GRAVITY／プレイング・マンティス

NWOBHMシーンを代表する英国の叙情派HR/HMバンドが、前作と同じラインナップで制作した約３年振りとなる新作。メロディアスなツイン・リードと美しいコーラスを特徴とする音楽性は本作でもブレておらず、前作の延長線上にある安定のサウンドを聴かせている。メイデン的なリフが印象的な「Keep It Alive」の導入でファンの心をがっちり掴むと、それ以降はAOR〜メロディック・ロック路線でしっとり聴かせる流れも前作同様。ただ、若干メリハリに欠ける側面も。力強いガナリ声がどこかグラハム・ボネットっぽく聴こえるジョン・ジェイシー・カイペルスの歌唱がいよいよ彼らの音楽性にハマってきた。

【文】Masa Eto