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サンズ・オブ・テキサス feat. ジェス・デ・ホイヨス&ジョン・オリヴァレス 2018来日

インタビュー&文●浅見大秀 Taisyu Asami 写真●Aki Fujita Taguchi

SONS OF TEXAS Interview

日本デビューを果たす前から国内のメタル・リスナーの間で大きな支持を得ており、初来日となった”16年の“LOUD PARK”でその人気を不動のものにしたサンズ・オブ・テキサス。昨年新たに2ndフル・アルバム『FORGED BY FORTITUDE(邦題:不屈の魂)』もリリースされ、乗りに乗っている彼らが、去る2月に念願の日本での単独公演を実現させた(レポートはこちら)。YGは公演の直前にギター・チームであるジェス・デ・ホイヨスとジョン・オリヴァレスにインタビューを行ない、今回の単独公演や彼らの音楽性、ニュー・アルバムの制作背景などについて尋ねてみたので、ここに紹介しよう。

アルバム全曲を通して1人1人の見せ場を用意したい(ジョン)

YG:日本での単独公演としては今回が初めてとなりますが、いかがですか? 
ジェス・デ・ホイヨス(以下JH):ちょっと緊張しているね(笑)。でも日本を忘れたことはなかったし、戻ってこられてとても嬉しいよ。ショウが楽しみだね。

YG:2016年に初めて“LOUD PARK”で来日されましたが、その時海外公演はメキシコを除けば日本が初だったということですね。それから2年近く経ちましたが、他の国へもツアーは行かれましたか? 
JH:うん、行ったよ。ヨーロッパとイギリスだ。あと、カナダがあったけど…。
ジョン・オリヴァレス(以下JO):1公演だけだし、カナダは外国とは言えないかも(笑)。

YG:国によって、オーディエンスの反応は違いましたか? 
JH:アメリカと比べたら、確かに違うな。ここ日本やヨーロッパ、イギリスのような外国の方が盛り上がる。新しいオーディエンスに会いに行くのは毎回楽しみだね。

YG:今回のセットリストは、日本専用に組まれたものですか? 
JO:そうだね。というか、今晩は通常より持ち時間が長いから、必然的に日本だけの特別セットになったんだ(笑)。
JH:ライヴ映えしそうな曲を出来るだけたくさん入れるようにしたよ。あと、1stアルバム『BUPTIZED IN THE RIO GRANDE』(”15年)から久々に引っ張り出してきた曲もある。さっきサウンド・チェックでやってみたら、凄く良い感じだったよ。2枚のアルバムをミックスさせたから、きっと楽しいショウになるはずだ。

YG:では、改めてバンドの音楽性についてお聞きします。サンズ・オブ・テキサスの楽曲にはテクニカルでスピーディーなフレーズより、グルーヴを感じるものが多いと思います。これはライヴ等のノリやすさを重視しているからですか? 
JH:もちろんさ、その通りだよ。曲を聴けば自然に頭を振ったり身体を動かしたりしたくなるような要素が欲しいからね。俺達は何よりもグルーヴを重視している。
JO:ドラムとのコンビネーションを特に意識しながら、ギター・パートを作っているんだよ。

YG:どの楽曲も極力シンプルな楽器構成で統一されていますが、これもやっぱりグルーヴを強調するためですか? 
JO:そうだ。各楽器のバランスがきっちり取れてないといけないんだ。ベースが前に出る時はギターを引っ込めたり、ギター・ソロの時はリズム・セクションをおとなしくさせたり…。ドラム・パートが複雑なことをやっている時は、弦楽器のパートには音を詰め込まない、とかね。アルバム全曲を通して1人1人の見せ場を用意したいんだ。そうするためにはなるべく構成をシンプルにしないとね。

YG:前作も新作も、例えば「Texas Trim」にはバンジョーを入れたり、「Slam With The Light」はブルージーなハネたリズムや、ペンタトニック・スケールを活かしたフレーズが含まれ、地域色が特に強い曲になっています。本編の最後にこういった曲を持ってくるのはサンズ・オブ・テキサスのスタイルなのでしょうか。
JH:そうかもしれないね。でも全然意識していなかったな。実は正式なレコーディングは一切していないけど、最初と最後が完全にブルースになっている曲があるんだ。ライヴでは弾いているから、誰かがYouTubeにアップした動画で観られるかもしれないけど…。そういう曲が幾つかあるから、今後もアルバムの最後にブルージーな曲を入れていっても良いかも。

YG:そうしてもらえれば僕が「あれは自分のアイデアだ」と言えるので、ぜひお願いします(笑)。
2人:ハハハ(笑)。

YG:そのようなスタイルを持ちながら、なぜか古くさくなくモダンな印象も受けます。この音楽性はどのようにして確立されたのでしょうか。
JH:そこにも地元の音楽の影響があるんじゃないかな。テキサス出身のミュージシャンはみんな、独特のサウンドを持っているんだよ。子供の時から聴き続けていた、カントリーなどを始めとする音楽からの影響が成長と共に蓄えられていくんだ。パンテラ、そしてZZトップ等のバンドもみんなそうだ。共通する要素がたくさんあるよ。ブルースもあるし、グルーヴィな音楽もあるし…そういったところに、現代におけるテキサス発祥のバンド・サウンドとの関連性が秘められているんだと思う。周囲からは、俺達の音楽にも彼らと同じアプローチを感じると言われるんだ。

YG:テキサス出身のアーティスト以外で影響を受けたバンドというと?
JH:バンド全員でわりと共通しているのが、マッドヴェインが好きなことだ。うちのベーシストのニック(ビラリール)やドラムのマイケル(ビラリール)、マーク(モラレス/vo)も気に入っているよ。それに、マークはザ・ビートルズからの影響も強く受けている。俺とジョンはストーン・テンプル・パイロッツも、オーディオスレイヴ、サウンドガーデンといったクリス・コーネルが関わった音楽などは何でも好きだ。ヒップホップやラップも含めてどんな音楽だって聴くし、どんな音楽からも影響を受ける。良いなと思ったら何でも取り入れるんだよ。

YG:ちなみに1stアルバムは“パンテラ・ミーツ・ニッケルバック”と呼ばれ、高く評価されていましたが、その後活動していくにあたって、この2つのバンド…特にニッケルバックからの影響は意識していましたか? 
JH:いや、全然意識してなかったよ。でも、俺はニッケルバックも大好きだ。ところで、なぜか彼らのことを良く思わない人もいるよね。俺には理由が分からないけど、凄く良いバンドだと思う。さっきも言ったけど、俺達はどんな所からでも影響を引っ張って来るんだ。1stがああいう風に呼ばれていたのは、それら2つのスタイルを同列に組み合わせた音楽が出て来るとは想像がつかなかったからだろうね。だから光栄だ。パンテラは俺達全員のお気に入りだよ。『FORGED BY FORTITUDE』にも、彼らからの影響が感じられる。

Jon Olivares