毎月10日発売。月刊ギター専門誌ヤング・ギターの公式ウェブサイト。

「ギターで様々な役割を演じるのが好きなんだ」オロフ・モルク/アマランス2019来日インタビュー

「ギターで様々な役割を演じるのが好きなんだ」オロフ・モルク/アマランス2019来日インタビュー
インタビュー●奥村裕司 Yuzi Okumura 写真●©DOWNLOAD JAPAN All Rights Reserved

清濁混合の男女トリプル・ヴォーカルを擁するスウェーデンの6人組:アマランス。メロディック・デス・メタルとエレクトロ・ミュージックを大胆融合させ、時にアリーナ・ロック的スケール感も放つ独自サウンドで人気の彼等が、今年3月に“DOWNLOAD JAPAN”フェス出演のため再来日した。

午前11時10分から2番手として登場し、激しいビートとキャッチーなメロディー使いでオーディエンスを沸かせに沸かせた──その数時間後、ギタリストでメイン・ソングライターでもあるオロフ・モルクへの対面インタビューが実現。コダワリの機材についてガッツリ話してくれた彼には、改めて昨年のリリース作『HELIX』についても質問をぶつけてみた!!

俺が書く歌メロは、常に歌い手のスタイルが考慮されている

YG:まだ明るい時間のショウでしたが……

オロフ・モルク(以下OM):というか、朝だったよね?(笑)

YG:それでも、凄く盛り上がっていました! いかがでしたか?

OM:素晴らしかったよ! さらに多くの観客を獲得することが出来たと思う。でも、朝6時に起きてショウをやりに行くなんて、変な感じだったな(苦笑)。

YG:時差ボケなどであまり眠れなかった…とか?

OM:いや、実はちょっと前までロシアをツアーしていて、極東方面でもプレイしたから、日本との時差は1時間だけだったんだ。時差ボケにならずに日本へやって来たのは、これが初めてだよ(笑)。だから、体調はすこぶるイイ。演奏時間は40分と、ちょっと短かったけど…。

YG:改めて、昨年リリースの『HELIX』について訊きます。いつも通りのアマランスでありつつ、ヘヴィな曲はよりヘヴィに、デジタリーな曲はよりデジタリーに…という仕上がりになっていると思いましたが?

OM:ああ、その通りだね。実は、最初の2枚のアルバム('11年『AMARANTHE』&'13年『THE NEXUS』)でやっていたことに、また戻ろうと考えたんだ。もう5〜6年やっていない要素があったんでね。だから、最初はそれを凄く楽しみにしていたんだけど、同時に過去に持っていた強みにも気付いてさ。結果的に、完璧なアルバムになったと思う。

YG:男性ヴォーカルが2人交代しましたが、それが曲作りに影響を与えたということは?

OM:少し変わったかな。ニルス(モーリン)の声は独特で、ちょっとオールドスクールなところがある。'80年代や'90年代初期っぽいというか──実は'70年代風な部分もあるぐらいだ。だから、ソングライターやコンポーザーとして、非常にインスパイアされる存在だね。実際、特定の方向を狙って曲を書いていったんだよ。例えば「Unified」というバラードがあるけど、これは正にニルスのスタイルがインスピレーションになって出来た曲だ。とてもクラシックな'80年代のパワー・バラードって感じだろ? とてもクールな仕上がりになったよ。あとニルスは、俺のアイデアのセンスを的確に判断してくれたし、「こういうのが好きだ」と意見も出してくれた。俺としてはヘヴィな作品にしたかったんだけど、ニルスもその方向性に同意してくれたのは凄く良かったな。

YG:ライヴでも、ニルスが初期の曲を歌うと、随分印象が違って聴こえました。

OM:勿論、変化はあるよ。それも念頭に置いておくべきことだ。ジェイク(・E)が脱退した時、俺達には2つの選択肢があった。彼のクローンのような人を探すか、それとも…という風に。いや、前者を選択するのは間違ってるよね。個性を持ったシンガーを見つけられれば、楽曲に違った要素を持ち込むことが可能になるから。実際、今夜…じゃなくて(苦笑)今朝のライヴは、とてもクールな仕上がりだった。まるでサウンドに別の風味が加わったようだ。俺にはとても良いことだと感じられたよ。ニルスはこのバンドに完璧にフィットしている。少なくとも、エリーセ(リード:vo)にはよく合っていると思うな。

YG:ちなみに、『HELIX』収録曲はニルスとヘンリク(エングルンド・ヴィルヘルムソン:vo)が加わってから書かれたのでしょうか? それ以前に書いた曲も含まれていますか?

OM:ニルス達がバンドに加入した状態で、すべての曲を書いたよ。エリーセと俺とで、ごく短期間で書き上げたんだ。レコーディング作業全体を遅らせることも出来たけど、いつもより自分達にハッパを掛けて、モノ凄くクリエイティヴに進めることが出来た。その間はツアーもやらず、('18年)1〜3月までの2ヵ月間で、すべてを書き上げたんだよ。俺が書く歌メロは、常に歌い手のスタイルが考慮されている。エリーセも含めてね。だから、ニルスがフィットすべき曲にするという構想の下、アレンジも、感情の込め方なども完璧にしていったのさ。

ただ、ニルスとはスタジオでしか合わせていなかったから、その時点では「ライヴはどうかな…?」という不安もあってね。まぁ、見ての通りバッチリだから、次のアルバムでは、ニルスを想定した曲をどう書けばイイのか、より明確に理解した状態で取り組めるよ。

YG:先ほど「オールドスクールなところがある」とおっしゃっていましたが、ニルスが歌う様子を観て、時々「ロニー・ジェイムズ・ディオがアマランスに入ったのか?」と思う瞬間があって…(笑)。

OM:なるほど…そうだね! 確かに、ディオみたいなところがある。あと、(デイヴィッド・)カヴァデールや(ジョン・)ボン・ジョヴィっぽくもあるし。俺はずっと、そういった音楽が大好きで聴いてきた。そして、クラシックなヘヴィ・メタル・ヴォーカルと超モダンな音楽性の組み合わせは最高だから、完璧にフィットしたということだね!

アマランス:エリーセ・リード

アマランス:ニルス・モーリン

アマランス:ヘンリク・エングランド・ヴィルヘルムソン