライヴを、7月17日に調布市グリーンホールで行ないます。“「裸体と遊具、泥芝居に讃歌の詩」-漆黒の儀-”というタイトルですね。前回はなかったプラスαの演出があるらしいんですが、京さんは直前まで何を考え出すか分からないので(笑)、僕らもまだざっくりとしか聞いていないんですよね。
YG:普段のライヴの2倍の曲数を演奏するということは、なかなかの集中力と体力が必要ですよね。
匠:まあ曲によりけりなんですけどね。例えば「aftermath」(『IMMORTALIS』収録)なんか、僕は目をつむったまま瞑想状態で演奏することができるんですけど、「耳ゾゾ」(会場限定盤の8cmシングル)なんて油断していたら置いて行かれるから必死です。曲によって消費カロリーが全く違うって、メンバーともよく話していますよ(笑)。
YG:しかも匠さんの場合、演奏するのはギターだけじゃないですもんね。
匠:そうですね、ピアノも弾くし、PCも操る必要があるし、ギターはエレクトリックもあればアコースティックもあるし…。まあ自分がやりたいからやっているだけですけどね。楽器に囲まれているのが好きなんですよ。
YG:ロバート・フリップ(キング・クリムゾン)のような楽器の要塞を作りたい?
匠:できればもっと増やしたいですね(笑)。今回の『ANIMA』にはDISC 2としてBlu-rayも付属しているんですが、その中に入っているライヴ映像の1曲目「foster mother」で、僕はどうしてもヤマハの“DX7”という、’80年代のFMシンセサイザーを使いたかったんですよ。『VITIUM』のレコーディングで使って上手くハマったので。逆に言うとその1曲でしか使わないんですが…、めちゃくちゃ重いのにわざわざステージへ持ち込んでいる様子が、そのDISC 2で観られたりします。
YG:では最後に、今回の作品に関するアピールを今一度。
匠:sukekiyoとして2年半ぐらいやってきて、最初に提示した1stフル・アルバムからブレていない様子が、自分たちでも確信できたと思います。純度100パーセントのsukekiyoが詰まっているのがこの『ANIMA』なので、ぜひみなさん聴いてみてください。
sukekiyo 二〇一六年公演「裸体と遊具、泥芝居に讃歌の詩」-漆黒の儀-
日程:2016年7月17日(日)
会場:東京都 調布市グリーンホール
開場:16:30 開演:17:00
席種:指定席
チケットお問い合わせ:NEXTROAD 03-5114-7444(平日12:00〜18:00)
※ドレスコードあり ※未就学児童入場不可