魂の叫び／外道

’70年代の日本産ロック黎明期を語る上で外せない外道の、10年ぶりのリリースとなるスタジオ作。聴いてまず、加納秀人のギターが凄い。鋭くキレがあるのに芯は太い、ある意味エロさすら感じる情念こもったトーンに鳥肌が立つ。HR/HM的でもあるインストやパンクにも通じるシンプルなR&Rなど、どんなテイストの曲でも加納の発するブルースの色気と迫力にクラクラさせられるのである。変幻自在なギターを色々楽しめ、新曲から過去の代表曲のリメイクまでも収録と、バンドのセールス・ポイントを満遍なく収めた作品。外道の何たるかを知るには、入手困難な旧譜を探すよりも本作を聴くのが一番簡単だ。
（斎藤新吉）